明るく気さくな人柄の上出善子さん……「よっちゃんキムチ」を作る小屋の前で

明るく気さくな人柄の上出善子さん……「よっちゃんキムチ」を作る小屋の前で

津市緑が丘2─22─13番地在住、韓国出身の上出善子さん(52)が自宅の庭にある小屋で手作りし、予約販売している「よっちゃんキムチ」は、その美味しさが口コミで広がり全国から注文が殺到している。
また人懐っこく、周囲の人を思いやる上出さんにとって、この商売などを通じた人との繋がりが経営面の成功以上に重要で、「一番の財産」だそう。
上出さんは韓国民族舞踊の踊り子として23歳頃のときに初来日。その後、津市内のショーに出演したとき夫と出会い、93年に結婚。
夫の働く鉄筋製造会社に7年間勤めたが、「自分には、他に何かできることはないか」と自問自答した。
そして、母の味を引き継ぎ作ったキムチを時々友達におすそわけしていたところ大好評で、「キムチ屋をしてほしい」とすすめられたのをきっかけに約15年前から販売を始めた。
商品はメインの「白菜キムチ」をはじめ全5種類。
一昨年亡くなった母の教えである「調味料をケチらない」をモットーに、日本人向けに辛味や酸味を控えめにし浅漬けにするなどの工夫を凝らし作っており、独特のコクや旨み、辛さの中の甘味が特徴。
開業当初は売り上げが心配で「唐辛子が夢の中に出てきた」ほどだったが、周囲の人には負担を感じさせなくないと明るく振舞い、少しでも顧客に喜んでもらうため地道にこだわりのキムチを作り続けてきた。
努力が実り、今では全国の個人、団体や、津の朝日屋が直営する「松重」「鳥さわ」をはじめ飲食店60店からも注文があり、応えるために、毎日、睡眠時間を削って作業し、白菜キムチだけでも1日30㎏を製造している。
また上出さんは料理教室や、小学校の出前授業の講師も務め、地域住民に韓国の文化を紹介。商売やこのような活動で出会った多くの人との繋がりを経営上の成功よりもずっと大切だとえ、相手からも〝よっちゃん〟と親しまれている。
「日本語がまだ分からなかったときからここまで来れたのも皆の支えのお陰です」と上出さん。
◆商品名と100gあたりの価格は──▼白菜キムチ140円▼きゅうりキムチ160円▼カクテキキムチ160円▼チャンジャ570円▼イカキムチ470円。このほか韓国のり1袋320円もある。
◆注文方法はFAXのみ(059・237・4777)。氏名、電話番号、注文するキムチの商品名・数量、引き取りに行く月日・時間を記載して送る。
◆「道の駅 津かわげ」でも白菜キムチを限定数販売している。但し入荷は毎週水・金曜のみで、毎回、入荷直後に完売している。