美里町の人口は約3600人で、ここ10年で約500人減少。少子高齢化も深刻で、児童数が少なかった町内の小学校3校(長野・高宮・辰水)は美里中学校と合わせて再編されることとなり、今年3月閉校。4月、同中の校舎を利用し義務教育学校「市立みさとの丘学園」として開校した。
一方、各小学校区では市からの投げかけによって平成27年度から、閉校後の校舎の扱いについて住民の懇話会が始まった。

 

 

中森会長(前列中央)ら、「みさっと」や 3地域の協議会に参加している住民と市職員

中森会長(前列中央)ら、「みさっと」や
3地域の協議会に参加している住民と市職員

たつみずフェスタで、盛り上がった長谷山バンドのステージ

たつみずフェスタで、盛り上がった長谷山バンドのステージ

旧校舎の住民や行政、企業による利活用は、名張市などで成功事例があるものの、津市内の他地域や全国各地でも大きな課題となっている。
美里町の場合も、施設の構造が一般的なイベント会場や店舗と大きく異なる上、立地的に町外からの集客が難しいことなどから、容易ではない。
地域住民が主体となる場合、効果的で継続可能な事業の確立と、そのための住民の意識付け、リーダーを務める人材の確保が不可欠となる。
住民からは自分達が利活用することに消極的な意見もあったが、様々な具体案も出された。

旧高宮小学校の校舎

旧高宮小学校の校舎

旧長野小学校の校舎

旧長野小学校の校舎

そして検討が重ねられた結果、今年3月~4月にかけて「長野地域まちおこし協議会」=行岡明弘会長=・「高宮ふるさと協議会」=川口幸治会長=・「辰水元気づくり協議会」=櫻井克己会長=と、これら3つの協議会代表者や、津市美杉総合支所の担当職員で構成する組織「みさっと」=中森長郎会長=が発足。
地域活性化を目指し、各地区の特性や住民のニーズを生かした利活用事業を模索している。
また市は旧校舎を引き続き所有し、各協議会の取り組みに協力。その一環で、今年度、「みさっと」に負担金150万円を交付し、各協議会に50万円ずつ配分された。
長野の協議会では、地域住民だけでなく県内外の人に様々な商品を販売してもらうことで、大規模な商業施設がない地元への集客・経済活性化を目指す。地元のNPО法人「サルシカ」=奥田裕久代表=が、イベントの企画を担当。今年度は、50店舗以上が出店する屋内型マルシェ(8月20日10時~15時開催予定)などを計画している。
さらに、青少年健全育成事業の案もある。
高宮の協議会では、美里町足坂農家組合の統括責任者も務める川口会長のもと、美里在来の大豆を生かし食をテーマにした事業、例えばカフェなどを検討中で、11月19日にイベントを開催予定。
また辰水の協議会では子育て支援や高齢者関連の事業を考えており、今月9日には、まず大勢の住民に施設内を見てもらおうと、地域の多大な協力を得て「たつみずフェスタ」を開催。午前中だけで400人以上が来場するなど大盛況で、「地域全体で利活用に取り組む足掛かりができた」と手ごたえを感じていた。
今後各地で廃校の増加が予想されるなか、各協議会の取り組みは利活用の先例となる可能性もあり、発展が期待される。 今年3月閉校した津市美里町の市立長野・高宮・辰水の各小学校区で住民による協議会が発足し、少子高齢化が進む地域の活性化を目的に、市と連携し旧校舎の利活用に取り組み始めた。何れの協議会も、各地区の特性や住民のニーズを生かしたイベントを企画し、将来に渡り継続可能な事業を模索中。今月9日には、旧辰水小で3つの協議会を通じ初のイベント「たつみずフェスタ」が催され、好評を博した。