津市白山郷土資料館(白山町中ノ村)は建物の耐震性不足・老朽化により平成27年12月から一般公開を休止中。津市教育委員会事務局生涯学習課では今年に入りようやく、展示の規模を大幅に縮小し白山公民館(同町川口)内に移転することを決めたが、移転の時期・移転後の展示内容は未定で、同館に拠点を置くガイド団体「白山道しるべの会」は、速やかな決断と、展示レベルを維持する施策を求めている。

 

一昨年から一般公開休止中で、移転予定の「津市白山郷土資料館」

一昨年から一般公開休止中で、移転予定の「津市白山郷土資料館」

津市白山郷土資料館の建物は平成5年~6年に旧倭小学校講堂を改修して2階建てで建設され、同12年に1階の一部が増築された。
展示物は開館時に地元住民が寄贈したものを含め約1500点で、初瀬街道の資料や、昔の生活用具・農具など。町内外の人が白山地域の文化財に触れることができる貴重な場で、地元のボランティアガイド団体「白山道しるべの会」=今井直毅会長(74)=の拠点でもある。
しかし、建物の耐震性不足・老朽化により、平成27年12月から一般公開を休止中で、展示物は、28年1月からごく一部が町内2ケ所で展示されているものの、大半が非公開の状態が続いている。
今井会長は、一般公開休止が決定後の4年前から、公開再開に関し市に要望を出したり相談してきたが市の結論はなかなか出ず、今年に入りようやく、白山公民館内への移転が決定。
同会は当初、現存の資料館の耐震工事を行い存続させることを希望したが、新築する以上の多額の費用がかかることから実現しなかった。
移転によりスペースが狭くなるため、展示規模は大幅に縮小予定。そのため、現在の展示レベルを維持するには相当の工夫が必要だが、同課では、移転場所を公民館内の、例えば倉庫など現在一般利用されていない部屋と予定しているものの、具体的には未定で、移転の時期・展示内容も決まっていない。
今井会長は、「現在の建物での資料館の存続はほぼ諦めたので、市が所有する空き地に新築してほしい。住民に寄付してもらった展示物を今まで通り全部展示してほしいからです」としている。
文教都市であり観光振興を図る津市で、各地の市営郷土資料館は重要な役割を果たし得るが、白山以外の資料館でも、展示・運営の方針があいまいだったり、市民が展示のために寄贈した多数の貴重な資料が長年倉庫に眠ったままというケースもある。市には、地域のニーズを取り入れながら、各館の展示レベルの維持・向上に努める積極姿勢が求められている。

三重調理専門学校1階の実習店舗『Piccolo(ピッコロ)』で11日、開店10周年を祝い、巻き寿司「うなぎの十二単衣巻」が250本販売された。
同店では、同校2年生が作った弁当やスイーツを、毎週水曜日に持ち帰り専門で販売している。 今年の2年生達は、当初、接客や店頭での呼び込みに緊張や恥ずかしさを感じていたようだったが、約半年間経験を積んで慣れ成長したという。
一方、この寿司は平成23年に当時の学生が考案し、同校講師の松田春喜さんが監修。津名物の鰻など12種類の食材を使ったもので、毎年1回、周年記念に登場する。
今年の販売には2年生19名が参加し、大勢の来店客一人ひとりに笑顔で丁寧に対応。開店して20分後に完売し、皆で喜んだ。学生の山本明里さん(19)は「巻き寿司の芯になる薄焼き卵を、綺麗に、破らずに作るのが大変でした」と話した。

血小板の輸血用血液製剤を手に説明する職員(右)と、学生達

血小板の輸血用血液製剤を手に説明する職員(右)と、学生達

学校法人大川学園・三重調理専門学校(津市大谷町)の1・2年生44名が6日、同市桜橋の三重県赤十字血液センターを訪れ、施設を見学した。
同校が、数年前から公衆衛生学の一環として行っているもの。
三重県は献血率が全国最下位、10代・20代の献血率も最下位。この現状の改善に繋げるため、学生に、同センターの存在や、同センターで行われている献血活動などの取り組みを知り、広めてもらうのが見学の目的。
まず最初に、センター職員が学生に献血について説明。「献血された血液は、血しょう・赤血球・血小板など成分ごとに輸血用血液製剤となります。保存可能な期間、保存する際の温度はそれぞれ異なります」「継続的な献血がなぜ必要かというと、血液は人工的に造れないから。また長期間保存できないからです。輸血によって、全国で一日平均3000人が救われています」などと話した。
続いて学生が、献血現場や、血液製剤が保管されている部屋を見学。職員の説明を真剣な表情で聴き、積極的に質問していた。終了後には希望者が献血に協力した。

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