2017年11月

11月23日号3面掲載の国際ソロプチミスト三重─アイリス様の団体名に誤りがありました。
お詫び訂正致します。

生活保護に至る前段階の人々に支援を行う『生活困窮者自立支援制度』も今年で3年目を迎えている。津市でも若年層から高齢者まで様々な人たちを対象に、自立をめざすためのプランの作成や、就職活動を支える家賃相当額の給付、子供への学習支援などを行ってきた。国は今後、制度の見直しと拡充を図っていくが、貧困の連鎖を防ぐ意味でも新たなセーフティネットの果たすべき役割は大きい。

 

平成27年4月1日に施行された「生活困窮者自立支援法」に基づき、生活保護に至る前段階の人々へ自立を促す様々な支援を行う同制度。社会構造の変化による非正規労働者の増加、人間関係の希薄化、親から子への貧困の連鎖など、現代社会の抱える問題が深刻化する中、非常に重要な制度として注目されている。
この制度では、全国にある福祉事務所を置く自治体が事業を展開。津市では援護課が、津お城公園南隣の社会福祉センター内で津市社会福祉協議会に業務委託した相談窓口を設置。この窓口では個々の抱える様々な状況から判断し、津市や津市社会福祉協議会だけでなく、ハローワークや、地域包括支援センターなどが必要な福祉サービスとのマッチングを行っている。生活に困った人がまず、最初に相談ができる場所となっている。
その中で同制度の対象となる相談者に対して自立や就労をめざすプランを作成する「自立相談支援事業」と、離職などで住居を失った人の就職活動を支えることを目的に家賃相当額を支給する「住宅確保給付金」を国が定める必須事業として実施している。
加えて、津市の裁量で行っている任意事業として、利用者の家計の見直しを中心に生活改善に必要な助言を行う「家計相談支援事業」、一般就労に向け生活習慣の改善などの訓練を行う「就労準備支援事業」、生活困窮家庭の子供を対象として「学習支援事業」を展開している。
制度の利用状況は初年度の27年が200件(月平均16件)、平成28年度は208件(月17件)、今年度は10月末時点で144件(月20件)。自立に向けたプラン作成を行った人が27年度79人、28年度が67人、今年度が30人となっている。また、制度を通じて一般就労に至った人は今年度11名で少しずつではあるが、着実に成果は出ている。
貧困の連鎖を防ぐためにも重要となる子供を対象とした学習支援制度は学習塾などを経営する民間事業者に委託を行っており、津駅、津新町駅、久居駅と主要な駅の近くの3カ所で実施。一人親世帯は小学4年生から中学3年生、生活困窮者と生活保護世帯は中学1年生~3年生を対象に計120名の定員が一杯となるなど、ニーズの高さが伺える。この事業については、政府が来年度より高校中退者や中卒者にも対象を広げる方針を出している。またそれだけではなく、学習の最初のつまづきとなり易い小学生や進路決定の重要な時期となる高校生へと対象を広げていくべきだろう。
大部分の人にとって縁がない施策と思われがちだが、援護課では「普通の生活を送っている人でも、失業や家族の死亡、また介護や育児といった理由で急に生活が困窮し相談にくることも少なくない」と、現状を語る。
国は来年度、制度開始3カ年で得られた結果を基に制度の見直しや拡充行っていくが、生活保護に至る前の人々を救うこの制度の意義は今後、更に大きくなるといえる。
同課では「もし、困ったことがある場合は、まずはすぐに相談してほしい」と話している。
問い合わせは援護課☎059・229・3151へ。

今年のイルミネーションは七福神がお目見え

今年のイルミネーションは七福神がお目見え

12月2日より、津市美里町南長野の南長野生活改善センターに、この時期の風物詩となっているイルミネーションが点灯する。
毎年制作しているのが、地元の地域おこしグループ・南長野十二志会=岡林隆志会長=。イルミネーションは同センターや隣の田に設置されており、周囲に光のない濃い闇と光のコントラストを見ようと毎年県外からも多くの人が訪れる。
15回目となる今年のテーマは「宝船、幸を乗せて美里町」。メインは長さ約7mの宝船にのった高さ1・8mの七福神。その周囲には水面や花を表現したイルミネーションや以前制作した鳳凰も設置。正月にも楽しめるよう和の美しさを表現している。
2日16時~17時に点灯式開催。29日17時よりマルシェも開催する。点灯時間は17時~22時。期間は来年1月14日迄。

[ 1 / 29 ページ ]12345...1020...Last »