メンデルの遺伝の法則を学んだのは高校生物の時間だった。緑の豆と黄色の豆、丸い豆とシワの豆を掛け合わせると、優性遺伝子の特徴を持つ豆が、一世代目にはすべて、二世代目には四分の三の割合で出現する。何代もえんどう豆を育ててそれぞれの出現率を調べたメンデルの研究を、私はとても面白いと思った。
人の血液型もその法則に従っている。A型B型が優性、O型が劣性。A型の人にも、AA、AO、B型にもBB、BOの型があり、AOとBOが親なら四分の一の確率でO型の子が生まれる。
他にも、くせ毛と直毛、二重瞼と一重、乾いた耳垢と湿った耳垢、耳たぶの形など、自分の中の遺伝形質を探してみた。私のまつ毛が短いのも遺伝の法則に従っている。
メンデルは百五十年も前の人。研究成果はすぐには認められなかったそうだが、後に続く研究者が出てきて、メンデルも広く知られるようになった。日本に伝えられたのもその頃だろう。
日本遺伝学会は、百年もの間遺伝学で使われてきた「優性」「劣性」「突然変異」「色盲」などの言葉を、それぞれ「顕性」「潜性」「変異」「色覚多様性」に改めたそうだ。その方が正確に意味を表しているからだという。
私たちが学んだ言葉は消える。優性も突然変異も科学の言葉というより一般的に使う言葉となっているのに、困ってしまう。新しく覚えなくては。 (舞)