大倉会長(1列目中央)らプロジェクトの関係者(表彰式で)

大倉会長(1列目中央)らプロジェクトの関係者(表彰式で)

津市白山町上ノ村で、住民や、他地域の人・学生・企業が参加している「上ノ村環境保全プロジェクト~『人』と『農』を核に村をデザイン~」=大倉信幸代表=が、「平成29年度農林水産祭 豊かなむらづくり部門」で農林水産大臣賞を受賞。14日、KKRホテル名古屋で表彰式が行われた。
同プロジェクトは、地域の田んぼを守り、地区の全住民による地域づくりを行うことを目指し平成21年発足。獣害対策をはじめ幅広い分野の事業を、住民の主体性を尊重しながら展開している。
また、同地区に関わる人を地区外にも増やすことを目指しており、大倉会長は「学生さんを地域の活動に呼んだのが一番良かった。地区の小さい子供も学生とじゃれて喜んでいる」と話す。
ほかの住民も同プロジェクトについて「議論するだけではなく実践が大事」「村のレストランという事業で月1回、地区の人を集めている。集めていると、皆の考えが一つになってくる」「(獣害対策に猟師として関わる学生に)本当に期待している」などと語った。

津市美里町南長野の風景

津市美里町南長野の風景

11月15日午前9時。国道163号を津市の終点から大阪市の起点まで踏破する旅2日目。前回から2カ月以上が経過し、季節は夏から冬へ。なるべく季節感や時間にズレが出ないように、取材した内容を消化したら次の行程という形で、全100㎞以上の道程を5、6分割で歩くスタイルをとっていることを改めて、記しておく。
今回は前回のゴール地点、美里総合支所下のバス停付近からスタート。前回が予定の長野峠付近までいけなかったので、その分が上乗せされる。正真正銘の一人旅で復路は、公共の交通機関を利用するしかないという取材の性質上、経路に入っている旧大山田村を越え伊賀市の中心市街地にある上野市駅までは、なんとしても歩かねばならない。その距離は実に30㎞以上。前回の約3倍近い距離だが「なんとかなるさ」という根拠のない自信を胸に第一歩を踏み出す。
国道に沿って、美里町三郷を伊賀市方面へと進んでいく。天候にも恵まれ、比較的暖かい日だったが、頬をなでる風は冷たく心地よい。空気が澄みわたり夜空に星が美しくきらめく冬は一年の中で最も好きな季節。その訪れを肌で感じると、踏み出す足にも力が入る。
少し進むと国道の北側に柳谷の貝石山の標識。その名の通り化石となった貝が含まれる地層が露出している場所がある。太古の昔にはこの山間の地域が海だったことは、何度聞いても不思議な気持ちになる。以前、別の連載で自転車の旅でもこの道を同じように通り、貝石山に立ち寄ったことを思い出す。あの時は友人と二人で巡っていたが今回は一人。違うスピード、違う観点から、また見えるものがある。
その後、ほどなく同町南長野へ。個人的にはこの地域の方々には駆け出しの頃から、非常に良くして頂いており思い出も沢山ある。風を受けて勢い良く回る青山高原の風車が良く見える分岐点から、少し入った場所にある南長野生活改善センター隣の田んぼには毎年地域おこしグループの「南長野12志会」が大規模なイルミネーションを製作し、冬の風物詩として市内だけでなく県外から多くの人が訪れている。今年も点灯が近づいており非常に楽しみだ。
ここから長野峠は近いように見えて、歩くとそれなりに時間がかかる。日没は17時頃なので決して油断はできない。一日目の遅れを取り戻すべく焦る気持ちはあるが、例によって、歩道がない場所がほとんどなので、細心の注意を払いながら、国道を進んでいく。(本紙報道部長・麻生純矢)

[ 6 / 6 ページ ]« First...23456