三重ふるさと新聞立ち上げを応援する会が催されたのは、1997年のことであった。
津の素晴らしさを再発見し、また、ふるさとを元気にする新しい新聞の門出を祝い、仲間が都ホテルに集った。
そのとき駆けつけてくれたのが「鬼太鼓(おんでこ)座」であった。
現在四千以上ある和太鼓の集団のルーツともいえる伝説のグループである。
ふるさと新聞創始者、西田氏への友情出演であった。
誰もが周りとの会話に夢中で、騒々しい空気の中、彼らは特設の舞台に上がった。
「ぱん!」
一発の締め太鼓が会場に響き渡ると一瞬にして場の空気が変わった。
「ドン!」大太鼓の音に全員の心が舞台にくぎ付けにされ、魂が鷲掴みにされた。
皆がひとつになってゆく。
和太鼓には、やまとこころのスイッチをオンにするエネルギーが満ちていた。
私が、鬼太鼓座と出会ったのは今から30年前のことだった。
当時のメンバーであった吉村信介氏と友人になり、彼から太鼓のことを教わったのがきっかけだった。
「太鼓は叩いた力でたたき返される。だから、太鼓打ちは太鼓に叩かれているんだ」と彼は言った。叩く力と受け止める力を持ち合わせるために、彼らは毎日30キロ走った。左右の手が同じように使えなくてはいけないからと、利き手と反対の手で箸を持ち食事をした。日常のすべてが修行だった。私は、そんな太鼓打ちに惚れた。走るのは無理だから箸だけ真似した。
そんなある日のこと、信介さんが「糸川英夫博士のお宅に行くけど、一緒にどう?」と私に言った。
「え、あのロケット博士?是非連れて行って!」私はついていった。
そのときの出逢いが人生を根っこから変えることになるのだから、運命というのは不思議だ。
糸川英夫博士はその日、29歳の私に話してくださった。
「世界の科学者たちが私に言います。日本は真似をして儲けるのはうまいが、独創的なものは生み出さない。まるでブラックホールのような国だと。私は悔しかったが、経済優先の日本を擁護できずにいました。でも、まさに和太鼓こそ日本が発信する独創的なエネルギーであり、日本の魂だと。希望の光だと確信しました。だから、私は和太鼓をイスラエルに持っていきユダヤ民族へのレクイエム(鎮魂)として捧げようと考えているのですよ。ヤマトの民とユダヤ民族が手を結ぶとき世界が平安へと導かれるというビジョンが私には見せられたので…」
和太鼓は、民族を超えて響きあえる「超言語」なのである。
私は、糸川博士のビジョンに魅せられ、弟子にしていただいた。
やがて、吉村信介さんは、兄、城太郎さんと鬼太鼓座の遺伝子を継承しながら新しい太鼓の集団を立ち上げた。愛知県北設楽郡東栄町の廃校になった小学校を拠点に新メンバーと共に移住していった。
昔から日本には、太鼓をうまく打てる者を「したら」、打てないものを「ふしだら」と呼んだ。
志の多き仲間の集い、その名も「志多ら」が誕生したのは1990年のことであった。
志多らは、地域に根差し、東栄町の国の無形民俗文化財・花祭りに「志多ら舞」を奉納するなど地元に溶け込んでいった。
志多らは、「祭りとは何か?」と問い続けながら曲を生み、舞台に立ち続けた。
やがて、祭りこそ地域のアイデンティティを守り、人にとって最も大切なふるさとを守ることなのだと知った。
そして志多らは、守るだけではなく新しいアイデンティティを創造することがふるさとを守り、国を大切にすることにつながってゆくのだと気づいてゆく。
やまとこころの響きが人の心を豊かにし、人を強く、そして優しくするのだと志多らは教えてくれる。
志多らの創作した曲は、私たちを魂のふるさとに誘う。
その志多らが津にやって来る。

彼らの太鼓の響きを魂にうけて、やまとこころに火を灯しませんか。
激変する時代の中で、変わらない本当のことを志多らは私たちに伝えてくれることでしょう。
(赤塚建設㈱社長)

go-cyan (一社)津市観光協会によると今年、津市のゆるキャラ・ゴーちゃんに約300通の年賀状が届いた。
津市や全国各地の幅広い年代のファンからのもので、今年の干支である犬を連れたゴーちゃんのイラストや、貼り絵などの力作が揃い、「いつも元気をもらっています」「たくさん会えて楽しかったよ」といった温かいメッセージが添えられている。ゴーちゃんが参加した各地のイベントで一緒に写真を撮った人が、その写真を使った年賀状を送ってくれたケースもある。
ゴーちゃんは、このようなファンの気持ちが励みで、自分もファンから元気をもらっているそうで「すてきな年賀状をありがとさんじゃ!」と喜んでいる。また新年の目標を「津市内の全地域のお友だちに会いにいきたいぞ!」と力強く話していて、今年も積極的な活動で津市のPRに貢献してくれそうだ。
なおゴーちゃんは、年賀状を送ってくれた人への特製シール付きの返信を頑張って準備中。

「第9回豊が丘新春作品展」が1月26日(金)~28日(日)10時~16時、豊が丘2丁目1の2の豊が丘集会所1階ホールで開かれる。主催=豊が丘地区体育文化振興会。
同地区には約6500名の住民がおり、趣味の世界を存分に生かした作品の制作に勤しんでいる。作品展は、1年に1度、それらの作品を一堂に集めて展示しているもの。
出展は、羽子板・ちぎり絵・美術折紙・生花・木工彫刻・陶芸・俳句・レカンフラワー・甲冑・写真・水彩画・パッチワークキルト・布あそび・水墨画・押し花額絵・手芸小物・押絵・小学生の作品。
同振興会では「限られた会場スペースですが、こだわりを持って設営し、心を込めて制作した作品が、見る方の心に残る会場です。ぜひご覧下さい」と話す。
問い合わせは同振興会の中村会長☎059・230・1607へ。

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