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経営に迷っている、今はまだ小さな会社の経営者に、ぜひ読んでもらいたい本を紹介。
大きな会社と比べ、小さな会社が圧倒的に不足しているのが、資金、人材、ノウハウなどの経営資源。一方、「時間」とう財産だけは皆に平等に与えられている。しかし、時間は蓄えることも再生することもできない。だからこそ、その限られた経営資源と、時間の使い方次第で会社経営の全てが変わる。
イオン労働組合連合会書記長としてイオングループの共通福祉を実現したのち、ジャスコ津丸之内店店長に就任、その後イオンの系列企業の業績をV字回復させることで、JASDAQへの上場に導いた実績をかわれ、老舗の化粧品会社・ロゼット㈱の社長や、㈱山田養蜂場の取締役として経営手腕を発揮してきた津市在住の大西肇さん=現在は㈱ブレーメン再健本舗代表取締役=が合同出版㈱から出版した「『今はまだ小さな会社』が進化するための101の手がかり」は、「何をどうすれば結果が出せるのか?」といった従来の経営指南本にありがちな手段や方法に囚われ、「物事の本質」を見失って道に迷った著者自身の苦い経験に加え、世界や日本の偉大な経営者の経営の足跡を分析することで、「どんな時でも生活者(消費者)の立場になって考え、常識に囚われず、生の情報を生かして時間という財産を使い切り、生活者の期待に応えること」が成功の本質であると結論付けている。
また、経営の大前提として人口減少問題をあげる。2010年の人口を100%とすると、2050年には70%にまで減少することから、「損益分岐点を人口減少率以上に下げないと立ち行かなくなる」と指摘。この事実をベースに、「ロマンと大義(社会的な役割)が無ければ息切れする」「後発の特権は進化への最短距離」「今あるムダは進化への含み資産」「経営とはロマン実現のための実学。経営学では経営できない」「前例という非常識にしがみつくから儲からない会社になる」「時間の価値を知るものだけが進化の手がかりをつかむ」など、独自の視点から詳述している。
偉大な経営者の分析では、どこにでもいるような普通の人
達が誰にもできなかった事を成し遂げたウォルマート・ストアーズの創設者、サム・ウォルトン。分不相応な大義ある「決意」が会社の自信と誇りを作ったトヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎。諦めの悪いことが「成功の第一条件」としたアップル創業者、スティーブ・ジョブズを取り上げている。
著者は「『今はまだ小さな会社』は『見えざる資産』と『眠らせている知恵』の宝庫。負の遺産も少ない。優秀な企業の先進事例と失敗から学び、常に現場と向き合い、保有する知恵と資産を新たに組み合わせて新しい会社を発明できます。人口減少と超高齢社会で大きな会社がサンクコスト(隠れた負の遺産)処理とスクラップ&ビルドに明け暮れている中、『逞しい小さな会社』に進化するチャンスなのです」と話す。
246頁。本体1500円+税で全国の書店で取り扱い。
2018年1月25日 AM 4:55
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