2018年1月

◆節分会式 厄除大般若経祈祷会 2月3日㈯、津市久居元町の千手院賢明寺で。副豆・福餅・福菓子まき…①15時②19時。園児豆まき…13時(保護者の送迎で自由に参加できる)。厄除祈祷会…①14時②18時(それまでに受付を)。甘酒のふるまいや、お楽しみおみくじ、縁日屋台などもある。

「新長野トンネル内部」

「新長野トンネル内部」

ゴミの投棄防止用の鳥居の前に転がるペットボトル

ゴミの投棄防止用の鳥居の前に転がるペットボトル

新長野トンネル内部。黄泉の国へと続く黄泉比良坂を始め、古来より地上と地中を結ぶ空間は、現世と常世を結ぶ境界のようなイメージがもたれている。事実、昭和の長野トンネルは心霊スポットとして有名で、様々な怪談が存在する。
ライトの光で柔らかく照らされたトンネルの中は道路の左右に設けられている歩道を進む。開通以来、何度もこのトンネルを利用したが、この歩道の利用者を見たことがない。横を車が駆け抜けるたびに冷たい風が吹き抜けるのでフードを目深にかぶり寒さをしのぐ。
少し進んだところにある非常駐車帯に赤い小さな鳥居が置かれている。ゴミの投棄を防ぐためのもので、ご存知の方も多いだろう。トンネル特有の重い雰囲気に、この鳥居の姿は非常にマッチしている。日本人のDNAに刻まれた八百万神への畏怖が悪行を思い止まらせるのだろうか。などと考えていたら鳥居の前に転がるペットボトルを発見。モラルの問題といえば、それまでだが、人々の価値観が多様化する現代社会において、共通認識を促すサインをつくる難しさを感じた。
トンネルの中間付近には津市と伊賀市の市境。11時前。歩き始めて2時間ほどでいよいよという感じである。トンネル出口まではしばらくあり、目指すべき今日のゴール地点は遥か彼方だが、チェックポイントを一つ超えた達成感に心が弾む。
トンネルの全長は約2㎞。夜の濃い闇とは、質の違う人工的な薄闇に身をゆだねながら、思いを巡らせる。全てを飲み込む漆黒の闇を恐れたヒトは火と光を操り、闇を克服することに非常に長い時間と労力を費やしてきた。逆に言えば、完全に制御できない闇は今もヒトの恐れを掻き立てる絶対的な存在でもある。トンネルを巡る怪談も、闇への恐れと二つの世界を結ぶというイメージの産物かもしれない。
そんなことを考えていると、やがて出口から差し込む光が見えてきた。少し歩みを速めた直後、車道を走る車の運転手がスピードを緩め、私の方をじっと見つめていることに気づく。白昼とはいえ、トンネルの中を歩く者ですら稀であるのに、ましてフードを目深にかぶっているとあれば、幽霊や妖怪などの類と思われても仕方がない。
自分自身が新たな怪談の〝原典〟になる可能性があったことは苦笑するより他ない。大半の怪談もこういう出来事から生まれたのだろう。
(本紙報道部長・麻生純矢)

 

古川実沙季さんの作品「Tropical garden」

古川実沙季さんの作品「Tropical garden」

三重県立美術館県民ギャラリーで2月14日~18日9時半~17時(最終日は15時半まで)、三重大学教育学部美術教育コース4年生9名による「卒業制作展」が催される。
出品する学生達は、同大で、教育に関することと共に、美術の分野ごとの知識や技術を専門の指導者や作品から学び、世界観を広げてきた。同展は、在学中に追求した学びの成果と、成長した姿を披露したいという想いで企画。テーマは、出品者それぞれの世界観を惑星に乗せてできる宇宙、という意味を込め「planet」とした。展示作品は、絵画・デザイン・彫刻の作品計32点。
連続模様のデザインの作品を出品する古川実沙季さん(22)は「有毒の植物をデザインし『見た目は大人しそうだけど、中身は、はっきり物を言ったりして毒がある』と言われる自分自身を表現しました。9人がそれぞれ毛色が違う作品を出すので、個性を楽しんで頂けたら」と話している。

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