

検索キーワード




2017年の相場は熱狂なき世界株高と言えます、金融緩和であふれるマネーがあらゆる資産に流れ込みました。世界30か国以上の株価指数が最高値を更新し、世界株の時価総額が84兆ドルと1年で15兆ドル21%増加しました。
債券や原油、金も同時に買われています。世界の債券の時価総額も170兆ドルと同17兆ドル10%超増加。株債券合計の増加額は2017年の世界GDP増加額のなんと6倍と実体経済の拡大を大きく超えています。
商品市場でも銅やアルミが3割、原油も1割上昇。安全資産であり、本来リスク資産と逆相関に動く金も1割上昇しました。
背景には世界同時好況と金融緩和があります。2009年のリーマン危機後、世界的に金融緩和が大規模に実施され、今も最大規模に中央銀行が市場から国債・株式・不動産を購入し、市場にお金を供給し続けています。
日米欧中央銀行の総資産は14・3兆ドルと10年前の3・6倍に膨張。世界の政府企業家計の債務はこの間226兆ドルと過去最大で世界のGDPの3・2倍にも達しています。
世界同時好況と低金利の併存は、市場の変動率を低下させました。株高はじわじわと進み日々の値動きは小幅で株価の変動率を示す米VIX指数は23年ぶりに最低を更新しています。
1月に入りさらに増加した世界株の時価総額は86兆5300億ドルと2017年推計世界のGDP78兆ドルの110%に達しています。
この数値が100%を超えると株価は割高とされます。ITバブル(1999年)では約8%、サブプライムバブル(2007年)では約9%上回り、15年夏の中国人民元ショック直前の指標も100%を突破し、程なくして株価は大きく下落しています。
昨年FRBは3月・6月・12月の3回の利上げを実施しました、このような局面ではドル高を通じて新興国から資金が逃げるのが通例ですが、2017年のドルインデックスは7%下落しています。ドル安のため新興国からの資本逃避が起こらず世界同時株高につながったと言えます。
過去の相場変動の兆候を示すシグナルが最近いくつか生じています。
一つに2年物ギリシャ国債と米国債の利回りの逆転があります。FRB米連邦準備制度理事会の利上げにより2年米国債は1・2%から2%近くまで上昇、ギリシャ国債は1年半前には10%超から今や1%台まで低下。利回りがダブルA格の米国債より、投資不適格ダブルBよりもさらに信用力が低いシングルB格のギリシャ国債の利回りが低いという事はいかに債券市場にもお金があふれているかの証明です。両指数の逆転はリーマンショック前の2007年8月以来になります。
二つに2018年米国の長短金利が逆転か?昨年3回の利上げで米国の短期金利は上昇していますが、日欧などがマイナス金利の為運用難から世界の投資マネーが利回りの高い米債に流入しています。
そのため10年債の長期金利の上昇が抑えられています。短期金利は金融政策に連動し、長期金利は将来の景気に影響するといわれています。短期より長期のほうが通常金利は高いわけです。
過去に逆イールドが起きた2000年や2007年はFRBが利上げを進めた時期で、その後1年から2年で米景気が後退しています。
(次号に続く)
2018年2月1日 AM 4:55