世界経済が激動の時代を迎えている現代。中小零細事業が生き残ることが困難になっている。そこで、ジャスコ津丸之内店店長に続き、イオンの系列企業の業績をV字回復させることでJASDAQへの上場に導いた実績をかわれ、老舗化粧品メーカーのロゼット㈱元社長、㈱山田養蜂場元取締役、健康食品品メーカー元社長などを歴任してきた大西肇さんが、今回から6回シリーズで「今はまだ小さな会社が進化するための101の手がかり」お届けします。

 

 

2040年、日本から三重県9県分の人口が消える!
2040年、三重県から四日市市1市分の人口が消える!
これまでの常識がまったく通用しない時代が始まった!

1989年(昭和64年・平成元年)にジャスコ(現イオン)津丸之内店に店長として着任し、お世話になった皆さまのお勧めもあり、この津を「終の棲家(すみか)」としました。
しかし、転勤族の悲哀、購入した緑が丘の自宅には1年余しか住むことができず、1993年から20数年の単身赴任生活の後、2015年に「ふるさと津」に戻ってきました。
そして、設立した会社の事務所を懐かしの津市丸之内に設けましたが、中心市街地の変貌に驚かされ、今更ながら失った20数年という歳月の重さを感じています。

私たちは、毎日緩やかに変わる環境の変化には気づかないものです、しかし、20数年という年月を振り返ってみると激変ともいえる変化を感じます。行き交いするお客さまはめっきりお年寄りが多くなり、商店街は寒風吹くシャッター街に変貌してしまいました。
人も会社も毎日の気づかない些細な変化を積み重ねて、成長する者もあれば衰亡する者もあります。
生物は自然淘汰によって環境に対応できた優れた者だけが生存し、それが蓄積されて進化します。
会社にとっての環境とは、生活者であるお客さまの変化であり、その期待にお応えできる適者のみが存続します。
私たちは未来への針路を決める時、いま置かれた状況をしっかり把握する必要があります。率直に申し上げると2030年までは緩やかな下り坂、そして、その後、2030年からは急勾配の下り坂が始まります。ですから2030年までにこれまでの前提条件(常識)をすべて見直し、会社の存続を賭けて新たな道を切り拓かなければなりません。

【2040年はすでに私たちが決めた未来】

①日本は2015年~2040年までに、現在の三重県9県分に相当する1617万人の人口を失います。そして、世界人口に占める割合が1・7%(高度経済成長期は3・3%)という影響力が半減した国になります。
②三重県は2015年~2040年までに、現在の四日市市1県分相当の31・3万人の人口を失います。津市では2015年~2040年までに4・9万人の人口が消失します。
③2015年時点での日本人の平均年齢(お客さまの年齢)は45・9歳(男性44・3歳、女性47・4歳)、2040年では50・4歳と推定されます。ちなみに高度経済成長時代(1955年~1973年)の平均年齢は30歳前半(1955年では27・1歳)でした。
④出生者数は「団塊の世代」が年間270万人、「団塊ジュニアの世代」は年間200万人、ところが、昨年2017年は年間94万人でした。
以上の数値は厚生労働省、総務省、国連統計から引用しましたが、この2040年の日本と地域の姿はSF小説ではなく、まぎれもなく、私たちが知らず知らずのうちに選択した「すでに決まった未来」です。
この人口の減少と高齢社会は消費(=売上高)と労働力の減少をもたらします。
20%近い売上高の減少に堪えることができる企業だけが生き残ることができます。
そして、もっと深刻なのは生産年齢(15歳~64歳)人口の減少です。人員不足が日常的となり、勤労所得が減少することで消費と税収が減少します。会社は現状を維持することさえ難しくなり、行政サービスでもその維持の為に人員整理を含めて、20%以上の効率化を図るか増税をするしかなくなります。
このシリーズで、このように「すでに起こった未来」、そして急速に発達する情報・通信技術に対して、進化のための実践方法をご一緒に考えたいと思います。
滅びたネアンデルタール人と現生人類ホモ・サピエンスの違いは「省エネ」と「子孫の数」、「言葉による共同作業」です。
企業に置き換えると「ムダのない経営」と「付加価値(利益)」と「コミュニケーション」といえます。
もはや「借りたカネと恩義は必ず返す」という常識以外は通用しない時代、経営資源のムダをなくし、生みだした利益を活かし、生き残るために、時間という貴重な財産を何回転もさせて使い切りたいものです。
(㈱ブレーメン再健本舗代表取締役)

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