2018年2月

展示品の前で…真柄さん

展示品の前で…真柄さん

津市乙部の乙部郵便局で介護福祉士の真柄力也さん(58)=津市乙部=が「みんなのプロレス展2018」を開いている。会期は3月30日まで(土日祝は休業)。
真柄さんは、自他共に認める熱狂的なプロレスファン。長年コレクションしてきたポスター、パンフレット雑誌など、プロレスにまつわる品々を毎年展示している。
今回は「チャンピョンベルト特集」。新日本プロレスの頂点を決めるIWGPのヘビー級王座などのベルト3本や、各種ベルトの6分の1モデル7本などを展示。そのほか、力道山、ミル・マスカラス、棚橋弘至、オカダカズチカなど、プロレス界の歴史を彩る新旧のチャンピオンたちのポスターも展示されている。

2020年までに4000万人のインバンウンドが欲しい。それが日本の数値目標である。一方、首都圏偏重の是正、地方都市への分散も課題だ。その為には地方都市の情報発信力の強化も求められている。だが、実際問題として地方都市には東京なみの情報量はなく、方法論も確立してはいない。
いったいどうしたら人気を得る事ができるのか?
言うまでもなく、人気観光地とは知名度のある所である。この点、最も人気なのは首都圏であり、日本一の観光地が東京である事に今や異論を挟む余地はない。
次が、世界的な名所・旧跡である。その情報は、今にちでは世界遺産の概念によって知られているが、それ以前は、書物・文献、旅行社ガイダンス・映画が広報に貢献し、20世紀後半にはテレビによって爆発的に知れ渡るようになった。つまり、それはメディアの商業投資のおかげであり、そのモチベーションは公共放送を除くと専らスポンサーのお金儲けにあった。
多くの人気観光地は、そのようなプロセスを踏んで有名になってきたと言えるのだ。
この点において、ネットを通じた動画サイト等の発達は、全く新しい情報伝達を可能にしたかに見える。だが、これはまだ『ドラマチックな追体験』を求めるものには至ってはいない。選択肢を無限に広げただけで、不特定多数に対する所謂『ブーム』が起爆していない。映画やTV番組ならば、感情移入できるキャラクターの背景としてロケ地が視聴者に記憶されるが、『ドラマトゥルギー(作劇法)』が未熟なネット動画にはそれがないからである。
人気観光地と呼ぶには少しニュアンスが異なるが、有名所には宗教聖地や貿易拠点として知られた場所もある。メッカや伊勢、或いは港湾都市がいい例だ。しかし、それらへの帰属意識は限られており、その知名度は強い目的意識によって維持されているに過ぎない。私は過去に何度か『観光客』の定義を試みてみたが、こういった場所を観光地と呼ぶのには違和感を持つ。日本語における現代の『カンコウ』にはレジャー的意味合いが強く、お参りまで観光(サイトシーイング)扱いするのは非礼に感じるからである。
ちなみに国連世界観光機関では、観光を『サイトシーイング』ではなく『ツーリズム』としている。これは広義的解釈が可能であり、国際的な人気観光地に到着したのは、観光客のみならず幅広い訪問者も含むということになる。『ビジネス』でもOKだ。とはいえ、統計上の分類では24時間以上の滞在を『ツーリスト(滞在者≒観光客)』とし、それ未満は『ビジター(日帰り≒訪問者)』としている。
閑話休題。国際的な人気観光地には、他所にはない要素がある。それは、映画やテレビなどで不特定多数の人々にインプットされた地名であり、感情移入可能な登場人物が非日常的状況によって形成されたイメージをお客さんが再現できるかどうかにある。『ドラマトゥルギー』のないニュース番組にはそれがない。例えば、2016年にG7サミットが三重県志摩市で開催されたが、その開催地は世界的に有名になったのか?
その答えは、日本人がエルマウ、タオルミナ、ラ・マルベイを知っているのと同程度でしかない。つまり、殆ど誰も知らないのだ。ブランディングに役立ったとは言い切れないのである。ブランディングといえば、日本も1992年に条約に批准して発効した、先に触れた『世界遺産』がある。だが、その知名度の明暗も『ドラマトゥルギー』が有るか無いかによって顕著である。
2016年に国連世界観光機関が開催した『遺産観光に関する国際会議』では、保存と活用、観光資源の磨き上げ、持続可能な活用というテーマで、UNESCOの取り組みについても少し触れた。だが、保存には維持費が不可欠なのに、プロモーションの為のセオリーはなかった。
例えば、長崎の『端島(軍艦島)』の整備活用計画では、護岸、採炭生産施設の一部、幹部社宅三号棟だけでも、約108億円が必要だとされている。2019年に開催される『UNWTO/UNESCO 観光と文化をテーマにした国際会議』では、この要素も加えてほしいものである。
顕著な『ドラマトゥルギー』の影響は、しばしば名作と呼ばれる映画のシーンとオーバーラップする。特に、007映画のような世界的景勝地を求める映画のロケ地は観光地としても成功しており、今ではそれを逆手にと、イギリス国内でさえ主要舞台となっている。周知の如く、このシリーズに世界遺産の遺跡が沢山カメラに収められ、実のところ『軍艦島』も007映画のロケ地にはなった。しかしながら、カメラこそ入りはしたものの、ストーリー展開上それが日本の長崎である事についての言及は一切無く、マカオ沿岸の『デッド・シティ』として扱われていた。
長崎市の観光統計によると、映画公開年2013年の訪問者数は15万1567人で、2014年が18万3996人、2015年が26万6620人、2016年が27万2619人だった。2015年の世界遺産登録を以ってしても、前年よりも8万2624人増えただけ。インバンウンドも含めて、年間平均21万8700人しか来ていないのだ。これでは世界中から訪問者が追体験を求めて殺到しているとは言い難い。年間約420万人で閉店した『サンバレー』の、おおよそ二十分の一である。
(O・H・M・S・S「大宇陀・東紀州・松阪圏サイトシーイング・サポート」代表)

三重郷土会は17日㈯10時~15時(受付9時半)、アスト津4階研修室Aで研究会を開く。
同会は昭和22年から続いている県下で最古の歴史と伝統を持つ郷土三重に関する学習・研究団体。主に三重県の歴史・地理・考古・伝統・民俗・名勝・天然記念物等に関する調査や研究を行ったり、県内外の現地探訪などで研修している。会誌「三重の古文化」を毎年発行している。
内容は、▼午前…講演「三重の古墳と宝塚」。講師は下村登良男さん(同研究会会員で、元松坂市文化財保護審議委員長)。伊勢湾西岸の盟主墳であり、大型船形埴輪(重要文化財)が出土した宝塚について、解明されつつある歴史的事項や意義などについて話す。
▼午後…講演「専修寺の伽藍配置と御影堂・如来堂」。講師は菅原洋一さん(同研究会会員で三重大学大学院工学部教授)。昨年11月に国宝となった両堂を含む専修寺の伽藍配置についての調査研究や、国宝建築の特色・価値などについて解説。参加費は、会員は無料。会員外は300円。定員は72名。
問い合わせは浅生さん☎津268・2671へ。

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