2018年2月

暦の上では、早くも節分・立春を迎えようとしておりますが、新春とは名ばかりの寒さが続いております。その一方で辺りを見回せば、いつの間にか小さな春の訪れを見つけ、蠟梅の黄色い花が、甘い香りを漂わせ、暖かい日の光が窓からさしこみ、嬉しくなるのもこの季節です。
今回は節分・立春にふさわしく、歌舞伎小唄から「吉三節分」江戸小唄より「山谷の小舟」と一連の「春風がそよそよと」
をご紹介いたします。

「吉三節分」

月も朧に白魚の 篝  も霞む春の夜に
冷たい風もほろ酔い  の 心持よくうかう  かと
浮かれ烏の唯一羽   塒へ帰る川端で
竿の雫か濡れ手で粟  「御厄払いましょう  厄落し」「ほんに今  夜は節分か こいつ  ぁ春から」縁起がい  いわぇ

歌舞伎は阿竹黙阿弥作「三人吉三巴白浪」という世話物で、お嬢吉三、お坊吉三、和尚吉三、三人吉三の白浪(盗賊)の物語で、「大川端庚申塚の場」が舞台となっております。
この小唄は草紙庵が幾多の研究資料を集め、自信をもって発表したもので、芝居のセリフと下座と舞台との間をたっぷり使って唄う従来の小唄から一転して、「語る小唄」を意識して作曲したもので、歌舞伎の危機の声がささやかれていた昭和五年に、突如世に問うたのが吉三節分でした。これまでの歌舞伎小唄にみられぬ新鮮さがあるという事から、小唄好きの市川三升、守田勘也、日本画家の伊東深水などの、演劇人、知識人達が相談し、都内の花柳界にもこの小唄を流行らせるよう努力した結果、またたく間に話題に上るようになり、草紙庵の歌舞伎小唄の決定版となって、今日迄伝承されております。

「山谷の小舟」

山谷の小舟 着いた  着いたおお着いた
待乳山風 手拭でし  のぐ 雨か霙か
ままよままよ 今夜  も明日の晩も流連け  しょ生姜酒

明治中期の作で「山谷の小舟」とは吉原通りの猪牙舟の着く山谷堀のことをいいます。客の一人が山谷堀に着くのももどかしく、「おお着いた着いた」と舟から飛び下りると、季節は二月初めの立春の頃、春とは名のみで夜風は冷たく、雨か霙か手拭で寒さをしのぎながら、日本提を小走りに走り出すといった風景を唄っております。

「春風がそよそよと」
春風がそよそよと   福は内へとこの宿へ  鬼は外へと梅が香添  ゆる 雨か雪か
ままよままよ 今夜  も明日の晩も流連け  に玉子酒

この唄は「山谷の小舟」の替唄で廓は福は内、鬼は外と節分の豆まきをした翌日の立春の日で、春風が吹くと福とをかけ、お庭と鬼は外とかけた遊び唄です。庭の梅の香に匂ってくる部屋で、今降って来たのは雨か雪か、「それなら居続けるだけさ」と盃を傾ける風景を唄ったもので、当時とても流行った小唄です。
小唄 土筆派家元

「小唄の楽しみちんとんしゃん」も今回で10回目を迎え21曲をご紹介いたしました。三味線や小唄に興味のある方、初めての方など大歓迎です。実際にお聴きになりたい方は稽古場か「料亭ヤマニ」になっております。お気軽にご連絡ください。又、中日文化センターで講師も務めております。
稽古場「料亭ヤマニ」☎059・228・3590。

松阪市殿町1295にある割烹旅館「八千代」で2月10日(土)15時半~20時、第4回「八千代で愉しむ地酒の夕べ」が開かれる。協力=義左衛門醸造元・若戎酒造、三重県の地酒専門酒屋べんのや。
国登録有形文化財の趣のある大広間(110畳)を会場におつまみを食べながら伊賀青山の若戎酒造の10種類の日本酒を飲み比べるという粋な企画。毎回好評なことから4回目を開くことにしたもの。
今回は、平成29年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒「大吟醸 若戎 三重山田錦」、みえセレクション認定「大吟醸 若戎 五年熟成」ほかを用意。
チケット制で前売3000円、当日3500円(酒のアテを中心に地元の食材を詰め込んだ折詰、有田焼の選べる「ぐい呑み」、飲食チケット250円8枚のセット)。時間内(15時半~20時)であれば入退出は自由。電話予約でも受け付ける。
予約・問い合わせは八千代☎0598・21・2501。メールfront @yachiyo-web.co.jp

2015年の「榊原温泉のお雛さま」会場の展示

2015年の「榊原温泉のお雛さま」会場の展示

2月11日~3月4日、『第9回榊原温泉のお雛さま』が実施される。主催=榊原温泉振興協会。後援=津市、(社)津市観光協会。
同温泉は、伊勢神宮に参拝する前に身を清める〝湯ごり〟の地として名を馳せた歴史がある名湯。温泉の護り神である射山神社には出雲の神が祀られ、境内の大黒の像が持つ「恋こ槌」に触れると良縁が授かると言われている。こうしたことを背景に同イベントを毎年開催し、地域の施設の協力を得て雛人形展示など多彩な企画を実施している。
主な内容は…▼記念婚式=3月3日10時~、射山神社で。参加を希望する夫婦は〝恋のひと言〟として、夫婦の馴れ初め、感謝の気持ち、結婚何年目かなどを短文にまとめ、〒514─1251、津市榊原町5824─1、榊原温泉振興協会事務局宛てへ郵送、またはメールsakakibaraonsen@zc.ztv.ne.jpで応募。字数は自由。他薦も可能(推薦する人の了承が必要)。締切りは2月11日。応募者の中から優秀者を招待(記念の菓子・写真、温泉利用券などを贈呈)。※対象となった夫婦は式当日、自前の正装(和・洋装どちらでも可)で参加してもらう。最優秀者1組には十二単と宮司装束を着用してもらう。
▼温泉郷内17施設を巡るスタンプラリー。榊原古代米などプレゼント。 ▼協賛施設(湯元榊原舘・清少納言・砂羽・神湯館・湯ごり・白雲荘)が様々なおもてなし。
問い合わせは同振興協会☎津252・0017。

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