2018年3月

JR名松線は全線復旧して26日で丸2年となるが、元々赤字路線で活性化への道筋は未だ見えない。暗中模索の現状をどう打開するのかが課題となる中、第三セクターの「若桜鉄道㈱」=鳥取県=の元社長で、現在、「津エアポートライン㈱」=津市なぎさまち=営業企画部シニア・エキスパートの山田和昭さんに、ローカル線と地域活性化の関係についての意見などを聞いた。(全2回シリーズ・第2回)

 

 

 

名松線の終点・伊勢奥津駅(美杉町奥津)

名松線の終点・伊勢奥津駅(美杉町奥津)

復旧後のブームが落ち着きつつある今、現状維持策しかとらなければ、近い将来、確実に乗客は減り、再び存続が危ぶまれる。大海康弘美杉総合支所長は、今後についてJR東海や沿線の行政(三重県・松阪市)・住民ら関係者の連携による実践的な取り組みが必要とした上で、「もし再び被災したら、また復旧できるのか疑問。立ち向かえるだけの力をつけなければいけない」と危機感を示した。
そこで、鳥取県にある第三セクター・若桜鉄道㈱の公募社長として話題性ある企画を次々と実施し現在、津エアポートライン㈱に勤める山田和昭さんにローカル線と地域活性化について聞いた。
同社は昭和62年に設立され、国鉄改革でバス転換が妥当とされた若桜線をJR西日本から引き継ぎ、同年開業。利用者減少などにより経営が悪化したため、平成21年に沿線の八頭町・若桜町が線路などの鉄道施設を保有し、同社が運行を行う「公有民営方式」に移行。黒字転換をめざした。
一方、山田さんは東京都出身で、IT業界のマーケティング職などを経て平成26年に同社の公募社長に就任。零細企業でありながら沿線の多数の団体と連携し「SL走行社会実験」をはじめ大規模な企画を行うなどして、集客や経済効果も生んだ。
山田さんによると、鉄道は地域という「身体」にお金や人を通わせ元気にする「血管」のようなもの。地域の一部であり運命共同体だが、鉄道だけが元気になっても地域は健康にならない。「鉄道の活性化ではなくて、『鉄道を使っていかに地域を活性化するか』を考えたほうが結果も良くなるし、動きも色々ととりやすくなる」という。
また同鉄道は、観光だけでなく教育・金融・消防・美容など様々な分野の団体と、地域の過疎・高齢化という共通の課題のもと連携を実現した。
同鉄道と名松線は運行体制などが異なるが、地域活性化を目的とした利用促進策や、関係団体の連携が重要であることは同じで、参考にできる部分も少なくない。沿線の住民による「乗って残そう名松線」のスローガンは今や昔。過疎・高齢化が進む地域にどう人を呼び込むのか、今一度めざすべき将来像を再確認した上で、地域一丸となった積極策が求められる。

知人に吊るし雛をいただきました。ずうーと前に旅宿で吊るし雛を見かけた時に「わぁー、きれい。こんなのあったらいいなぁ、欲しいなぁ」と思っていました。思いは通じて「吊るし雛を作ったよ」と私にくださいました。
吊るし雛は江戸時代に庶民の間で作られ、代々子や孫の成長を祈って家の中に飾られた心温まるお祝いの品です。
日本には習わし、しきたりの言葉があります。習わしは古くからの習慣のこと。しきたりは「仕来たる」ことでずっとやってきた意味から生まれた言葉です。共に共通語で、長い歴史の中で育まれた言葉です。
吊るし雛は全体的に朱色が多く使われており、朱色は厄除けと衣食住に恵まれ成長を願っています。段飾りひな人形は江戸時代に一般家庭ではなかなか手に入らなかったので吊るし雛を考え出して、家族の者が一針一針に愛情を縫い込めて作っています。
現在は段飾り雛人形の横に吊るされて、子供の幸せを祈っています。吊るし雛の紅白の鶴は神の使いで元気に育つように。とうがらしは悪い虫がつかないように。巾着はお金に困らないように。花は可愛く育つように。猿っこは災いの病が去るように。赤いべべ着た鯛はおめでたい日が沢山訪れますように。ぞうりは健康で働き者になるお守りとの事です。その他にもいろいろと飾られており見ていても飽きません。
テレビのスイッチを押すと四季を感じる行事や習わしがコマーシャルやニュースとして放送されます。現在、私達は明治5年(1872)から太陽暦(新暦)に基づいて生活をしています。が、古く中国から伝わった(旧暦)行事、文化は日本人の風俗習慣、しきたりとして続いています。四季(春夏秋冬)の中に二十四節気(立春・夏至・秋分・冬至等)、七十二候(時候の様子を表したもの、例えば・啓蟄入梅・寒露等)があり、旧暦ならではの趣きがあります。
その他に一年の行事として一月は門松・花餅・七草粥、二月は追な(節分・豆まき)・はだか祭・初午、三月は桃の節句(ひな祭り)・春の彼岸・花見、四月は花祭り、五月は端午の節句・川開き・母の日、六月は・山王祭・父の日、七月は七夕・ねぶた祭り、八月は八朔・盆踊り、九月は重陽の節句・おくんち祭、十月はえびす講・紅葉狩り、十一月は顔見世・七五三・酉の市、十二月は歳の市・クリスマス・餅つきなど。他にも各地でいろいろな行事が行われています。これらの行事は五穀豊穣・先祖供養・家内安全・商売繁盛などの願いと祈りを込めてされています。
バレンタイン・恵方巻きは日本だけの風習です。女性から男性にチョコレートを贈り、愛の告白です。翌月のホワイトデーには男性から女性に返礼として贈り物をする習慣ができています。いただけないと少しガッカリしますね。立春の前日に豆まきと共に行われる恵方巻きは、その年の吉の方角を向いて七品の具が入った巻き寿司を食べて健康と幸せを祈るものです。また、その年の終わる頃の十二月二十五日にはキリストの生誕を祝うクリスマスがあります。
クリスマスは江戸時代ひそかに長崎の出島で行われていました。阿蘭陀冬至として祝っています。江戸後期の文人、狂歌師の蜀山人(大田南畝)が文久元年(1861)に幕府の役人として長崎奉行所に赴任。その時に祝宴に招待されており、その内容が記録とされて残っています。
日本はこのように中国をはじめ他国からいろんな文化を取り入れ、五穀(米・麦・粟・豆・稗)豊穣と安全、健康を祈ったのです。
しきたりっていいなぁ♪
日本人の生活の知恵から作り上げられ、今に繋がるこの伝統文化、風習を宝物として末永く守り続くことを祈っています。
吊るし雛の一つ一つに「ありがとう。来年もよろしくね。」と声かけをして 箱の中にそっとしまいました。
(全国歴史研究会会員、三重歴史研究会会員及びときめき高虎会会員)

24日・25日、津市芸濃総合文化センターで、東京都を拠点に活動する「プレゼント・ラボ」が「春休みキッズ・ワークショップ」を開催。
津市出身の杉沢杏さんが主宰するプレゼント・ラボは、子供たちにとって最も大切な本質を見抜く力を養うワークショップを実施。
24日㈯14時15分~15時45分は「つくる!ミュージアム『掘って・分けて・考える』」。ミニ貝塚から何が出てくるかを調査・分析。小さな博物館をつくり、学芸員の仕事を体験。小学生と保護者のペア対象。定員12名(6組)。参加費2千円(親子2名分)。
25日㈰14時~15時45分は「理想の《のり》を開発せよ!」。4つの物質を混ぜ合わせ、のりをつくる実験で原因と結果という基本を理解できる。小2~6年生対象。定員8名。参加費千五百円。
申込締切りは3月20日。氏名(子供)、学年(3月末時点)、☎、質問などを書いて、present.laboratory@gmail.comへ。問合わせは杉沢さん☎090・4212・3145へ。

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