2018年3月

上海在住で文学好きな重来さんから本紙編集部にエッセイが寄せられました。重さんは25年前に三重大学に留学し、大学終了後は上海に戻り仕事しています。
今回は「懐かしい津市」と題して、津市への想いを書き綴ったエッセイを紹介します。

上海は今までにない大雪で、降る雪を眺めていたら、ふと東海にある日本の小都市、津市を思い出しました。あの時も今まだかつて見たことのない大雪で、留学していた大学に行く途中、三回転んだ事が思い浮かび、つい笑ってしまいました。
今年、そちらは雪が降りましたか。

私は25年前、日本にある三重大学に留学していました。
この三重大学は三重県津市にあり、津は日本で一番短い言葉の都市です。
津市で過ごした時間は四年間という短い間でしたが、今でも夢にみるほど恋しい街です。
留学を終え、帰国しても常に津市の事が思い浮かび、涙しては故郷のように思う毎日です。
故郷は上海ですが、津市での生活は特に思い出深く、私は第二の故郷だと思っています。
大学の筋向いにある食堂は一生忘れられません。なぜなら、日本に来て初めて食事をした食堂だからです。
その時、あまりにもお腹がすいていたので慌てて中に入り料理を注文しようとしました。
すると一人のおじさんが、壁に貼ってある5色の紙を指差して何やら話しかけてきました。
おそらくその5色の紙がメニューなのだろうということは分かりましたが、当時の私は、日本語はいくつかの仮名を知っているだけだったので、何が書いてあるかは分かりませんでした。
英語や写真があると理解できたのですが、それも無かったので非常に困りました。
その様子を見かねたのか、壁に貼ってあったメニューの側に行き、ボールペンで指差しながらこれですかと聞いてくれたので、分からないままうなずきました。
すると一杯の水のように見えたお茶漬が来ました。注文の品が予想外だったので、体が固まり内心泣きそうになりました。
また、お茶漬を食べていたらおじさんは何かを察したのかジェスチャーでサービスと言い、餃子を3つ私にくれました。その餃子は上海の餃子とは違い、皮が薄く中身が透けていたけれど、色あざやかに美しく見え、大変美味しかったです。
なんと、そのおじさんは店の主人であり、調理人であり、ウエイターでもあったのです。
私は仕事がうまく行かなかった時、留学当初に行った食堂での、3つの餃子の出来事を思いました。あのおじさんは今でも元気にお店で働いているのでしょうか。
留学が終わっても帰国せず、日本にいれば私は、どこかの学校で教師になっていたかもしれません。
私は教師になることが夢で、それを叶えるため日本に留学に来ていたのです。しかし、すべての人間がこのような執着心を持っているわけではありません。教師という夢に向かって努力していても様々な困難や誘惑にぶつかり、叶うことが出来ず別の道に進む者もたくさんいます。
雪の降っている日に歩くと、津市で生活した日々が思い浮かんできます。春には満開の桜が、夏には青い海が、秋には紅葉した葉が風に揺られながら散っていく風景が懐かしく思われます。
三重大学は日本の東南海、伊勢湾に面した所にあります。生まれて初めて海水に触れ、海風のにおいを味わい、波の音に耳を傾け、海というものを体験しました。砂浜には私の足跡が孤独そうに残り、波打ち際の私の影は寂しそうに見えました。
潮の満ち引きに戯れていると、家族の事を思い出し、同時に未来のことにも思いをはせました。
ハワイのビーチを歩いている時も、思い出したのは津市のあの海岸でした。
偕楽公園にある小さな池の赤い手すりの板橋、灌木の中にある彫刻のような黒い機関車は何度も夢の中に出てきます。
津市は思い出深い地です。
津市の思い出にと、一つの花も草も持って帰ることができなかったけれど、異国の小さな都市、津市に対してとても深い愛情を持っていたのだということに帰国してから気づきました。
なぜなら、4年間の生活で、私の日本語には三重の方言がいつの間にか染みついていたからです。シカゴ空港やタイのプーケット島、シドニーオペラハウス等で日本人観光客に声をかけると、観光客から発音になまりがあると指摘されたことがよくありました。
その時私は、このなまりは、私の大好きな三重県津市で4年間生活したあかしですと、胸を張って返答しました。その時、津市に住んで良かったと思ったのと同時に感謝の気持ちが満ち溢れ嬉しくなったのを覚えています。
雪の降る中、上海の町を歩いていたら、「松阪牛」の店が目に入りました。この飾りは日本と同じだが、味は津市の「朝日屋」と同じなのかなと思いつつ、肩に積った雪を払い除け、店に入りました。

津観音の五重塔

津観音の五重塔

「しろの日(城の日)」である4月6日㈮、津市主催のウォークイベント「『続日本100名城』津城・城下町めぐり」が開かれる。協力=津観光ガイドネット、安濃津ガイド会、特定非営利活動法人三重ドリームクラブ(勢州津高虎隊)。雨天決行。
昨年4月6日に「続日本100名城」に選ばれた津城跡などを、「安濃津ガイド会」の案内のもと巡る。参加者には記念品として津城グッズが渡されるほか、平治煎餅本店のバターせんべいを贈呈。
▼集合時間=9時15分
▼集合・受付場所=お城公園内噴水前
▼コース=同噴水前~津城~津まんなかガイド詰所~石垣~古地図板~京口町~立町~津観音~解散(所要時間は約2時間)
▼中心市街地の店でお得なサービスが受けられる「津市中心市街地ご来街感謝券」を受付で配布
▼参加費=無料
▼定員=先着100名
▼申し込み方法=3月16日㈮~26日㈪までに津市商工観光部観光振興課☎津229・3234。

 

ハーバリウムづくりの様子

ハーバリウムづくりの様子

10日・11日、津市渋見町の『㈱プラスワン』=神田孝之社長=で「20周年感謝祭」が行われた。
住宅の新築・リフォーム事業と不動産事業を展開する同社。社名には顧客ニーズの「一つ上」をめざすという思いが込めれており、常にそれを実践したサービスを提供している。中でもリフォーム事業では、リフォーム産業新聞調べのリフォーム売上ランキングで平成28年と平成29年において2年連続の三重県1位を獲得。大手メーカーが市場を席巻する中、地域密着型の地元企業として快挙を達成している。
創業20周年を記念した感謝祭では、ダスキンのお掃除セミナーや、税理士が相続などについてのセミナーなどを開催。親子で楽しく参加できる工作教室では、ドライフラワーをオイルと共にビンに詰めるハーバリウムづくりや、フォトフレームをつかったタイルアートづくりに挑戦した。そのほか、お菓子のつかみ取り、豪華商品が当たるビンゴ大会など楽しい催しが盛りだくさんで両日共に来場者で賑わった。

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