久しぶりに訪ねた知人宅の玄関わきに、一メートルほどの高さのロッカーが置いてあった。鍵もついているし、宅配ボックスかなと思った。
聞いてみると、隣町のスーパーの宅配を利用し始めたという。「今流行りのネットスーパーですね」と返したら、「ううん、電話で注文したら持ってきてくれる」ということで、パソコンやスマホを使えなくとも注文ができるそうだ。
月に五百円ほどかかるけれど、混み合ったレジに並ぶ必要もないし、重いお米やジュースも持たなくて良い。チラシ掲載の安売り品も買えるし、魚の処理までしてくれる。サービスの割に高くはないという。支払いは銀行引き落としにしているそうだ。
スーパーの棚の前で献立を考える私のような人には不向きかもしれないが、レシピを決めてから買い物をする人には問題ないシステムだ。カード嫌いな人でも大丈夫。
「本当はやっぱり実物見て買いたい」と知人は言う。買い物も娯楽の一つ。色つやはどうか、重さはどうかと、手に取って品定めするのも楽しいわけで、印刷物では味気ないという気持ちも分かる。
でも、買って使って捨てるという日常生活の中で、一番手間のかかる買い物にこういう選択肢が広まってきたことが素晴らしい。車に乗れなくなっても買い物難民にならなくてすむ。老後は明るい。       (舞)