新たに三重県指定有形文化財となった「紺紙金銀字千手千眼陀羅尼経 一巻」(中尊寺経)

新たに三重県指定有形文化財となった「紺紙金銀字千手千眼陀羅尼経 一巻」(中尊寺経)

津市大門の津観音資料館で企画展「津観音大宝院の密教美術─指定文化財を中心に」を開催中。会期は5月6日まで。
真言宗醍醐派の別格本山である津観音大宝院は津観音保存会を設立し、所有する貴重な文化財の修復に取り組んでいる。今年2月に「紺紙金銀字千手千眼陀羅尼経 一巻」(中尊寺経)には三重県有形文化財指定を受けた。これで計24件89点が、国、三重県、津市の指定を受けている。
今展では近年、三重県及び津市の指定を受けた文化財を中心に密教美術などの寺宝を公開する。
「紺紙金銀字千手千眼陀羅尼経」は平安時代の経典。紺色の紙に金泥と銀泥を一行ずつ交互に替えながら経典が書き写されている。このような形の経典には、奥州平泉の藤原清衡が発願した「中尊寺経」と呼ばれる経典群があり、中尊寺と高野山の金剛峯寺などが所有。それらの資料と同じ特徴を持つが、同じ名前の経典はなく、非常に貴重なものと評価された。
その他の主な出展品としては、三重県指定文化財の虚空蔵菩薩像(南北朝時代)などの密教絵画、三重県指定文化財の豊臣秀吉朱印状(安土桃山時代)など。
入館料は500円。10時~16時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。途中展示替えもあり。問い合わせ☎059・225・4013へ。

3月24日、津城復元の会は、津リージョンプラザお城ホールで「津城復元 桜待ちコンサート」を開いた。後援=津市、一般社団法人津市観光協会、津観光ガイドネット。
コンサートの収益金は津市のふるさと納税制度の津かがやき寄附を活用して、津城の復元資金として積み立てられる。
コンサートは3部構成。第1部はカーネギーホールでの演奏経験もある名手・荒井眞道さん(津市分部本願寺住職)が率いる一絃琴正流・清壽会。名古屋を拠点に国内外で活躍するプロ尺八奏者・牧原一路さんも特別出演。哀愁を帯びた美しい一絃琴の音色で魅了した。
第2部は、辻井美由紀さんと山田範子さんによるオカリナデュオ『Mino』。お馴染みの童謡「春よ来い」や、近年のヒット曲「ひまわりの約束」などを演奏。聴衆は春風のような優しい調べを楽しんだ。
第3部は雅楽倶楽部『雅』=黒部亮平代表=。古来より戦勝祈願に使われてきた縁起の良い曲である「陪臚」と、中国周縁部の胡国の王が酒に酔った様を描いた舞楽「胡飲酒」を披露した。
28日には、西田会長、荒井さん、黒部代表らが津市役所の前葉泰幸市長のもとを訪れ、コンサートの収益金と会場募金を合わせた過去最高額の72万4481円を寄附。
これで「津城跡の整備」へは述べ約1万5800人2355万円となった。
西田会長は「協賛出演の方々にチケットを沢山販売して頂けたのはありがたかった。今までの寄付金で隅櫓の3階部分は建てられる」とユーモアを交えながら語った。

荒井眞道さん率いる一絃琴正流「清壽会」

荒井眞道さん率いる一絃琴正流「清壽会」

オカリナデュオ「Mino」

オカリナデュオ「Mino」

雅楽倶楽部「雅」

雅楽倶楽部「雅」

前葉市長(左)に浄財を手渡す西田会長(左二人目)

前葉市長(左)に浄財を手渡す西田会長(左二人目)

この日のスタート地点である伊賀市役所付近

この日のスタート地点である伊賀市役所付近

津藩校・有造館の支校の崇廣堂前

津藩校・有造館の支校の崇廣堂前

西尾デンキの前で…友人の西尾君

西尾デンキの前で…友人の西尾君

3月29日9時頃。前回のゴール地点である伊賀市の上野市駅付近から、国道163号を歩き始める。天気は良好。この日は津市を始め、県内各地で気温25度を越える夏日に。私が着ている登山用パーカーは、本来なら季節に即した服装であるはずだが、既に無用の長物となりつつある。
伊賀上野城を仰ぎ見つつ、桜に彩られた伊賀市役所、上野西小学校、上野高校と国道沿いに広がる景色を楽しむ。桜の開花が例年よりも早いこともあり、どの木も満開。風に舞い散る花を愛でながら、日本の春の美しさを噛みしめる。
今日は伊賀市から京都府へと入るルートだが、本格的に歩き始める前に立ち寄るところがある。津藩の藩校・有造館の支校で国史跡の祟廣堂の向かいにある電気店「㈲西尾デンキ」だ。
このお店は、私の友人の西尾浩史君が父母と共に営んでいるいわゆる街の電気屋さん。祖父の代に創業して約50年間、家電製品の販売や電気工事などの事業で多くの人々の暮らしを支えている。西尾君は電気工事の技術などを競う全国大会で3位相当の銅賞に輝いたこともある腕利き。同い年で仲良くしているが、友人として見習うべき部分も多い。
家電量販店とネット通販が大勢を占める中、街の電気屋さんは決して楽な稼業ではない。そこで「うちはサービスで勝負やから」という西尾君の言葉通り単純な価格競争ではなく顧客が必要としている商品を行き届いたサービスと共に提供し、信頼を得ている。ネットを通じ、人と直接ふれあうことなく、世界中の様々なサービスが利用できるようになって久しい。それに伴い、社会全体の人間関係が希薄化する中、顔の見える温かい地域密着型のスタイルの良さも際立つといえる。
店のカウンター越しに世間話をしていると、あっという間に1時間が経過。「そろそろ出発するよ」「ああ、気を付けてな」。椅子から立ち上がり店から出た私を西尾君が見送ってくれた。時刻は10時。私は意気揚々と歩き始めた。(本紙報道部長・麻生純矢)

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