今月1日より、『国民健康保険(国保)』が財政基盤の強化を目的に従来の市町村単位から、都道府県単位の運営へ移行した。他県では移行に伴う保険料(税)の負担増も報道されているが、県内では発生しない。津市でも保険料率の値上げは無いが元々、加入者の大部分を低所得者が占めており、所得に対して重い負担となっているのが実情。更なる保険料率の上昇を招かいないための取り組みも求められる。

 

これまで全国の市町村などの自治体が運営してきた国保。一昔前は自営業者などが多く加入していたが、現在では無職者や、定年退職をした65歳~74歳までの前期高齢者などの低所得者が主体。少子高齢化による加入者減少と、保険から支払われる医療費の増大によって全国的に苦しい運営が続く。運営は基本的に加入者から集めた保険料(税)と国などからの交付金にで賄われるため、保険財政が苦しくななるほど、保険料(税)として加入者に跳ね返る。
全国的にほとんどの自治体でこのような苦しい状況が続いていたため、国は打開策として、市町村単位から都道府県単位 への移行が4月1日に行われた。国は年間3400億円の財政支援を行い制度の安定化を図るが、保険料率の決定や収納業務などは、これまで通り市町村が行い、それぞれの所得水準や加入者数、医療費の給付水準に応じた納付金を都道府県へと納める。
三重県内では約40万人の加入者がおり、他県では、今回の移行が原因で保険料(税)の値上がりが発生したという報道もなされたが、県内29市町で負担が増えることはない。保険料(税)率の算定方法は、市町の状況によって様々で、保険料を意図的に下げるために一般会計からの法定外繰り入れを行っている市町もあり、保険料の格差が発生。これを無理に一本化するのは難しく、三重県では見送っている。また、移行に伴い、国の取り決めで県は29市町の標準保険料率を発表したが、実際に市町が賦課する保険料と算定方法が違うので、余り参考にならない点も注意が必要だ。
津市では平成28年度に料率21%という大幅値上げを行ったため、同年度に黒字化。財政安定化の原資とする基金を積み立てられたこともあり、今年度も現行の保健料率を維持できる形となった。
ただ加入者数は平成24年度の4万1704世帯6万9032人から平成29年12月で3万8237世帯6万402人とわずかな期間でも大きく減少。その一方で保険制度からの医療費の支出は平成24年度約186億円(加入者一人当たり約27万円)から、約192億5000万円(同約31万円)まで増大している。
移行で財政基盤が強化された反面、各市町が一つの〝財布〟を管理する一員として、これまで以上に保険料(税)の収納率向上や医療費の抑制が求められる。津市でも、メタボリック症候群の特定健診の受診率向上や糖尿病の予防策を強化。収納率も地道な取組みで平成28年度で90・80%まで回復。29年度も上昇の見込み。
現行の保険料率でも加入者の所得に対して重いため、今後も更なる値上げを招かない最大限の努力が求められている。