津市北部地域の「高田本山専修寺」 、「道の駅津かわげ」、「高野尾花街道 朝津味」、「三重県総合博物館」と「津市観光協会」が連携した新たな枠組みで観光誘客などのに取り組む『津市北部地域誘客促進事業』がスタート。文化、歴史、商業、観光と違った魅力を持つ各施設の年間来場者数を集計すると約300万人にも及び、施設間を周遊することで地域経済への更なる波及効果をねらう。

 

高田本山専修寺

高田本山専修寺

道の駅津かわげ

道の駅津かわげ

三重県総合博物館

三重県総合博物館

朝津味

朝津味

今回の連携に参加する施設は、昨年に御影堂と如来堂が建造物で県内初の国宝指定を受けた「専修寺」、三重県を代表する文化施設である「三重県総合博物館」、津市の特産品が購入できる「道の駅津かわげ」、県下最大級の農産物直売所を備えた「朝津味」と、ここ数年以内にオープンしたり、大きな注目を集めるようになったものばかり。いずれも津市北部に位置し、県北から人々を迎える玄関口である中勢バイパスや、名古屋や関西からの集客が見込める名阪国道や伊勢自動車道とのアクセスも良好。4施設の合計で年間約300万人もの集客があり、施設間の周遊で生まれる経済波及効果を狙う新たな枠組みの必要性が浮上した。そこで文化や商業情報発信に長けた津市観光協会を加え、「津市北部地域誘客促進事業」をスタートさせる。

この枠組みは元々、三重大学と赤塚植物園が朝津味で行ってきた「地域連携ゾーン 観光文化研究会」の中で、文化庁が主導する地域の美術館・博物館を核とした文化クラスターの形成の実現に向けた議論の中で生まれたもの。しかし、事業費の折り合いがつかないために頓挫。それを惜しく思った4施設と津市観光協会が連携し、ソフト事業という形でスタートすることとなった。
4月28日㈯に設立を行うと同時に13時~17時、専修寺境内での「国宝指定記念薪能」にブースを出店し、各施設のPRを行う。今後、4施設のイベントや企画事業は、津市観光協会が集約し、HP上で発信するほか、様々な周遊コースを開発していく。スタンプラリーや来場者アンケートを参考にしながら、4施設間での人の移動状況などを三重大学と共に調査なども行うことも検討中。地域資源を生かした共通商品の開発や、共通イベントなどを行い連携を強化していく。
年間約300万人といえば、伊勢神宮や長島温泉に次ぐ一大交流人口で今後の発展にも大きな期待が集まっている。

プレゼント

津市観光協会では「津市北部地域」の愛称を募集する。募集期間は4月28日~7月10日まで。誰でも応募可能。応募作の中から選定し、7月20日に津市観光協会が発表。愛称採用者は、専修寺の世界特別拝観限定の懐石料理『夢告』にペアで招待。その他、赤塚植物園の洋ランや津市特産物セット、博物館の招待券、榊原温泉入浴剤をプレゼント。
津市観光協会の窓口で配布したり、同協会のホームページからもダウンロードできる規定の応募用紙に、①愛称(必要に応じて読み方とふりがなも)②愛称の説明③住所④氏名⑤年齢⑥☎⑦Eメールを記入して、郵送の場合は〒514─0009、三重県津市羽所町700、アスト津2階(一社)津市観光協会へ。FAXの場合は059・221・0811へ。Eメールinfo@tsukanko.jpへ。
問い合わせ☎059・246・9020へ。

村上住職(右)と寺ヨガ講師の荒木裕子さん……本堂で

村上住職(右)と寺ヨガ講師の荒木裕子さん……本堂で

「真宗高田派 乙部山 潮音寺」=津市中河原=の村上英俊住職(47)は、同寺を時代の変化に合わせた方法で運営し活性化しようと、「ゆったり寺ヨガ」をはじめ様々なイベントを一般から参加を募って開催し、好評を得ている。
村上さんが子供の頃、同寺は公民館的な役割を持ち、地域の寄り合いなどで使われていた。また20年程前までは葬儀も行われていたという。
そのため人々は仏や死というものを身近に感じていたが、高齢化や家族のあり方の変化などにより寺を訪れる人が減り、現在、死や墓は「怖いもの」と思われがち。
そこで村上さんは色々な人に来てもらいたいと寺の運営について経営やマーケティングの視点から学び、「人のご縁を繋ぐ場にする」「浄土の世界のことを、押しつけではなく自然な形で皆さんに伝えること」という目的を明確化。実践に取り組んでいる。
「仏の教えは変わらないが、仏教の諸行無常という考えのように、時代やお寺も変わっていく。お寺の運営において『昔ながらのやり方を繰り返す』ことは手段の一つであり、目的化してはだめだと思います」。
数年前から始め、毎月第1・第3土曜の昼間に本堂で開講している「寺ヨガ」は、ポーズをとることを目的とせず、自身の体の伸びや、気持ち良さを実感できるよう構成されたプログラムで、若者やサラリーマンなどが参加。参加者が、寺ならではの穏やかな雰囲気の中、自分と向き合い、自分を見つめ直しリフレッシュする機会となっている。
仕事帰りにも参加できるよう、今後、夜間にも開講される予定。
また、これまで、紙飛行機教室や風鈴づくり、お灸と骨盤調整の講座、メイクアップアーティストと写真家がコラボし、終活の写真を撮影する企画なども実施し、地域や老若男女に関わらず、多くの人が寺に親しむきっかけとなった。
村上さんは「お寺の本堂は死を超越した空間で、本来は誰でも受け入れていた場所。死んでからもお任せなのがお寺の強いところであり、存在価値です」と話している。

第七劇場の舞台「赤ずきん」のイメージ

第七劇場の舞台「赤ずきん」のイメージ

津市美里町三郷の民間劇場「テアトル ドゥ ベルヴィル」で、7月まで「2018春シーズンプログラム」を実施中。
里山地域の文化拠点として、演劇などの舞台芸術のほか、読み聞かせなど幅広い劇場体験ができるプログラムを通じ、美里地域、津市の文化振興に寄与する。
▼同劇場のレジデントカンパニー・第七劇場の「赤ずきん」=5月4日16時半~、5日・6日14時半~。約45分。有名な童話を原作に、同劇団が舞台化。
▼松原豊「幻灯会2018 春 熊野」=5月12日20時~。約45分。写真家・松原豊の写真と、シンガーソングライター・FOUR LEAF SOUND/村林友子、音楽家・宮嶋哉行の生演奏とのコラボレーション。
▼伊藤キム・ソロダンス公演「病める舞姫の私」=6月2日16時半~、3日14時半~。約50分。  ▼伊藤キム・ワークショップ=6月2日17時45分頃~、3日15時45分頃~。90分程度を予定。一般二千円、作品観賞とのセット券三千五百円(何れも茶・菓子代含む)、見学五百円(茶・菓子代)。
▼美里情報活用塾・SNS時代の写真の楽しみ方=5月20日13時半~15時半。料金千円。予約不要。講師は稲垣博文さん。
▼このほかハルゲキ!(短編作品の上演)なども行われる。
◎赤ずきん・幻灯会・病める舞姫の私=開演1時間前から受付、30分前開場。料金は一般二千円、美里割千円(美里在住、在学、在勤者対象。当日、証明できる物の提示が必要)、25歳以下五百円、18歳以下無料。全席自由。予約・問い合わせは☎070・1613・7711(平日10時~18時)、又はメールbelleville@dainanagekijo.org

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