司書の吉田さん(左)と、レポートの参考文献について考える生徒たち

司書の吉田さん(左)と、レポートの参考文献について考える生徒たち

三重県立津商業高校=津市渋見町、西尾雅二校長=で10日、ビジネス科・情報システム科3年生22人を対象に、知的財産について実践を通じて学ぶ「課題研究」の授業が行われた。
同校では平成25年度、課題研究の授業において知的財産と商品開発に関する生徒の学習・研究プロジェクトを発足。知財の実務と、権利化によるビジネスモデル構築に関する実践的な教育を、産官学民の協力を得て行っている。
この授業では例えば、生徒が、地元の菓子店とコラボし、「けいらん」などの地域伝統の餅菓子を作り変えた「津商餅」を開発。安易な思い付きではなく、菓子の伝統や歴史を理解した上で付加価値をつける難しさと、重要性を学んでいる。
授業の目的は、三重の伝統文化とおもてなしの心を学び、知的財産として活用すること。また知財の専門部署を設置していない中小企業で事務職などに就き、自社の技術者と弁理士(知財の専門家)の橋渡し役となり地域活性化に貢献する人材の育成も目指している。
この日、生徒たちは、図書室で、課題研究で書くレポートの参考になりそうな本を探した後、同校の専任司書である吉田裕美さん(37)から、参考文献の記載方法を教わり実際に書いた。
担当教諭の世良清さん(59)は、「今は地方にも産業がある。生徒たちが地元のことをどんどん学び活性化しないといけない」、また横山彩乃さん(17)は「今、課題研究の授業でこれからしたいことについてレポートを書いていますが、こういうことを高校でやっておくと将来役に立つと思います」と話した。