講演で、走ることの楽しさなどを語る市野さん

講演で、走ることの楽しさなどを語る市野さん

津市河芸町千里ヶ丘の千里ヶ丘公民館で26日、「一般社団法人ロブレスポーツジャパン」=岐阜県=所属の中距離選手で、理事も務めている市野泰地さん(25)が、「走ることの『楽しさ』を求めて」と題して講演を行った。
市野さんは同町出身。小さいときから走ることが「めちゃめちゃ好き」で、県立津商業高校に入学し部活動として陸上800m走を本格的に始めた。その後、岐阜経済大学に進学し陸上部に入ったが、当時、「ストイックで陸上以外のことをしない」のが理想の選手像だと考えていた市野さんは同部の環境に満足せず2013年、20歳のとき自主退学し単身渡米。
かつてカール・ルイスが所属していた名門「サンタモニカトラッククラブ」に自分なりの英語で直接交渉し、加入した。
しかし意外にも、同クラブの世界レベルの選手達は、時には練習をさぼったり食事制限をせず好きものを食べたりして、人生を楽しみながら陸上をしていた。一方、オン・オフの切り替えが上手く、練習に集中しているときは市野さんが話しかけても聞こえない。
その姿に市野さんの理想の選手像は大きく揺さぶられ、陸上以外のことにも興味が持てるようになったという。同クラブで2年間トレーニングを積み、帰国。大学に復学し、全日本インカレ800mで準優勝するなど飛躍的に記録を伸ばす。
大学卒業後は、実業団チーム「新潟アルビレックス」に入団し、2017アジア選手権800m日本代表に選出されるなど活躍した。
その後、自主退社し同法人を設立。老若男女にスポーツの本来の素晴らしさを伝えようと、子供対象の陸上競技スクールや、シニア向け健康運動教室などを行っている。
講演では、位置取りの小競り合いや心理戦があり「トラックの格闘技」と呼ばれている800m走の魅力を解説。
「思わぬ障壁こそが、800mを楽しむポイント。三重国体、東京五輪出場に向けて頑張っていきたい。勝ち負けではなく、走っているときにどうあるべきかを一番大切にしていきたいです。また今後、三重県でも、スポーツの文化を広げる活動をしたい」と話した。