2018年5月

伊勢市にオーガニックビュッフェレストラン「クロフネファーム」がある。
明るいお店で、週末は家族連れで行列ができる人気だ。
ここは就労支援持続A型施設事業所の認定も受けており、身体・知的・精神に障害のある方たちにも働いてもらえるお店でもある。
障害があっても、誰よりも早くお料理が足らなくなったことに気づいて走る男の子。
人と話せなくても、笑顔でお料理を作れる女の子…「ありがとう」があふれるレストランである。
お客にやさしいのはもちろんだが、スタッフ同士がやさしく気遣い合う雰囲気に、心もやさしくなる。
全国から来客のある、有名な人気店だというのもうなずける。
このレストランのオーナーは、宮川村の山の中で生まれた中村文昭という男である。
皇學館高校を辛うじて卒業した中村は、18歳で家出同然で単身上京する。職務質問を受けたお巡りさんが友人第1号となり、弟のように可愛がられ、仕事・食事の世話をしてもらう。
何よりもご縁を大切にする中村は、野菜の行商から始めて、行商で得た資金を元に六本木に飲食店を開店。出会いが出会いを生み、5店舗まで拡張し、21歳の時、三重県に戻り伊勢市で10席の飲食店「クロフネ」をオープンした。
26歳の時には、リビングカフェ「クロフネ」をオープンし、最高に幸せなレストラン・ウェディングを演出し、大成功を収めた。
やがて彼は、自らの経験や思いを語ってくれという「頼まれごと」を引き受け2000年から講演活動を開始するのだが、全国各地で絶賛の嵐が巻き起こり、今では年間300回の講演をする大人気者となっている。
また、講演会を行う一方で、競争社会に夢を持てない、ひきこもり・ニートと呼ばれる若者達と一緒に農業を行う『耕せ!にっぽん』も北海道で事業展開させている。
農家の高齢化や過疎化が進む現状の中で、食の安全と食糧自給率の問題を、定職につかない若者の力で解決しようと考える中村の目標は「GNS(国民総安心感)」の向上だという。
中村文昭はこう言う。
「夢がない…なくても結構。
目標がない…それでも結構。
出会った人を、目の前の人を、出会うたびに、その人ごとに、喜ばせていってご覧なさい。
思いもしなかった、あなただけの素晴らしい人生が目の前に開けてきますから。
何故なら人生は出会いがすべて。
出会った人を喜ばせることから道は開けるのです。
だから、頼まれごとは、試されごとです」と。
また、中村は言う、「何のために」と。
「あなたは何のために人生を生きていますか?」
「あなたは何のために仕事をしていますか?」
ところで、私が師と仰いでいた、伊勢修養団の中山靖雄先生は、中村文昭氏を講演家として世に送り出した彼の恩人でもあった。
中山先生は、私の顔を見るたびに「文昭くんに会ったか?」と訪ねた。
「先生、まだご縁がないんですよ」と答えると、早く会いなさいねと言われた。
また、中村氏には「赤塚さんに会ったか?」と聞いておられたという。
同じように「まだご縁がないんです」と答えていた中村氏であった。
ところが中山先生が亡くなったとき、この3人の共通の友人である一人の女性から泣きながら電話がかかってきた。
「私がご縁を繋げたらよかった、中山先生が生きておられるうちに。でも、四十九日の間は先生の魂がまだ近くにいてくれる。赤塚さん、すぐに文昭くんと会って!」
彼女は同様に中村氏にも連絡し、私は中村文昭氏と雲出にある私のログハウスで会った。
1時間ほど話すつもりが、8時間にも話は及んだ。
互いの話に感動し、泣いた。やまとのこころが強烈に響き合った。
中村氏はクロフネのスタッフにも聞かせてやりたいと言い、数日後泊りがけで仲間を連れて津に来てくれた。
それ以来、私は、中村文昭氏が主宰する「ご縁塾」「ご縁紡ぎ大学」の講師として全国各地で講演させていただくようになった。また、「やまとこころのキャンドルサービス」特別版のDVDがクロフネカンパニーから発売され、広められていることに感謝している。
出会いは宝だと、しみじみと思う。
(赤塚建設㈱社長)

8月11日(土・祝)①13時~②15時半~(開場は各回開演の30分前)、三重県文化会館中ホールで、見て・触れて・学べる体験型ショー「恐竜どうぶつ園 ティラノサウルス×トリケラトプスの戦い?!」が上演される。主催=読売新聞社、BSフジ、サンライズプロモーション東京。
恐竜どうぶつ園は、世界各地で上演されている、家族皆で楽しめる恐竜ショー。大昔にタイムスリップしたような空間で、恐竜たちを見たり、客席やロビーで触れたりして、楽しく学べる。
チケットは税込3千円(全席指定)。3歳以上有料、2歳以下は膝上鑑賞無料。但し座席が必要な場合は有料。日本語上演、上演時間60分。
予約・問い合わせはサンライズプロモーション東京☎0570・00・3337(全日10時~18時)。チケットは三重県文化会館チケットカウンター☎津233・1122、エムズネットWebチケットサービス、チケットぴあ、ローソンチケット、e+(イープラス)でも発売中。

(公社)津法人会=伊藤歳恭会長=は、5月25日㈮15時~16時半(受付開始14時45分)、津都ホテル5階で「第6回通常総会記念講演会」を開くにあたり、一般の参加者を募集している。
講師は国立大学法人電気通信大学大学院教授で、人工知能学者、認知科学者、感性工学者、感性コミュニケーション・オノマトペ研究者の坂本真樹さん。演題は「『人工知能の可能性』~自動運転車からロボットの感情まで~」。
坂本さんは98年・東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。
98年・同専攻助手、00年・電気通信大学電気通信学部講師、准教授を経て、同大大学院情報理工学研究科教授。2016年より同大人工知能先端研究センター教授を兼務。
2014年度人工知能学会論文賞など受賞多数。以上、東京外語大学卒業から東大大学院を経て理工系に転じた珍しい経歴を持ち、企業との共同研究、数々の国内学会や国際学会での研究発表や講演を行っている。
著書に「坂本真樹先生が教える人工知能がほぼほぼわかる本」(オーム社)「坂本真樹と考える どうする? 人工知能時代の就職活動」(エクシア出版)などがある。
参加希望者は、申し込み1名につき往復はがき1枚に、〒・住所・氏名・電話番号を明記して、〒514─0006、津市広明町121、(公社)津法人会「5月25日記念講演会」係へ。定員200名になり次第締め切り。
問い合わせは同法人会☎059・225・1302へ。

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