2018年5月

今年4月で1周年を迎えた『津市ビジネスサポートセンター』=津市あのつ台=では、商工業の発展を支える「企業誘致」、「ものづくりへの支援」、「創業支援」の三本柱とした企業支援で着実な成果を上げている。担当部署を1ヵ所に集め、ワンストップサービスによる迅速な対応もあり、企業誘致件数、経営と創業支援の相談数が共に増加。今後はビジネスマッチングの活性化など更なる活躍も期待される。

 

 

津市ビジネスサポートセンターの窓口

津市ビジネスサポートセンターの窓口

中勢北部サイエンスシティのあのつピア1階に昨年4月にオープンした津市ビジネスサポートセンター。最大の特徴はこれまで分かれていた企業への直接的な支援や相談業務を行う部署を集約化。ワンストップサービスで、津市への進出を考 えている企業、支援を求める市内企業、津市で創業したいと考えている人に適切な対応が迅速に行えるようになったことが最大の特徴。
その成果として、まず企業誘致については、中勢北部サイエンスシティへ平成29年度は7社11・86㏊を誘致。平成27年度3・89㏊、平成28年度2社1・49㏊と比べると大幅に増加。これで総面積84・2㏊に対して、73・3㏊が分譲済みとなっている。津市の県内の中央という立地に魅力を感じ、県内で展開するサービスの中枢機能をサイエンスシティに置く企業も出ている。
ものづくりを行う製造業を中心とした企業への支援体制でも、少しずつ成果が出ている。コーディネーターの職員たちがセンター内の相談ブースや企業への出張で相談業務を行うほか、補助金の充実やこれまで以上にセミナーも実施。また新分野への進出や地域資源を生かした商品とサービスの開発支援にも力を入れており、支援によって商談や新商品の開発に繋がった企業も出ている。このように企業との接点が増えた結果、相談件数も28年度86件から平成29年度96件と増加。
そして、津市の産業の将来を考えると非常に重要となる創業支援も相談件数が平成28年度の6件から、平成29年度は5倍近くの28件に増加した。
津市も津商工会議所、津市商工会、津北商工会、日本政策金融公庫津支店、三重県信用保証協会が連携した創業サポーター「ソケッ津」を設立し、これまでにも支援を行ってきたが、ビジネスサポートセンターは最初の窓口としての機能を果たし、相談を受けるだけでなく、然るべき機関へのつなぎなども実施。専門家による創業支援では、事業や経営計画の立て方から融資の受け方、飲食店のメニューづくりまで手伝うほど、綿密な取り組みを行っている。
更に津市で創業したい人や、創業後間もない人が津市で実際に創業した人の話を聞き、学んだり交流できるビジネスカフェも開いている。
川合清久センター長は「企業の活性化と、夢を持って創業する方の支援にしっかり取り組んでいく。津市で課題を抱える企業や創業を考える方は気軽に相談してほしい」と語り、センターを介した企業同士のビジネスマッチングにも今まで以上に力を注いでいく。
ビジネスの在り方が変革を迎える中で企業にとっても乗り越えるべき課題が多数発生している。その一方で、新たなビジネスの種をどのように芽吹かせ、花を咲かせることも重要となっている。そのために必要な支援など、同センターの果たすべき役割は多い。今後の更なる取り組みにも期待したい。
相談は津市ビジネスサポートセンター☎059・236・3355。

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