津市美杉町八知に国内事務局を置く「NPO法人DIFAR」は、同町出身の瀧本里子さん(41)が03年に前身の団体を発足。ボリビアのサンタクルス県を拠点に、現地の市民の生活向上に取り組んでいる。06年からは、不法投棄など深刻なごみ問題を抱える同県内3市で、ごみのリサイクルシステム導入事業を実施。堆肥場建設や人材育成などにより、最終的には市民や行政が自主運営できる仕組みを作っている。

 

 

パンパグランデ市での事業で行われている、生ごみの回収の様子 回収された生ごみは堆肥化される

パンパグランデ市での事業で行われている、生ごみの回収の様子
回収された生ごみは堆肥化される

パンパグランデ市のごみ廃棄場 無分別で投棄されたごみが飽和状態になっている

パンパグランデ市のごみ廃棄場
無分別で投棄されたごみが飽和状態になっている

バジェグランデ市での事業で建設されたリサイクルセンター

バジェグランデ市での事業で建設されたリサイクルセンター

瀧本さんは00年から2年間、青年海外協力隊(JICA)としてボリビアで活動。男尊女卑社会の中、母親達が苦労し野菜を作り売っているが貧しく、子供も栄養失調になっている状況を目の当たりにした。
それを機に03年、現地の人々の生活向上を目指し「DIFAR」の前身の任意団体を設立。08年にNPO法人化した。現在、瀧本さんは現地で夫や子供らと暮らし、国内事務局は瀧本さんの父・幸弘さんと、母・規久子さんらが運営している。
ボリビアでは環境意識が低く、ポイ捨てや不法投棄が蔓延し、市のごみ回収制度・処分場の整備も進んでいない。そこで同法人は、サンタクルス県内3市で、新たなごみのリサイクルシステムの導入に取り組んできた。 まず最初は06年7月~11年3月にコマラパ市で、国際ボランティア貯金配分事業として、生ごみを堆肥化するシステムを導入。
現地は農家が多く、堆肥の需要が高い。一方、当時ボリビアでは家庭内分別が未実施で、生ごみはポイ捨てされるかゴミとして出すのが一般的だった。同法人は市と協力し堆肥場を作り、生ごみの回収日を決めて集め堆肥化。同市では今も分別回収が続けられている。
同法人は次にバジェグランデ市で13年6月~今月16日まで、1万人の住民を対象に、JICAから受託した草の根・技術協力事業として「生ごみ・資源ごみ回収事業」に取り組んだ。
コマラパ市での事業を視察したバジェグランデ市長からの依頼を機に始まり、インフラ整備や市の廃棄物課職員の育成、住民対象の講習などを行ったことで、市内約1000世帯が家庭でごみを分別し決まった日に出す習慣が定着しつつある。
さらに人口約9200人のパンパグランデ市で16年~19年3月まで、地球環境基金の助成を受け「農薬容器を含む廃棄物のリサイクルシステム導入事業」を実施中。
同市ではごみ投棄場が飽和状態。また農薬の空容器が大量にポイ捨てされ、市民の健康や環境への被害が懸念されている。同事業で市役所に廃棄物課が設置されたほか学校などでの環境教育やインフラ整備が行われ、分別回収が始まった。
この様に同法人は、3市のニーズを的確に捉え、最終的には市民や行政が自主運営できるリサイクル事業を構築し、現地の環境や農業にも貢献してきた。一方、市民の事業への自発的な参加が少ないのが課題で、「今後、第2フェーズとして環境教育に取り組みたい。また当法人では若い人にこういう仕事を思いきりしてもらうには運営資金が重要なので、日本企業と連携したい」としていて、活動の発展が期待される。