曇り空の下、半袖ジャージ姿の小学生たちが歩いてくるのを運転席から見た。男の子たちだから要注意。男の子はふざけて突然車の前に飛び出すことがある。
それぞれランドセルを背負い、傘を持ってだらだらと歩いてくる。傘の先はアスファルトの上をずるずると動いていて、先端のプラスチックが擦り切れるのも時間の問題だと思われた。
そういえば、小学生男子はあんなものだった。他人に向けて傘を振り回さないだけお利口さんとしよう。
では、私なら雨上がりの傘をどのように持っているかと振り返ってみる。私はステッキのように、傘の先をコツコツとアスファルトに打ち付けているようだ。今まで意識していなかったが、それもまた、傘の先を傷つける。あの先端の部品は石突きというのだったか。
実をいうと、私が愛用している傘は十年も前のもの。置き忘れることもなく、色柄が褪せることもなく、骨を折ることもなく、石突きもつゆ先もしっかりしている。ステッキのように使う分には、傘への負担が少ないとみえる。
ただ、木製の柄がくたびれてきた。そろそろ買い替え時期だろう。安いビニール傘や子どもの傘は消耗品だけれど、大人はやはり良い傘を持ちたいもの。次の十年を過ごす傘との出会いを待っている。    (舞)