無動力歩行支援器「aLQ(アルク)」

無動力歩行支援器「aLQ(アルク)」

前回の行程から約3カ月。季節はすっかり春から初夏に移り変わっている。梅雨の合間の晴れを狙って歩ける機会を伺いつつ、次回に向けて色々と準備を進めている。
以前、自転車で津市を回る連載をしていた頃と比べると、今の私はメタボ体型。普段の移動は、なるべく歩くようにしているものの、この連載を愛読いただいている方々とお会いすると「歩いている割には…」というお声を良く頂く。至極ごもっともな感想である。加えて、40歳を目前に20代の頃と比べると明らかに体力も落ちており、一日30㎞ほど歩くと毎回疲れ果てている。
もちろん、地道にトレーニングを重ね、体重を落としながら体力をつけるのが大前提なのだが、生来の横着者である私。少しでも楽が出来る妙案が無いかと考えている所天啓を得た。「㈱機能食品研究所」=津市大門=の梅田幸嗣社長のご厚意で同社が取扱っている無動力の歩行支援器「aLQ(アルク)」を貸して頂いたからだ。
アルクは今仙電機製作所が開発した世界初の健者向けの歩行支援器で、電気やモーターなどの動力を一切使わないのが特徴。本体に内蔵されたばねが縮む反動と足を交互に踏み出す際の振り子運動を利用して、歩行時にかかる負担を20%軽減できる優れもの。
歩行支援器と聞くと仰々しい感じもするが、実のところ全くそんなことはない。健常者向けと銘打っているだけに、足腰の弱い高齢者だけでなく、旅行などで長距離を歩く際など、誰でもその恩恵を感じられる。装着も簡単で、本体をベルトに引っ掛け、本体から伸びるアルミ棒を膝上で固定するだけ。着けた時の違和感は全く無く、初めて付けた時は、それほど効果があると思えかもしれない。しかし、外した瞬間に足が少し重く感じるこの自然なアシスト力が身体に負担をかけない絶妙なラインなのだ。
以前、取材でアルクを試着し、効果を実感した私はすぐに梅田社長に、この連載のことを伝えたところ、快く協力して頂いた次第。雨で思うように予定とかみ合わないため、お借りしたアルクを久しぶりに装着。その効果を再度実感しながら、この稿を書いている。
次の行程は、笠置町から木津川市に入り、その後は奈良県、大阪府と関西の奥へ奥へと踏み込んでいく。津市民にとって身近な国道163号線の知らない姿をよりお見せできることになるはず。
そして、アルクがどのような効果をもたらすのか楽しみである。雨空を見上げながら来るべき時を待っている。(本紙報道部長・麻生純矢)