2018年6月

GDPRは “General Data Protection Regulation” の略で、一般データ保護規則の事である。EUが5月25日に施行した新しい個人情報保護にまつわるルールであり、『個人データ』の『処理』と『移転』に関する法律だ。
『個人データ』とは、氏名、位置データ、メールアドレス、クレジットカード情報、IPアドレスなどのオンライン識別子、写真、勤務先の電話の内線番号などであり、『処理』とは、個人データの収集や保存、変更、開示、削除、リストの作成など、保護対象の個人データに行われるあらゆる作業の事で、『移転』とは、EEA域(欧州経済領域)外で個人データを閲覧可能にする行為の事である。EEA域内からEメールでの個人データを含む電子文書をEEA域外に送付したり、EEA域内のクラウド上に保管する個人データを日本からアクセスして日本で閲覧することなど、EEA域内から個人データが物理的に移動していない場合でも『移転』とみなされる。
この法律は、企業規模にかかわらず適用範囲が広く、顧客の情報だけでなく、欧州で働いている社員の情報も対象になる。旅館・ホテルや観光施設、民泊のリザベーション業務にかかわる観光庁や厚労省、国交省が注意喚起しないのでまとめてみた。
直接影響を受けるのは、EU加盟諸国28カ国に3カ国を加えたEEA31カ国、つまりEEA域内に子会社や支店などの拠点を持つ企業となる。また、EEA域内の個人に商品やサービスを提供している企業や、EEA域内の企業から個人データの処理を受託している企業も対象となる(英国はブレグジット後も有効だ)。しかし、5月30日の日経新聞の解釈によると、たとえば、欧州に現地法人を置いていない企業であっても、現地の見本市に出展して来場者と名刺交換した場合、個人情報の域外移転として適用対象となる可能性があるという。
観光業界ならば、EEA域内に所在するお客さんが、EEA域内から日本の予約サイトを利用して日本国内の宿泊先を予約した場合、GDPR対象は予約サイト事業者となるが、日本の宿泊施設に直接予約してきた場合、GDPR対象はその宿泊施設となる。既に関西の老舗有名旅館では、これまで複数の欧州言語を含めた多言語サイトで予約を受け付けていたが、GDPRの中身を知り、日本語と英語のみの対応に絞るという。複数の欧州言語で予約を受付けようとしていると、GDPR対象とみなされる可能性があると判断したためだ。
旅行業界ならば、インバウンドの取扱いで日本の本社がEEA所在者に航空券や鉄道チケット、パッケージ旅行などをオンライン販売する場合、GDPRが適用される可能性がある。2016年6月には、不正アクセスにより『JTB』で最大679万人分の顧客情報が流出した可能性があることが発覚、物流や旅行代理業務を手掛ける『札幌通運』でも同月、顧客のクレジットカード情報が一部流出したが、このようなケースの場合は深刻な問題となる。会社の存続を揺るがしかねない罰則があるからだ。
5月26日のAFPによると、これにより、ロサンゼルス・タイムズやシカゴ・トリビューンなどの電子版が欧州からは閲覧できなくなり、GDPRに適合させてアクセス再開対策を検討中だとの説明が表示されている。5億人のEU市場を規制するGDPRに違反した企業は、最大2000万ユーロ(約26億円)または年間世界売上高の4%のどちらか高い方の制裁金が科される可能性があるのだ。
この法律のポイントは、EEA域内に所在する人のプライバシーを侵害しているかどうか。
個人データの取得から廃棄までのライフサイクルを管理することが必要である。
(O・H・M・S・S「大宇陀・東紀州・松阪圏サイトシーイング・サポート」代表)

劇団津演2018年公演「分からない国」の練習の一場面

劇団津演2018年公演「分からない国」の練習の一場面

津市を拠点に活動する社会人演劇集団・劇団津演=若林一博代表=の津市民部文化祭参加・2018年公演『分からない国』=作・原田宗典、演出・マスダ春花=が7月7日㈯18時半~、8日㈰14時~(開場は各30分前)、津リージョンプラザお城ホールで上演される。
この作品は、認知症で、出征の記憶を持つ父親と、介護する家族、共に出征し心に闇を抱えつつ生きる元上官などが織りなす、深く、温かいヒューマンドラマ。
マスダさんは同劇団の団員で通常は演者だが、今回12年ぶりに演出を手掛ける。原作は1992年に書かれ、舞台は90年の日本だが、作中の認知症・遺産相続・上官の圧力などの事柄は「今に通じるものがある」と感じるそう。自身も一過性の認知症を患った母親を介護した経験があり、それを思い出しながら演出している。
「観に来てくれる方の中には家族の介護をしている方も多くあまりリアルを追求すると失礼になると思うので、芝居なので『嘘』であることに甘んじて私なりに津演流の家族を演出し、感動して下されば」とマスダさん。
チケットは、前売り大人1500円(当日1800円)、学生1000円(同1200円)、小学生600円(同800円)。
津演劇鑑賞会☎津228・9523、三重額椽☎津225・6588、県文チケットカウンター☎津233・1122で取り扱うほか7月5日までメールでも受け付ける。氏名・枚数・日時・種類を記載しg-tsuen@hotmail.comへ送信。
問合せは劇団津演☎津226・1089(月・水・土曜の20時以降)。

氷細工に取り組む学生と見学する園児たち

氷細工に取り組む学生と見学する園児たち

津市大谷町、津駅西口前の大川学園・三重調理専門学校のグランドで4日、氷細工を制作する特別実習が行われた。
パーティー料理の装飾に欠かせない氷細工をプロから学び、学生に氷の持つ特性を知ってもらおうと、氷細工のプロとして活動する津氷彫会の講師を招いて毎年行われているもの。
まずは津氷彫会のメンバーがのこぎりやノミといった道具の使い方を指導。同校1年生の生徒たち33名は8グループに分かれ、見本の下絵を見ながら作品作りに挑戦。氷の塊から2時間ほどかけて、ハープやエンゼルフィッシュ、ペンギンの親子などの形に彫り出した。
初めは緊張気味だった学生達だが、調理師を目指すだけあって、すぐに慣れ、軽快な道具さばきで見事に彫り上げた。
また、大川幼稚園の園児達が、制作中の彫刻を見学。「きれい!」「冷たいねぇ」など、大いに喜んでいた。

[ 12 / 20 ページ ]« First...1011121314...20...Last »