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2018年7月
学校法人大川学園理事長で地域民族学者の大川吉祟さんがこのほど、著書「三重県食文化事典」を創英社/三省堂書店から発刊した。
大川さんは職業人養成や幼児教育、児童教育に関わることから、三重県の郷土教育に強い関心を持ち、郷土史や民族学関連の資料づくりに注力。6年前には昭和44年から50年間、大正時代から昭和10年までの三重県内の食生活と風習、年中行事を各地の古老から聞き書きしてまとめた著書「三重県の食生活と食文化」=調理栄養教育公社=を出版した。
しかし、現在の贅沢な生活の中で、昭和初期の普段の食について、若い人だけでなく、初老の世代でさえ理解が困難になってきた現状から、今回、前書よりも判りやすく伝えようと、民俗学的視点もふんだんに盛り込んで執筆。同時に古老と共に消えた文化や、三重県が世界に誇る食べ物に関わる事業所も紹介している。
大川さんは「この事典が様々な分野の参考資料になれば。加えて昨年秋の叙勲の社会へのお返しでもあります」と話す。
A5判、370頁、定価2500円+税。各書店で取り扱い中。
2018年7月26日 AM 4:55
昨年11月に高田本山専修寺の如来堂・御影堂が国宝に指定されたことに伴い、地元・一身田寺内町などの商店主らで作りまちぐるみの観光振興を目指す「国宝プロジェクト実行委員会」=中川隆功会長(52)=が、9月30日㈰まで「一身田寺内町観光デー」を開催中。様々な企画でおもてなしを行っている。
一身田寺内町はかつて地域住民が日常の買い物に訪れ賑わっていたものの、郊外への顧客流出などで衰退。空き店舗や空き家も多い。また国宝指定により専修寺の観光客は急増しているが、寺内町に寄る人は少ない。
そこで、一身田商工振興会の会員有志34件で構成する同委員会では、津市と協力しながら観光客誘致に取り組んできた。
今回の「観光デー」ではマップを作成し市役所や参加店などで配布中。中川会長は、寺内町の魅力を「買い回り品を買う場だった頃のまったりとした雰囲気も残しつつ、専修寺の観光も楽しんでもらえます」とPR。
観光デーの内容は──
◆「実はわたし…なんです」写真展=期間中の土曜・日曜に開催。津市出身の写真家・浅田政志さんが店主らの意外な一面を撮影した写真を、各店で展示。例えば中川会長は「実は三重県ナンバー1のプラレーラー」。
◆国宝記念メダル(700円)を高田会館で販売=参加店で提示すると特典やサービスが受けられる。商品やサービスと交換することもできる。
◆一身田スタンプラリー=期間中の土曜・日曜に開催。写真展会場の所定の5店舗を巡りスタンプを5つ全部集めると、高田会館でガラガラ抽選に参加できる。毎回100名に、国宝メダルや、メダル特典を1回使えるチケットをプレゼント。
◆空き店舗を利用した店舗が登場=▼三重大生が運営するカフェ「森の王様Tapio」。営業日は7月29日、8月・9月の土曜・日曜10時~15時▼「津のPRショップ」。営業は期間中の土曜・日曜11時~14時(休業、営業時間延長の日もあり)▼地元のママたちとクリエーターによるアンテナショップ「つながるーむFAMIE」。営業は10時~15時▼「実はわたし…なんです」写真展ギャラリー。
問い合わせは同商工振興会☎津232・2366へ。
2018年7月26日 AM 4:55
日本で唯一の「げいのう」という名にちなみ、東京の劇団の公演誘致や演劇ワークショップなどを行ってきた「芸濃町を芸濃い町にする会 」は、芸能文化による地域振興を目的とした市民劇団「芸濃い劇団」を設立する。劇場法の施行以来、公共ホールは実演芸術の振興などの役割を求められるようになったが、活動拠点となる「津市芸濃総合文化センター」は、その先進例としても期待される。
「芸濃町を芸濃い町にする会」は、芸濃町椋本出身で東京で活躍してきた文筆家で現会長の伊藤裕作さん(68)が、地元の仲間たちと共に平成27年に設立。伊藤さんは東京と地元を行き来する生活を続けながら、日本で唯一の「げいのう」の名前を生かした地域づくりをめざし、自身のネットワークを生かし、俳優で日本演出者協会会長の流山児祥さん率いる劇団「流山児☆事務所」や、自分たちで建てた芝居小屋で大量の水を使った演出を行う「水族館劇場」などの公演を誘致。
そのような流れの中、「芸濃町を芸能文化に理解の深い、関心の高い町にすることを目的とする」と同会規約の実現に向け設立されることになったのが「芸濃い劇団」。
設立に至った直接のきっかけは今年4月、津市芸濃総合文化センターで行われた流山児さんが率いる「シアターRAKU」による舞台「十二夜」。この舞台の導入劇に出演するために、芸濃町内の在住・在勤者ら16名が流山児さんが指導する演劇ワークショップに参加。演じる楽しさを知ると同時に、堂々たる演技で観客を沸かせた。
これに手ごたえを感じた伊藤さんと、同会事務局長で同センター館長の稲垣巧さん(63)は、芸の文化による地域おこしを目的とした劇団設立を決意。二人とも、演劇は全くの未経験ながら、俳優として水族館劇場の公演に出演。稲垣さんは演劇ワークショップにも参加。自身も演じる楽しさに魅了されただけでなく参加した小学生が演劇を通じて大きく成長していく姿を間近に見て感動。「子供たちが様々な役を演じる中で、色々な立場の人の考え方を想像できるようになり、視野を広げられる」と教育面からも意義を見出した。
更に6年前に施行された「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」(劇場法)では、文化会館などの劇場は実演芸術の振興を図り、活力ある地域社会の実現に貢献に寄与することが求められていることから、同文化センターは劇団の活動拠点としてバックアップ。市民ホールを練習・発表の場や他団体との共演の場として活用していく。
現在、団員を募集中、人数が集まり次第練習を開始。指導は同会の芸術参与に就任した流山児さんと、その劇団メンバー、伊藤さん、稲垣さんらが行う。当面の目標として、芸濃町の伝説を盛り込んだ水族館劇場の「この丗のような夢」を演じ易くアレンジして今年の年末にお披露目公演を行うほか、年2、3回ペースで公演を行う予定。
同会の結成から3年。質の高い演劇作品を鑑賞できる機会をつくってきたが、今度はそれに影響された地元の人たちが町ぐるみで演劇作品をつくりあげ、町おこしにつなげるという新たな段階へと移行。伊藤さんは「劇団が育っていけば、三重県はもちろん東京や海外にまで飛び出し、芸濃や津市の町おこしができる」と瞳を輝かせる。住民主体の文化を軸にした地域振興と、それを支える地域劇場としての同センター。市内でも劇場法の趣旨を体現する先進的な取り組みであるだけに展望が期待される。団員の募集対象は、芸濃町内在住・在勤者及び、同会の規約に同意できる小学生から高齢者までで、演劇経験不問。家族での参加も歓迎。参加費無料(傷害保険400円のみ)。練習日は月1~2回程度で団員で相談して決定。
詳細は同会事務局(芸濃文化センター内)☎津265・6000。
2018年7月19日 AM 5:00