各地の災害のニュースで、水や電気の大切さはわかっているつもりだったが、停電を経験して、身に染みて不自由さを知ることになった。
台風の風の一番強い頃に停電した。しばらくしたら復旧するだろうと思っていたが、そうでもない。外からは風の音に混じって、サイレンが聞こえてくる。嵐の中でも活動してくれる人がいる。電力会社も復旧にがんばってくれているだろうと感謝しつつ寝た。
朝になっても停電が続いていて、少し慌てた。食べるものがない。IHコンロなので電気がないとお湯を沸かすこともできないのだ。冷蔵庫の中には冷凍ご飯があるのだが、内部の温度が上がってしまうだろうから開けられない。出したところで電子レンジが使えない。
しかたなく、カセットコンロでラーメンを作った。水道がいつも通りに出ることがありがたい。冷蔵庫の中にはモヤシや玉子があるけれど、取り出せない。いつまで続くか分からない停電なので、なるべく中の食材を守りたかった。
具なしのラーメンを食べた後、電力会社に電話したら、音声案内が広範囲で停電が起きていると答えた。待つしかない。
前夜、少しだけ考えた。水を貯める。ご飯を炊いておく。機器の充電をしておく。それなのに何も備えずに寝てしまった。幸いにも電気は昼ご飯までに復旧した。ライフラインはまさしく命綱だと痛感した。    (舞)