津市なぎさまちの旅客船ターミナル「津なぎさまち」と、愛知県常滑市の「中部国際空港」を結ぶ高速船の乗客数が増加傾向で、平成29年度は、過去10年で最多の28万8954人に上った。定期イベント開催など、なぎさまちのPR活動も奏功。一方、乗客の多くが三重県民で、さらなる誘客には、津市の魅力を観光資源として磨き上げ、同空港を利用する海外からの旅行者へPRすることが重要となる。

 

 

今年夏に高速船で来津したASEAN関係者の一行と、歓迎する市民ら

今年夏に高速船で来津したASEAN関係者の一行と、歓迎する市民ら

津市なぎさまちの旅客船ターミナル「津なぎさまち」と、愛知県常滑市の「中部国際空港(セントレア)」を結ぶ高速船の乗客数がここ数年増加傾向で、平成29年度は、過去10年で最多の28万8954人に上った。
この航路は、中部国際空港が開港した平成17年に就航。乗客用の無料駐車場があり、片道45分、料金は大人2470円で、車や鉄道に比べ早く・低料金で移動することが可能。また、津なぎさまち~津駅間を路線バスが運行している。
乗客数は17年度~19年度が開港特需で32万人台~43万人台と多く、20年度は約28万人、21年度~28年度は26万人台~27万人台で推移。そして29年度に過去10年で最多、開港以来4番目に多い数となった。
乗客増加の要因の一つは、28年に松阪市と中部国際空港間の航路が廃止されたことに伴い、津航路が一日13往復から15往復と増便し利便性が向上したこと。
また、津市や津航路を運航する「津エアポートライン㈱」などでつくる「津なぎさまちイメージアップ事業実行委員会」が28年10月から、各種体験や買い物などが楽しめるイベント「SEALINK」を定期開催。なぎさまちをPRしファンを地道に増やしてきた。
津エアポートライン㈱執行役員マーケティング部長の山田和昭さんは、多くの利用に厚く感謝。一方で今後の誘客には課題もあるとし「アンケートによると乗客の7割が三重県の方です。三重県のお客さんをさらに増やすには駐車場が少ないのが課題。また中部国際空港から乗って来るインバウンドの方が少なく、増やすには津の魅力のPR・商品化をして(観光客誘致において)名古屋に勝たないといけない。まだまだここでとどまってはいけない」と話した。
三重県内の乗客は将来、人口減少に伴い減る可能性が高いため、乗客数の維持・増加にはインバウンドが重要。そのため津市都市計画部交通政策課では積極的に観光資源の発掘・PRを行っているが、誘客を成功させるには、全市的なプロモーションも欠かせないだろう。
なお20日、大型客船にっぽん丸が津なぎさまちに寄港。15時~20時にターミナルやその周辺で「おもてなSEA(しー)LINK」が催される。