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猛暑も消え去り、一気に暦に季節が追い付いた気がする今日この頃。私はこの一か月間、天候に泣かされ続けてきた。歩くために予定を開けていた日をことごとく雨と台風に潰されてしまい、休載を余儀なくされたことも。今は〝反攻〟に備え、計画を練り直しているが、良い機会と前向きに捉え、これまでを少し振り返ろうと思う。
「女心と秋の空」とはよく言ったものである。刻一刻と移り変わり、いつの世も我々、男性を悩ませる女性の御心と、天候を正確に読んで計画を立てることは難しい。
気が付けば、初めて歩いた昨年の8月末から1年以上の月日が流れた。
この道は一体どこへ続いているのだろうという単純な興味から始まったこの企画。津市の終点から大阪市の起点をめざし、全長100㎞超の道程を一日で歩ける距離に分割。津市から伊賀市を経て、京都府木津川市まで4回歩いてきた。残す道程も少なくなった。
伊賀市までは馴染みのある道だったが、それでも自分の足で歩き、各地域の歴史に触れると様々な気づきがあった。まして、京都府に入ってからは未知の領域。出合うもの全てが新鮮に感じる一方、津市と笠置町や木津川市内の旧加茂町は同じ藤堂家の領地であるなど津にとって、この道が重要な存在であったかを知ることができた。自らの足で歩いたからこそ、どの場所も色濃く脳裏に焼き付いており、ゴールに向かって、どんな出会いがあるか楽しみだ。
また、読者の方から沢山のお便りを頂いており、温かい言葉は活力にもなっている。ある方は大阪から津市へと引っ越されたことから、何度も通り思い出深い国道163号の情景を喜んで頂いているそうで、道というものが多くの人に踏み固められ、存在しているものであることを改めて実感できた。本来ならば一人ひとりにお便りをお返ししたいところだが、この場を借りてお礼を申し上げる次第である。
後は、各回のサブタイトルの意味について聞かれることも多い。これは私が個人的に好きなミュージシャンの曲やアルバムから、タイトルや歌詞が各回の内容に沿うようなものを選んでいる。興味がわいた方は調べて頂けるとより楽しんで頂けるかもしれない。
今回は怪我の功名と言えるかもしれないが、このような形で紙幅を費やするのは不本意であることは否めない。
私は曇り空を見上げながらこの旅の原点である津市丸之内国道23号の岩田橋交差点の終点に立つ。連載を始めて以来、ここに来ると気が引き締まる。「次の機会こそは」という強い想いを胸に旅立ちの日に向け、準備を進めている。(本紙報道部長・麻生純矢)
2018年9月27日 AM 4:55
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