西井さん 三重県立稲葉特別支援学校=津市稲葉町=の主幹教諭・西井孝明さん(49、津市)が、「特別支援学校における支援体制の強靭化に向けた取り組み~特別支援教育コーディネーターを中心とした『チーム稲葉』の実践~」をテーマとした研究で第11回辰野千壽教育賞奨励賞を受賞した。
同教育賞は、上越教育大学=新潟県上越市=の初代学長である辰野氏の精神を受け継ぎ、優れた教育・研究の振興に寄与するため、同大創立30周年を記念して創設されたもの。今年度は8名が応募し、西井さんを含め3名が入賞した。
西井さんは昭和43年津市生まれ。子供の頃から教師を目指し、兵庫教育大学大学院学校教育研究科障害児教育専攻修了。
平成5年~16年、県立の養護学校(現特別支援学校)に勤務し三重大学病院小児科の院内教室での訪問教育も経験。入院中の子供達や付き添いの保護者と関わったことは自身にとって大きな経験で、カウンセリング・臨床心理・介護に関心を持ち学ぶ契機にもなった。 一方、平成19年に特殊教育が特別支援教育に転換し、24年にインクルーシブ教育システムが提唱された。27年からは、学校教育の課題の多様化に対応するため、教員とほかの専門スタッフや地域が連携する「チーム学校」の体制整備が求められている。
この様に障害を持つ子供の教育に関し新たな制度や概念が次々と導入される中、西井さんは17年から現在まで稲葉特別支援学校に勤務。これまでに小・中・高すべての学部の担当を経験した。
7年間特別支援部に所属し、そのうち4年間、障害のある児童生徒を支援するため校内外の関係者の連携の推進などを担う「特別支援教育コーディネーター」を務め、23年度から「コーディネーター通信」で保護者に特別支援に関する様々な情報を発信。24年度からは「いなばタイムス」として年間30号発行した。
また19年からほぼ毎年、教員などを対象に講座を開催。さらに市内の教育機関に出向き助言などを行ってきたほか、校内でも28年度から児童生徒を支援する会議の体制を一層充実させた。
こうして児童生徒の自立と社会参加を多面から支援してきた西井さんは受賞を喜び、「チーム稲葉として、子どもだけでなく、その家族を中心にして、関係機関の皆様と連携しながら子ども達を支えることの重要さを再認識しました。これまで支えて頂いた皆様に感謝申し上げます」。