日曜日の公園を通りかかったら、珍しくパパと女の子の姿が見えた。高齢化していく街で、公園に子どもの姿を見ることが少なくなっている。
女の子は二歳か三歳。ピンクの上着を着て、滑り台の階段の二段目に立っている。パパは数メートル離れたところにいて、スマホの画面に見入っていた。
「あれあれ、大丈夫かしらん」こういう時には、ジジババ目線になってしまう。二段目から落ちるぐらいならかすり傷だろうが、四段目からなら危ない。パパは分かっているだろうか。
このジジババ目線というヤツは厄介である。子どもを見慣れていないので、発達段階が分からない。子どもに何ができて何ができないかが分からないから、余計に心配になってしまうのだ。
「孫守りは疲れる。ガチガチに緊張して子どもの動きのすべてを見ているから、肩に力が入る」とは、よく聞く話である。
くだんのパパは娘が二段目以上には登らないと思っているのだろう。女の子は慎重な性格で、「パパ一緒に登って」と言うのだ。
でも、今とてももったいないことをしていると、パパは知っているだろうか。子どもがそんなにかわいい時期はすぐに過ぎてしまう。あっという間に大きくなってパパを頼りにすることも少なくなる。今のこの時をスマホなんぞに使うのは本当にもったいない。         (舞)