外国人訪日客向け観光     市内のゴルフ場生かし誘客を

後藤昭久相談役

後藤昭久相談役

鈴木直樹幹事

鈴木直樹幹事

伊藤宏一幹事

伊藤宏一幹事

草深靖志支部長

草深靖志支部長

松田貞司幹事

松田貞司幹事

前葉泰幸津市長

前葉泰幸津市長

鈴木 皆さん、明けましておめでとうございます。本日の放談会のテーマは「将来の津市のまちづくりを創造する」です。
昨年、津市は市町村合併後10年を迎え、都市マスタープランを見直し、また新たに立地適正化計画が策定され、今後10年の指針が示されました。今年は平成最後という節目の年であることから、本日出席の皆様には、津市の未来のまちづくりの想像を膨らませて、ご意見をざっくばらんにお話して頂いて、明るい未来のある話題で盛り上がって頂ければと思います。
早速ですが、津市の将来の舵取りを担って頂いている前葉市長より、まちづくりの取組みなどについてご意見等ありましたら、よろしくお願いします。
市長 明けましておめでとうございます。宅建業界の皆様には、日頃からまちづくり、あるいは地域の様々な問題解決に大変大きなご尽力を頂いておりますこと、心から御礼を申し上げます。
これまで狭あい道路の整備・拡幅に向けての制度の構築や、空き家情報バンクでお世話になっています。対策として、特定空き家の指定とか地籍調査の推進とか、非常にご関心の高い分野について、事業者の皆さんと、実際お困りの所有者の皆さんのご意見もお伺いしています。

 

なぎさまちの整備は   無料駐車場の不足が課題

鈴木 津が訪日客向けの取組みをして観光等で発展するにあたり、なぎさまちの整備などについてはどう思われますか。
草深 セントレアとなぎさまちを結ぶ高速船の人気が高過ぎて、無料駐車場が足りないという問題が起こっています。津以南にも、前はセントレアと松阪を結ぶ航路があったが、今は津止まりで、三重県南部の方も津航路を利用することが多い。
鈴木 前葉市長、その辺りについて市として取組みをされていると思うんですけども。
市長 そうですね。津に来られる外国人訪日客は2、3年前はベッド&ブレークファーストという形でシティホテルをお使いになっていた。バス1台バーンとつけて、夕方4時に来るか夜11時に来るか交通渋滞によるので分からないくらいの感じで、東京~関西を動いている外国人がどこかで宿泊し、それがたまたま津市というようなケースがかなりありました。
ところが、去年くらいから個人旅行にどんどん変わってきた。バスのお客様も中国・台湾の方から、ベトナム・インドネシア・タイの方に変わってきたと伺っています。ということは、訪日外国人の動きはかなり短い周期で変わるんですよね。
そんなわけで、色んな泊まり方・滞在の仕方を提供していくというのは当然考えなければいけないことで、ゴルフのお話が出ましたが、津市には、外国人をかなり多く受け入れるスタイルのゴルフ場がいくつかありますので、そういうゴルフ場が益々活発にお客様をお迎えになるのは良いことだなと思っています。
また、あの航路が津に一本化されたのはなぎさまちのインフラが評価されたということだと思いますので、このインフラを生かした交通ネットワークへの津市の関わりを維持し、継続し、そして場合によっては強めていくことが考えられます。
駐車場は、有料にしたらどうかというご意見もありますが、開港当初、ここに車を置き船で空港にチェックインするスタイルが便利、かつお客様のニーズに合うだろうということで無料駐車場をかなり広くとったという経緯がありますので、私としてはこの経緯を大切にしながら、かつ、船自体は満船はごくごく稀にありますが、それより駐車場の方がご不便をおかけしているという状況も聞いていますので、これをどういう風に整備するか。
津市はあの航路のその部分を支援していて、ターミナルを指定管理で管理していて、この2つが津市の支援です。運航そのものには支援はないわけです。ですから、津市はいわゆる環境整備をしていて、その一つとして駐車場をもっと充実させるべきというご意見を踏まえ、今後取組みをしていかなあかんなと思っています。

 

工専の道路が農道で  建基法上も宅地建設できず

後藤 当協会の歴代の幹事が色々な要望をして、津市と宅建協会がコラボし美杉の空き家情報バンクを立ち上げさせて頂いた歴史もあります。
狭あい道路についても歴代の市長に何べんも要望させて頂き、今の前葉市長のおかげで実現し、嬉しく思っております。また、地籍調査についても津がやっと目覚めた。市長のおかげで、今、全国トップクラスになるくらい進んでいます。
今回のテーマについてですが、昭和45年から、津や久居も含め市街化区域と調整区域に線引きされました。色々な用途地域のうち、工業地域のサイエンスシティでは市の大事業として工業地帯が造られ、数多くの誘致をし、前葉市長の時代になり急増し完売に近い数字になったということで喜ばしいことです。
ただ、気になっているのが、昭和45年に用途指定されている工業専用地域です。津市河芸町の鈴鹿市との境近く、国道23号の西側のオンキョーさんがあるあたりは、ほとんど田んぼなんですが、そこに走っている道路が農道ということで、建築基準法上も、家が建てられないんです。
また23号から幅6mの広い道を作らないとこの土地には工場が建たないという状況ですので、地主さんには宅地並みの評価に基づく課税標準額で固定資産税や都市計画税の負担がかなりあり、さらに地主が亡くなると相続税がかかり悲鳴を上げているところなんです。
土地の所有者が我々に売りたいと相談してもらっても、家を建てられない土地は誰も買わないので商売にならない。
やっぱり市街化区域にした以上は、この道を農道ではなく、みなし道路にして頂きたい。そして中心から2mセットバックしたところに工場が建つように、都市計画と建築基準法の仕組みはセットにして頂きたいというのが、宅建協会の会員としての私の要望です。  市長 私は30年前、社会人になって初めて群馬県庁に勤務したとき企業誘致担当になって。あの頃は、工場適地という言葉で、工業団地がレディメイドで造られたところはそれをお求めになる企業さんも沢山みえたんですけども、この辺りは、工場が進出してくるなら農地を工業用地に転換していきましょうねぐらいの感じで、ざくっと工業適地という工場立地法上の位置付けをしたり、場合によっては用途地域で、隣の土地まで工場を誘導しましようかと工専とか工場地域に指定をしたりというようなことがいっぱいありました。
その状態がずっと続いている、あるいは若干考え方を変えたとしても、少なくとも市町村合併以降はこのままになっているというのが現実なんですね。ただ、そのまま放置して良いかというと多分、考え方がこれから変わってくると思います。
なぜなら、先ほどお話して頂いたように、中勢北部サイエンスシティが完売に近い状態まで来ましたと。じゃあ今度、津市はどういうところに工場を誘致、誘導するのかということについて次なる一手をぼちぼち打たなければいけない。
その際に、今おっしゃったケースは旧河芸町ですが、例えば、河芸町時代にどういう考え方であった、その後、土地利用やニーズがどうなっているかを一回きちっと整理して、場合によっては用途地域を見直していこうということになってくるんじゃないかと思っています。

新都心軸の発展は?    中長期の取組みで目指す

 

松田 平成20年度にできた前回のマスタープランでは、津インターから津市の中心市街地・大門地域を通りなぎさまちに至るルートを順次、社会情勢も見ながら発展させていくとうたっていましたが、10年経ち新しいマスタープランができて、その辺が津インター周辺については全く進んでいません。市の人口も減少傾向で、新たにコンパクトシティという考え方が導入されていますが、市長が、あのルートを今後どのように発展させていこうとお考えになっているのか聞かせて頂ければと思います。
市長 平成最後の平成31年の今年を、この新都心軸が新たな展開をするスタートの年にしたいと思いましたので、津シティマラソンのコースがあそこになりました……ここは笑うとこなんですけど(笑い)。
一同 コース自体を知りませんでした(笑い)。
市長 サオリーナから出て津港乙部線を走ってきて、本当は23号をまたいで行くくらいの距離もとれるんですが、交通関係の事情もあるので、23号の手前で曲がりお城の方を通り戻ってくるコースにしました。
あの軸は、津市のとっても大切な東西軸であることは間違いないので、これからも大切にしていきたい。その際、ポイントとなるのはインター周辺、中心市街地、なぎさまちの3つです。
インター周辺は新都心軸とは別の理由で中々話が進みません。別の理由は松田さんも触れられましたが、人口減少社会の下で市街化区域を拡張できないという議論です。

そして行政側のそれがなぜ施策としてなかなか上手く軌道に乗って来なかったかというそれなりの理由があるので、それを担当部局から十分聴きながら、この3つの制度についてはようやく津市も三重県内でもかなり進んでいるところまで築き上げてくることができたのかなと思っています。

その上で、さらに今後の大きなまちづくりということになりますと、一つひとつの法規制とか制度の制約がございます。 それをどう知恵を絞り制度の中でうまく調和させていくかが大きな課題かと思いますので、本日も皆様から、こういうことができたらな、あるいはああいうことで困っているんだけどなというお話を伺いながら、私も思うことを申し上げて参りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
草深 市長におかれましては日々市政にご尽力頂き、一市民としてありがたく思っています。
日本どこでも人口減などで苦しんでいますが、外国人訪日客が2017年は2869万人。政府は2020年には4000万人を取り込むことを目指しています。
2017年は訪日客のうち地方に宿泊する人の割合が約40%ありました。また積水ハウスとアメリカのホテルチェーンのマリオットが全国の道の駅周辺の約50カ所に低層ホテルを建設する計画が持ち上がっていて、県内でも大台町と御浜町の2ケ所に外国人観光客向けホテルを誘致すると。地方活性化という意味でも、こういう取組みは非常に大事だと思います。
津市は、セントレアから船で45分と割に便利なところにあり、都会に比べるとまだまだ物価も安いし、宿泊費も安価ということで、ぜひ来て頂きたい場所ですが、何のために来て頂くかという問題があります。
この問題に関し、津は実はゴルフ場が非常に多い。私や鈴木さん、松田さんはゴルフをするんですが平日はプレイヤーが非常に少ないし、これから高齢化が進むとゴルフ人口も減っていきます。特に中国や韓国は冬は非常に寒いので、そういう国の方に、もっともっと市内のゴルフ場を利用して頂く方法がないかなと常日頃考えています。榊原温泉という名湯も生かした取組みができれば。

優良農地であり農振農用地であり、農業振興区域であるあの地域を、都市計画だけで突破することは都市計画側もさせてくれないし、農政はそこは変わっていないので、中々難しいという状況の下で、制度上の制約で我々も非常に苦しんでいるというのが実情です。
しかし、インター周辺は、公共開発でサオリーナのような土地利用が可能です。それから、ひとかたまりの優良農地の中で、ど真ん中じゃない端の部分から順番に、農地から非農地へ転換できないかということで、一つひとつのプロジェクトで進めてきております。   また、後を耕作する人がいらっしゃるのかどうかという地主さん側の事情もあり、売りたいということも将来的に十分考えられます。
そのため、インター周辺が昨日と今日でドラスティックに変わったよということにはなりませんが、中長期的に見て頂ければ、確実に変わってきているな、まちづくりが少しずつ西の方にシフトしているなということになるんじゃないかと思っております。

将来の津の土地利用   イオンの開発は新たなスタイル

鈴木 新都心軸に限らずコンパクトシティも当然やっていかなきゃいけないとは思うんですが、10年後の推計人口で中心市街地の方が人口減少率が高く、郊外はそこまで変わらないことを考えると、郊外にもまだまだポテンシャルの高い土地があると思うので、それらも踏まえ、今みたいに長期的に考えて頂ければ。
市長 そういう新しいまちをどうつくるかがこれからの大きな課題になってくるかと思いますので、その辺りは住宅開発の観点と、もっと言えば大きな施設の希望だとかを踏まえながら考えていくんだろうなと。
ただですね、これ言っても良い……放談ですから良いんですよね。去年11月にオープンしたイオンモール津南さんの開発ですが、好き好んでサンバレーさんの跡でああいう形の土地利用をなさったのか、それともやむを得ずなさったのかというのは、事業者さん側は色々と考えがあったと思います。しかし、ああいう形のものができるというのは、成熟都市である津市の新しいスタイルができたんじゃないかと。
津市は道路の付け替えをやったんですよね。その結果、一団の土地にしてあの巨館が建ちました。今までみたいに郊外でバンバン山林を切り開き、農地を転換して新しいまちをつくるのも一つなんですが、それが中々難しい中では、あのイオンモール津南スタイルは、新しいスタイルになってくるのかなという感じはしています。
鈴木 長い年月をかけて、津全体を含め都市計画、マスタープランをつくるのも一つかなと。
市長 都市マスのときも旧津市・久居・河芸・芸濃だけで良いのかという議論がありました。もし、都市マスなり、都市計画なり、用途地域なりをどんどん色を塗ると開発や土地利用転換がどんどん進むのであれば、新たに線引きをしようという判断は十分あったと思うんですが、残念ながら今の制度の下ではむしろ制約の方が沢山増えてしまうのではと心配するお声もあり、皆さんの議論も、線引きをどんどん広げていこうとならなかったと聞いています。
で、そこはやっぱり、鈴木さんも私も生まれてきたのが30年くらい遅かったと。規制がもうちょっと違う形で行われていた時代なら、どんどん絵が描けただろうなと。

宅建参加者表

沿岸の不動産が不調    個人は防災考え取引を

伊藤 僕が津市のまちづくりを考えて最初に思いついたのが、安心して安全に住めるまちです。
どこの市町村でも一緒だと思いますが、沿岸部の不動産は今、とても動きが悪い。津波のことを考えると仕方ないのかなと思うんですが、海の近くでも、ものすごい可能性を秘めとる不動産がいっぱいあります。
それが、ただ怖いというだけで活用されきってないのはものすごくもったいないので、津波や地震のリスクはこれくらいで、こういう対処をしていますよというのが事細かく市民の耳に入ると、リスクがある中で最大限に不動産を活用できるようになるかと。
それから、団地で、ある程度の高低差と傾斜のある崖の部分は崖条例の対象で、これは崖の上や下の住民が安心して住めるよう強度を担保する条例ですが、あるケースで、問題があるかなという崖を開発した不動産屋さんに見てもらったんですよ。
その不動産屋が言うには、崖条例をクリアしたんだから亀裂が入ろうが地盤沈下が起ころうが問題ないですと。行政に何とかならんかと言っても、所有者と開発した業者で話し合ってくださいと言われます。結局、住民を守るための崖条例が、開発業者を守るための崖条例になっちゃってるんです。
40年近くの不動産業経験がある僕でも開発業者からバサッと切られると困るし、不動産の経験のない素人の方だとすごく困ると思う。なので団地の開発の許可を出す行政が、もう少し親切に相談に乗って頂けたら。

市長 沿岸部の土地利用ですが、ハザードマップで、理論上最大と言われていて、今まで見たことのないようなエリアにバーッと色が着いているゆえに、色のない所に新しい住宅を建てようという動きになっているかと思います。
そこは、当然、我々としては十分な海岸堤防を備え、しかも今、新しく造り直していてより安心ですというような防災のPRを今後もしっかりしていかなあかんと思っています。
ただ、PRしたところで、個人の住宅取得や土地利用の選択をどこまで誘導できるかというと、中々難しい面もあります。難しい面もありますが、我々としては決してここから皆いなくなるような形でのまちづくりではなくて、できる限り、少しずつ用途の在り方とかをシフトさせながら、しかしながら歴史のあるまち、産業活動が行われているパーツが、できる限り安心して経済活動を行い、住めるまちにしていかなあかんなと思っております。
ですので、沿岸部の不動産の動きが悪いという話は東日本大震災以降ずっと聞いておりますし、南海トラフに備えなきゃいけない地域なのでお気持ちはよくわかるんですが、一方で、客観的な災害対応を自ら見極めて、不動産取引の中でご判断頂ければと思います。
それから、崖条例は安全上適当な措置をしなさいというもので、それがなされているから崖条例OKでしょというお答えをなさる方がいるというのはよくわかります。
ただ、それはその時点で安全上適当な措置ということで、その後、絶対何も起こらないというわけではありません。崖条例をクリアした時点で未来に起こることは責任を持ちようがないですよね、というお答えになってしまいます。
しかし、そういう論議よりも大切なのは、擁壁等が異常な状態にどう対処するかだと思いますので、責任論などはそれはそれで引き続きお話させて頂きますが、まずは、地主さんや土地利用なさっている方と一緒に対処を考えさせて頂くことが必要なのかなと感じました。

 

特定空き家対策進む    市の改善件数が県下1位に

後藤 一昨年、津市空き家情報バンクの対象範囲が美杉町から津市全域に拡大しましたが、現状はどうですか?
鈴木 今、空き家対策が津市に限らず全県で動いてきたような状態で、各市町で相談会を随時やってます。南へ行けば行くほど活発です。結果が上がる上がらないは、今からもう少しだけ……。システムづくりを進めていくと思います。
草深 協会が窓口で、津の案件は大体私に情報がきます。やっぱり一番多いのが、相続が放ってあるケースです。相続でもめていなくても、忙しいとかで登記を中々しないケースもあります。
市長 昨年10月9日に発表した特定空き家等の指定件数が208件で、そのうち改善数が79件で県下1位でした。特定空き家に指定されると地べたの固定資産税が6倍になるので、かなり動きますね。
空き家バンクも美杉以外のところでぼちぼち成約が出てきてますので、それなりのスタ―トはしているのかなと思いますが、まだまだ途上ですのでこれからもしっかりと頑張りたいと思います。
鈴木 今年も津市の発展ならびに皆様のご活躍を期待致しまして、終了とさせて頂きます。本日はありがとうございました。