津駅近くを通りかかった時に、道路わきの海抜表示に気が付いた。一メートル数十センチ。これは低いか低くないのか。
三月が近づくと、あの津波の映像を思い出す。今ここで地震が起きたら、車をどこに停めて、どこに逃げるべきかと、私は周囲を見回した。
ところで、海抜とは何だろう。海面からの高さを示すものだろうが、海面は一日のうちに上下する。季節や月の満ち欠けによってその変動も大きくなるし、低気圧によって引き上げられることもある。
調べてみたら、海抜は東京湾の平均海面を基準としていた。伊勢湾の海面とは少し異なるらしいが、大きな違いはなさそうである。
つまり、海抜の基準は平均の値。海面はそれより高くなったり、低くなったりを毎日繰り返している。満月の日には平均海面より一メートル以上も高くなったりする。その時海抜一メートルの地は、海面より低くなる。
特に海面が高い時に、台風が来たら津波が来たらと考える。三重県に大きな被害を与えたという伊勢湾台風はそんなタイミングだったろうか。
いつも、災害は私を避けていくとのんきに構えているが、この時期だけは別。津市の防災マップを見ると、海抜二メートル以下の薄緑色が、沿岸の広い地域に塗られている。真剣に防災について考え、備えるべきだと思うのである。 (舞)