2019年2月

今年4月1日より始まる『森林経営管理制度』によって森林行政が大きな転換期を迎える。今まで国や都道府県が主となって様々な施策を行ってきたが、この法律によって森林所有者による適切な森林管理とそれを促す森林所在地の市町村の森林管理の責務がより明確化されることとなる。市域の約60%が森林を占める津市でも意欲的な取組みであるべき森林の形を描いていくことが期待される。

 

 

森林経営管理法に基づく、森林経営管理制度のねらいは大きく2つ。1つ目は林業の成長産業化。戦後や高度経済成長期に植栽された人工林のスギやヒノキが木材として利用可能な時期を迎えようとしており、木材自給率向上の中、「伐って、使って、植える」というサイクルの健全化をめざす。
そして、もう一つは、森林資源の適正管理。森林は防災面や環境など、いわゆる多面的な機能で大きな役割を果たしているが、林業の低迷によって資産価値を失った森林は所有者が管理せずに荒廃。日本の森林は小規模かつ分散的で、相続によって登記が行われず、所有者や境界が不明のケースも少なくない。
これまでは森林所有者が自ら管理するか、林業者や森林組合などに委託して経営管理を行ってきたが、前述の通り、それだけでは立ち行かなくなっている実情を打開するために始まるのが同制度だ。
森林に関する施策は、林野庁や都道府県が主体で行ってきたが、森林経営管理制度は、市町村主体で取り組むのが特徴。具体的には森林所有者に対して、適切な経営管理ができるかどうかの意向を森林所有者に確認をとる。その上で、これまで適切に管理を行われている森林に関しては経営管理を再委託する。所有者ができないと判断したものに関しては市町村に経営管理を委託する。その中でも林業経営に適する森林は市町村が集積・集約化を行い、都道府県が認定する林業経営者へ貸し出せる。所有者不明な森林が集約の妨げになっていても然るべき手段をとれば、市町村が管理できるようになるというルールもある。京都市では、全国に先駆けて、この制度を活用した林業バンクの開始を決定している。
残る林業経営に適さない森林については、所有者が経営管理できない場合、市町村が委託を受け管理を行っていくこととなる。森林全体の面積で考えれば、こちらの方が大きく、防災機能、水源涵養、景観形成、地球温暖化防止など森林の多面的な機能を守る。
津市でも市域の約60%の4万2000haを森林が占めており、この制度にどう向き合うかは非常に大きな課題となる。4月以降に、まず森林所有者に対して意向確認を行い、それに基づき、所有者や境界の確認などを行い森林の現状を正確に把握。今後の森林施策を具体的に展開する上で重要となる第一歩を踏み出していく。
国も財源には、住民税に上乗せする森林環境譲与税(仮称)を充てる方針で、地域の森林の在り方を市町村が描いていくこととなる大きな転換期を迎える。所有者も森林が私有財産でありながら公共にも資する存在であるという本質を再認識し改めてどう関わっていくべきか考える局面がきたといえる。

津城復元資金造成の為のチャリティイベント『津城復元和太鼓&高虎落語』が3月17日(日曜)13時から津リージョンプラザお城ホールで開かれる。主催=津城復元の会、後援=津市、一般社団法人津市観光協会、津観光ガイドネット。
復元の会が主催する年1回のお城ホールイベント。毎年様々な団体が協賛出演、好評を博し毎回50万円以上の寄附を行っている。因みにお城復元の原資となる津市のふるさと納税「ふるさと津かがやき寄附」の使途項目「津城跡の整備」への寄附は12月末で延べ1万8660人から2878万に達し、3000万円が見えてきている。
今回の協賛出演は、お馴染み津高虎太鼓の指導者達で編成したトップチームと同太鼓の女性チーム「華乃津会」。そして津市を拠点に県内外で落語や講演活動をしている社会人落語家・切磋亭琢磨(67、本名・石崎豊)が初登場する。
津高虎太鼓の両チームは津まつりを始め様々なイベント・行事に出演しているのは周知の事実だが、ステージ芸術としての演奏を聴く機会は少ない。本格ライブとして趣向を凝らし、普段とは一
味も二味も違った演奏が楽しめる。
切磋亭琢磨は津市生まれ。静岡大学教育学部在籍時代から落語を始め、卒業後、三重県下の教員となり、2006年、津市立大里小学校勤務を最後に早期退職。教員期間中も落語活動を続け腕を磨いてきたが、2008年からプロから指導を受ける繁昌亭入門講座を受講し、3年間で初級編・中級編・上級編を修了、
桂三枝師匠より天満家宝作の芸名を貰っている。
現在、社会人落語家、落語を織りまぜた講演会講師として活躍している。
今回は復元の会々長で劇作家として長年活動している西田久光の書き下ろし落語台本を軸にした『高虎さ~ん ふなずし篇』を初演する。
チケットは、全自由席
(前売り千円・当日千五百円)、津駅前観光案内所(アスト津1階)、三重額縁(中央)、近藤楽器(大門)、本紙(東丸之内)などで好評前売り中。問い合わせは西田まで(携帯090・3933・6061)。

特設舞台から福豆をまく年男・年女や津クイーンら(津観音境内にて)

特設舞台から福豆をまく年男・年女や津クイーンら(津観音境内にて)

3日、津市大門の津観音こと恵日山観音寺で恒例の『鬼押さえ節分会』があり3回にわたって福豆まきが行われた。
これは江戸時代、多くの旅人たちで賑わう伊勢参宮街道の春の風物詩として知られた奇祭。
かつては、侍役の厄男が鬼役を真剣で斬りつけ邪を払うという激しい内容だったため、毎回死傷者が絶えず明治時代に中止へ。
このような状況から長らく途絶えていたのを地域の活性化などを目的に平成9年に復活させたもの。
今年は、穏やかな晴天に恵まれたのと、日曜日ということもあり、本堂横の特設舞台前は、家族連れなど『福』を求める人々でいっぱいになった。
そこに津商工会議所青年部と津青年会議所の会員が扮する侍と鬼、津クイーンが登場。鬼にさらわれた津クイーンを侍が助けるコミカルな寸劇で、かつての祭の姿を再現し、観客を沸かせた。
その後、裃姿の前葉泰幸市長・津クイーン・厄年の人らが、ステージから「鬼は外!福は内!」のかけ声に合わせて、勢い良く福豆まきを開始。集まった人々は、厄よけや幸運を願いながら、懸命に手を伸ばして宙を飛び交う『福』をつかみ取り、喜んでいた。
また当日は、境内や大門商店街に屋台が並び、買い物客で賑わった。

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