冬枯れの茶色い草の中に、緑の若草が見えるようになってきた。もう少し前まで、緑色は彼岸花の葉っぱだけだったのに、今はハコベやカラスノエンドウが茎を伸ばし、ホトケノザやイヌノフグリは、早々と小さな花を付けていたりする。春が来た。
田んぼの間の道を歩いていたら、ヨモギがびっしりと生えていた。折り取れば、柔らかくて香り高い。通り過ぎるのがもったいなくなった。実をいうとヨモギ餅が大好きなのだ。
こんなヨモギなら摘んで帰ろうかと思った。広がっている葉っぱの裏は白っぽくて毛が生えている。だからヨモギで間違いない。似たような形の草はあるけれど、葉の裏と香りが、見分けるポイントだ。
手持ちのポリ袋に、ヨモギを摘んでは入れ、摘んでは入れして袋が膨らんでいくのが楽しい。収穫の喜びが感じられる。重曹でアクを抜いて、冷凍しよう。
子どもの頃には自家製のヨモギ餅を食べたこともあったが、この頃はいつも市販品。美味しい草餅が容易に手に入るようになった。それでも一度は自分の手で草餅を作ってみたい。
もち米を買ってきて、餅つき機を出して……と、考える。小さなことだけれど、計画する過程が楽しい。時間がたくさんある今だから、手作りの楽しみを見つけていきたい。 (舞)

2月28日、三重県総合文化センターで、三重県内では珍しい人AIを学ぶためのセミナー『AI(人工知能)やディープラーニングの活用法は』が開かれた。主催=NPO法人・三重県生涯スポーツ協会。共催=㈱エスト、三幸㈱。後援=津市教育委員会。参加者約30名は、めまぐるしく変化する産業構造の中核を担っていく存在となり得るAIの実態と、どのように向き合っていくべきかを学んだ。

 

谷一徳さん

谷一徳さん

坂井治美さん

坂井治美さん

竹田昌平さん

竹田昌平さん

基調講演は、AI人材育成やプログラミング教育事業などに取り組む「サイバーブレイン㈱」=東京都新宿区=の代表取締役の谷一徳さん。演題は「AIビジネス活用」。要旨は以下。
映画に出てくるような自分で物事を考えられる「強いAI」はまだ開発されておらず、自動運転や囲碁などに使われている既に存在しているものは全て「弱いAI」。
AIの主な手法である「機械学習」は、大量のデータを基に、迷惑メールと通常メールの仕分けなどを行う「分類」や、株価や売り上げの予測などを行える「回帰」が可能。これを行うには、例えば犬の画像を識別するために、人間が、犬には耳や尻尾があるなどの特徴量をAIに指示する必要がある。一方、「ディープラーニング(深層学習)」は、機械学習の一種で入力した大量のデータを解析しながら、AI自らが特徴量を見つけられる。人間が認知できるレベルの規則性や関連性などに縛られないので、データを増やすほどに、より精密な働きが可能。
現在のAI技術でできることは、先述の分類、回帰に加え、データベースから自動で画像や映像などをつくりあげる生成の3つ。その他にも、買物履歴などから商品をすすめるレコメンド、製造業などの異常検知や自動化なども可能。逆に人間のように物事の意味自体を理解出来ないので、記述式の正誤判定などは難しく、機械の自動操作、胃がん検出やコンクリートのひび割れ検出などに活用されている。
AIをビジネス活用するには、AIを構成するプログラムなどの技術や知識、AIの学習に必要なデータと、ビジネスの課題解決にAI技術が最適なのかを判断するスキルや、AI技術で解決できなかったり、足りない要素を補う知識が必須になる。
真っ先にAIの活用を考えるのではなく、解決したい課題に対してAIが必要かどうかを考え、使わなくても良いプロジェクトも進めることが重要。AIを失敗させる誤解はディープラーニングで何でもできると思い込んだり、データが揃っていないのにAI技術を活用しようとしたり、目先の新しい技術に飛びついて課題を見失うこと。
いきなり独自のAIモデルを使うのではなく、グーグルなど各社が提供するサービスを使うと低コストで上手くいくこともある。特に経営者はAIの基礎知識を学ぶことが重要。その上で、データを扱う専門家のデータサイエンティストや、技術者と共にビジネスの課題解決にAIが必要なのか考える必要がある。
2部は谷さんに加えスポーツを通じた地域振興に取り組む「三重県生涯スポーツ協会」=津市寿町=理事長の竹田昌平さんと、デザインとブランディングを手掛ける「㈱エスト」の専務取締役・坂井治美さんを交えたスポーツとデザイン分野でのAI活用を考えるパネルディスカッション。
竹田さんは「する、みる、ささえる」という現代スポーツの観点から、運動メニューの提供や機械学習でのフォーム指導、名監督の思考再現や審判の精度向上などでAI活用の可能性を確認。
坂井さんは、純粋な芸術としてのアートと、顧客の課題解決に繋げるデザインの境目を定義し、デザインをする上で重要となるマーケティングやデザイナー育成に活用できないかを探った。
谷さんは「AIに既存の仕事が置き換わるには、早くても10年くらいかかる。しばらくはAIと人間は共存しながら、お互いの強みを生かした仕事に取り組むことになる」と現状を語った。

茶道体験で園児(左)に作法を教える学生

茶道体験で園児(左)に作法を教える学生

2月26日、津市大谷町の学校法人大川学園で、大川幼稚園年長児53名を対象に、三重調理専門学校教諭と、「食育インストラクター」の資格取得を目指す同校2年生22名の指導による恒例の食育教室が開かれた。園児に幼いうちから日本の文化や食に興味を持ってもらうことなどが目的。
園児は学生に教わりながら「2色きんとん」作りに挑戦。白餡と紫イモの餡をくっつけて丸めて完成させた。その後、2色きんとんを使い茶道を体験。真剣な表情で正座し、挨拶や作法を実践した。また寺西菖さん(20)ら学生による紙芝居で楽しく食を学んだ。
寺西さんは、「子供たちに伝わるかどうか心配だったので、聞こえるようにゆっくりと読みました」と話した。

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