お孫さんの誕生を心待ちにしているおじいちゃん、おばあちゃんを対象とした「助産婦による孫育て講座」が3月24日㈰13時半~16時、三重県総合文化センター生涯学習センター2階小研修室で開かれる。主催=(一社)三重県助産師会津分会。
出産後に罹った「産後うつ」が原因で自殺する母親が出るなど、妊産婦をめぐる環境の厳しさが社会問題化。適切なフォローやサポートの重要性が高まっている。
実際、妊娠中や子育て中の母親にアドバイスしようとする時、自分の体験を通して娘さんやお嫁さんに教えようとしても、「昔はこうしたものだが、今の時代に合っているだろうか?」と迷う人も多い。
そこで、同講座は出産のプロである助産師さんから正しい子育ての知識を身につけてもらい、楽しく孫育てしてもらおうと企画したもの。
内容は、
第1部=助産師によるおはなし。
①妊娠・出産・産後のサポート
②赤ちゃんの素晴らしい力
③母乳、離乳食に関する正しい知識とサポート ④望ましい生活リズムへのサポート
⑤発達に応じた遊び・おもちゃ・絵本の選定
⑥祖父母と赤ちゃんとの触れ合い、こころ育て
第2部=グループディスカッション…お孫さんを迎えるにあたって、心配なこと、聞きたいことを参加者とおしゃべりしながら共有する。
「おじいちゃんおばあちゃんを応援します。お気軽に参加して下さい」と話している。
参加費は一人500円。申し込みは県助産師会津分会☎090・4267・1639担当の杉山さん。メールsugiyama@suzuka-u.ac.jpでも受け付ける。

「イノシシ肉と大豆のキーマカレー」と美里在来大豆をPRする組合員ら

「イノシシ肉と大豆のキーマカレー」と美里在来大豆をPRする組合員ら

「イノシシ肉と大豆のキーマカレー」の盛付例

「イノシシ肉と大豆のキーマカレー」の盛付例

津市美里町足坂地区で「足坂農家組合」=統括責任者・川口幸治さん=が栽培している「美里在来大豆」と、町名の読みが同じ島根県邑智郡美郷町の特産品「おおち山くじら(イノシシ肉)」がコラボし、新商品「イノシシ肉と大豆のキーマカレー」が誕生した。缶詰で1缶税込540円。津市内4カ所(朝津味、道の駅津かわげ、みどりの交差点、フラワービレッジ)で、来月始めまでに販売開始される。
このコラボは、両町の住民や行政職員が、共通の課題である獣害対策を通じて昨年から交流を始めたのがきっかけ。
美郷町では、地元で駆除のため捕獲された猪を回収・処理し、肉や皮を地域資源として生かすステムが確立している。
一方、美里在来大豆は粒が大きく甘い。同組合が復活栽培して例年5~6tを生産し、みそなどの加工業者への販売や、新たな商品開発に取り組んでいる。今回のカレーはおおち山くじらの既存商品と同じ工場で製造されるため、同組合にとって低コストで美里在来を広くPRする好機。
同組合の川口裕子さん(72)らは「細かくきざんだ美里在来大豆が入っています。スパイスがきいていて、大人向けのカレー。パンに挟んで食べても美味しいと思う」。
カレーに関する問い合わせは㈱クイージ☎0855・75・0887。

7つの国道の起点と終点を示す「大阪市道路元標」

7つの国道の起点と終点を示す「大阪市道路元標」

国道163号の起点(梅田新道交差点)

国道163号の起点(梅田新道交差点)

時刻は14時過ぎ。天に向かって競い合うように伸びる高層ビルの群れ。絶えることのない人と車の波。私は大阪市北区の梅田新道交差点に立っている。足かけ1年半、全6回120㎞の行程で、国道163号の終点から起点をめざす旅の終着点にたどり着いたのだ。
名だたる企業のオフィスがひきしめきあうここは、大阪市の中枢。そして、東京と大阪を結ぶ国道1号の終点であり、それに合流する163号の起点でもある。更に大阪市と北九州市を結ぶ2号の起点で、区間重複を含めた計7つの国道の起点と終点がここに結集。梅田新道は、大阪市を南北に縦断する大動脈・御堂筋の一部でもある。
この交差点には、先述した7つの国道の始点や終点であることを示すモニュメント「大阪市道路元標」が建っている。街並みが一望できる大きな歩道橋の上から、辺りを見回すがすぐには見つからない。
書籍やインターネットで、モニュメントが金色の円錐形であることは知っていたので、目を凝らしながら何度も探す。すると、交差点の北西にそれらしきものを発見。急いで歩道橋からおり、息を切らしながら駆け寄ると確かに目的の元標だった。それは思っていたよりもずっと小さい。多くの人が近くを通るが誰も足を止めようとはしない。多分、これが何であるのかすら全く意識していない人も多いからだ。
モニュメントに目をやると各国道の起点と終点の地名が刻まれている。作製時期のせいだが、国道163号の終点は上野市と書かれている。いつかは、津市と書き直してほしいところである。
陳腐な表現だが、ここまでの出来事が走馬灯のように蘇り、言葉にはできない達成感で私の心は満たされている。しばしモニュメントを凝視しながら立ち尽くしている。その姿が少し滑稽だったのか、ビジネスマン風の外国人が私を見て微笑を浮かべている。
それを見て我に返った私は、帰りの電車に乗るために、最寄りのJR大阪駅をめざす。「この道はどこへ続いているのだろう」というふとした疑問から始まったこの旅。岩田橋北交差点の終点から起点へ遡ると、こんな大都会に至るなんて、ほとんどの津市民は想像すらしていないだろう。
連載が続くに従い、読者から沢山のお電話、お声がけ、お便りを何度も頂いた。ここで改めて感謝を申し上げたい。その温かい言葉には、何度も励まされただけでなく、想像以上に多くの方が国道163号に深い愛着を持っており、道というものは人々の無数の意思が踏み固められたものであることを確信出来た。旅を通じてますますこの道のことが好きになったことは言うまでもない。
ここから、ゆっくりと大阪の夜を楽しみたいところだが、夜に予定があるため、後ろ髪をひかれる思いで大阪駅から電車に乗り込む。走行距離に比例し、車窓に映る建物から、高さや密度が消えていく。1時間も走ればすっかり日常へと引き戻されてしまう。
そんな感傷にひたるのも束の間。駅のホームで乗り換えの電車を待ちながら「さて、次はどこをめざすかな」などと悪だくみを始めている。私の旅はまだまだ終わらないようだ。─了─(本紙報道部長・麻生純矢)

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