2019年3月

梅園で…各寺社の代表者たち

梅園で…各寺社の代表者たち

1日、津市藤方の結城神社で、津市内の5寺2社で構成する宗教・宗派の垣根を越えた霊場めぐり『伊勢の津七福神』の代表者らによる「観梅祈願祭」が行われた。
伊勢の津七福神には福禄寿霊場の同神社の他、大黒天霊場・四天王寺=栄町=、毘沙門天霊場・津観音=大門=、寿老神霊場・高山神社=丸之内=、恵比須天霊場・初馬寺=栄町=、弁才天霊場・円光寺=河芸町上野=、布袋尊霊場・安楽寺=一志町波瀬=が名を連ねているる。祈願祭は、東海地方でも屈指のしだれ梅の名所である同神社の梅園が見頃を迎える時期に合わせて実施。
多くの市民や観光客が見守る中で行われた祈願祭には、一般からも30名が参加。拝殿で各寺社の代表者らが集まり、神仏習合の伊勢の津七福神ならではのスタイルで儀式を執り行い、家内安全や無病息災など多くの人々の幸せを祈願した。
その後、代表者たちは満開のしだれ梅が咲き乱れる梅園を練り歩いた。大勢の見物客たちも、きらびやかな衣装を身にまとった代表者たちと写真撮影などを楽しんだ。

あけあい会で活躍する介護士の松本さん(左)、瀬良垣さん

あけあい会で活躍する介護士の松本さん(左)、瀬良垣さん

社会福祉法人あけあい会の介護士で、それぞれ「特別養護老人ホーム  きずな」「介護老人保健施設 つつじの里」=津市白山町二本木=で働く松本知也さん(22)と瀬良垣優美さん(23)は、県内の介護士などが対象の「みえ介護技術コンテスト」の優勝者経験者。松本さんは昨年優勝し、瀬良垣さんは一昨年優勝、昨年準優勝した。
2人は各施設でも、気負いなく丁寧な声かけを行うなどして利用者との信頼関係を築き、やりがいを持ち働いている。
松本さんは同市久居出身。高校生のときボランティアで高齢者施設を訪れ、介護職は人を笑顔にできる仕事だと魅力を感じ、三重介護福祉専門学校に入学。在学中に同法人で実習を経験し、卒業後きずなに就職した。
就職1年目は、同校で学び思い描くようになった理想の介護を実践しようと肩に力が入り過ぎ、空回り。利用者とも上手く関わることができず、「あんた嫌いやわ」と言われてしまった。しかし先輩職員に支えられて自然に接することができるようになり、同じ利用者から「あんたがええ」と言ってもらえたそう。
また瀬良垣さんは沖縄で生まれ育ち、地元の先輩が同法人に就職した影響もあり、18歳のときつつじの里で働き始めた。
当初は三重という初めての土地や仕事に慣れず、挫折もあった。例えば排泄介助に抵抗があり上手くできなかったが、同期や先輩に励まされ、自身も努力し、楽しく働けるようになった。利用者からの感謝や「あんたがいてくれて良かった」という言葉がやりがい。
一方、同法人はeラーニング(パソコンを用いた学習)や法人内のコンテストで職員の介護技術向上を支援している。2人は法人内のコンテストで上位となってみえ介護技術コン出場権を獲得し、見事優勝。
そして瀬良垣さんは昨年末、同法人がみえ介護技術コン上位の職員に贈る海外研修で、スウェーデンを訪れた。
松本さんは「利用者様により安心してもらえる介護士になっていきたい。将来の夢としては、施設長になりたいです」、瀬良垣さんは「コンテストでの経験を生かして、今から入ってくる後輩たちも育てていきたいです」と話している。

【統計による世論コントロール】

 統計は現在地を知る羅針盤のようなものである。まるで今の日本はそれが壊れた船に乗っているかのようだ。
2月17日の朝日新聞によると、『毎月勤労統計』の調査手法について、2015年11月の経済財政諮問会議で閣僚らが変更を促していた。もともと勤労統計では、従業員500人以上の事業所全部を調べる必要がある。にもかかわらず、厚生労働省は2004年から東京都分で『抽出調査』をしていた。2018年1月からは密かに抽出調査の結果を本来の全数調査に近づける『データ補正』を始めていたのだ。
また、従業員30~99人の中規模事業者については、調査対象を2~3年で『全数入れ替え』だったのを『部分入れ替え』としていた。『全数入れ替え』では、新興企業や経営難の企業が加わってくると、賃金指数(現金給与総額など)が下がりやすいからだ。その上で厚生労働省は、実勢と整合性をとる為に過去のデータを修正するのだが、その多くは『下方修正』となり、2015年1月の入れ替え時も、民主党政権時代の2011年を上回ったはずの2014年の賃金指数が逆に下回る結果になった。
この下方修正を、2015年3月に首相秘書官(現・財務省関税局長)が厚労省に問題意識として伝達。10月16日の諮問会議では麻生財務相が調査対象の入れ替え時に数値の変動があることを問題視、統計委に具体的改善策を早急に検討するよう求めた(つまり、逆説的に景気の悪化を認めていたのである。あまねく景気が良ければ入れ替える度に上昇する筈だ)。
そして極めつけは、11月4日の諮問会議で日銀総裁が「直近の名目賃金のマイナスは統計上のサンプル要因が影響。実勢は緩やかに上昇していると考える」とし、勤労統計を念頭に統計データを否定した事である。これを、当時の伊藤東大大学院教授や高市総務相も呼応して統計問題の議論を締めくくり、西村統計委員長が12月11日の統計委部会で対応を指示。このとき、厚労省の担当課長は勤労統計を『全数入れ替え』から『部分入れ替え』にして、入れ替え時の数値変動を縮小する考えを表明、過去の修正もやめる方針を示した。
課長は、数値が低く出る新サンプルの方が真の値に近く、入れ替えのたびに真の値と乖離する点も認めたとされるが、注釈で注意喚起するとして方針を変える事はなかった。結果として、統計委は翌2016年に『部分入れ替え』導入を盛り込んだ報告書を作成。勤労統計は2018年1月より『部分入れ替え』を導入し、過去データの修正もやめた。
大きな問題は、そこに日銀総裁の意志がある事だ。世論コントロールで株価コントロールをも期待していたのだろうか?
だとすれば、日銀に対する海外投資家からの信用失墜は時間の問題である。独立性を失っているからだ。2月19日のロイターによると、麻生財務相は午後の衆院財務金融委員会で、この事をついた旧民主党政権最後の元首相からの質問に対し、「積み重なると(日本の統計は)信頼性を欠くことになる。極めて深刻に受け止めている」と述べた。ギリシャの債務危機も、発端は不正統計問題からだったからだ。
実のところ、この指摘は2月13日の夜に、NHKニュースウオッ9で放映された内容と重なるコメントである。だが、その放送内容は直ちに消され、アーカイブされてはいない。そこには外国人投資家からの極めて鋭い意見があったのだ。著名投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏は、「日本株は7、8年保有してきたが、昨年秋に全て売った。株も通貨も、日本関連の資産は何も持っていない。人口減少という構造的な経済減速要因に加え、日銀が大量のお金を刷り続け、日本株や国債を買い支えているのも売りの理由だ」と述べていたのだ。 (次号に続く)
(O・H・M・S・S代表)
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