津市広域獣害対策連絡協議会=岡田廣助会長(78)=が、獣肉の利活用に向けた取り組みの第1弾として、『家庭で気軽に楽しむ猟師料理(ジビエレシピ)集』を17日に発行した。来月には同協議会に所属する上ノ村自治会獣害対策協議会が、流通ルート開拓のため、行政やスーパー関係者などを対象にジビエ料理の試食会を開催。将来的には官民連携で獣肉消費拡大に取り組む組織の発足も目指していく。

 

 

ジビエレシピ集と岡田会長(左)、木村さん

ジビエレシピ集と岡田会長(左)、木村さん

津市では獣害が深刻で、対策として、平成29年度は猪1363頭、鹿3353頭が捕獲された。その一部は三重県の品質・衛生管理マニュアルに基づき加工される「みえジビエ」などとして主に飲食店で消費されるが、ほとんどが埋設処理されていて獣肉の利活用が課題となっている。
そこで津市広域獣害対策連絡協議会(以下、同協議会)では、一般家庭での消費拡大を目指す取り組みの第1歩として、昨年5月頃から「家庭で気軽に楽しむ猟師料理(ジビエレシピ)集」の制作を開始。協議会に所属する猟師やジビエ料理愛好家から集めた、唐揚げ・生姜焼き・ピザなどのレシピ35種類を作者の個性を生かして編集。鹿・猪肉の下処理方法も掲載した。
そして今後、流通ルート開拓も目指す。ジビエは捕獲量が不安定なため安定供給できないことを逆手にとり、CSR活動としてスーパーなどで扱ってもらうことや、消費者への啓発も考えている。来月には同協議会に所属する上ノ村自治会獣害対策協議会=白山町=が、同町内で開かれ地域内外の人が集う「村のレストラン」で、行政や流通業者、同協議会関係者を対象にジビエ料理の試食会を開催し、販路開拓に向けて参加者の交流を図る。
岡田会長は「国や県に任せているだけではなく、現場からアプローチしていかなければいけない」と抱負を話した。
一方、ジビエの知名度自体は向上しているものの、実際の流通量は少なく、更なる消費喚起と安定供給に向けた支援は行政の責務。同協議会事務局の木村和正さんは、将来的に、消費拡大に向けた官民の組織発足と、行政による獣肉処理施設建設を望む。また、みえジビエはブランディングに成功しつつあるが、高額な設備投資が必要で認定基準を満たすことが容易ではなく、獣害対策を基本とした獣肉の利活用とかみ合わない現実も露呈しているため、「(より実践が容易な)国の基準で加工したジビエを、安く販売するルートをつくりたい」としている。
ジビエレシピ集は全17頁。データは上ノ村情報局HPからリンクしている津市広域獣害対策連絡協議会HPで入手可能。
問い合わせは木村さん☎080・9578・4759へ。