講話する大川理事長

講話する大川理事長

津市上弁財津興の市立橋南中学校で20日、2年生約175名を対象に、津南ロータリークラブ=林裕行会長=の8名による恒例の職業講話が行われた。
同校と同クラブは17年前に共に地元の御殿場海岸の清掃を実施。そして後日、講師を交えて環境に関するディスカッションを行い、それが縁で翌年から毎年6月頃に、同クラブ会員が同校に出向き、秋に職業体験を控えた2年生を対象に講話を行っている。生徒にとって、職業体験を前に、幅広い職業の会員から話を聞き、将来について考える良い機会になっているという。
今年の講師のうち、学校法人大川学園=津市大谷町=の大川吉崇理事長(77)は、「幼児の保育と教育」をテーマに講話。
大川さんが高校時代、好きな登山を、校内に登山部がなかったため一人でしていたところ、ある教員が危ないからと同行してくれた。この教員が生徒に親身で、色々と助けてもらったことで大川さんは自分も高校教師になりたいと思って努力し、実際、三重高校の教師となった。
その後、大川学園で働き始め、同学園三重調理専門学校の担当になり、未経験の分野だが何か専門を持ちたいと、三重県の食文化に関して長年各地域の古老に聞き書きし、著作を完成させた。
また同学園の幼稚園で園児に喜んでもらおうと、手品を長期間練習し身に着けたという。「子供は感性が良いから、ちょこちょこっと覚えただけの手品では『もう一度やって』と言わないし、大人にどんどん仕掛けてくる。それに応えるように努力する。どの仕事でも自分ができることが絶対あります」。
そして幼稚園での仕事について「人は毎日、色々なことを決断しながら生きていかなければならない。その力を幼稚園のときに育める環境をつくる。そういうところにやりがいがあります」と話した。