テレビをつけると、スペインの港町を紹介する番組だった。店をのぞき込み、街の人と話してカメラが進んでいく。こんな風に外国を歩いてみたい。私がたまに行く海外は、いつも忙しいツアーで集合時刻とトイレを気にしてばかり。
それでも訪れた国には親近感を覚える。北欧へ行ってから、北欧ミステリーが好きになった。きれいな場所ばかり観光してきたけれど、社会の暗部はこのようかと、改めて知った。もちろんフィクションだから書いてあるそのままが存在するわけではないが、社会の問題点に目を向けるのはどこの国の文学でも同じだ。
チェコやハンガリーへ行った後には、プラハの春やハンガリー動乱についての本を探した。世界史や地理を勉強するにもフィクションでなら取っつきやすい。
この間読んだアメリカの小説では、オバマ以後の南部について知ることになった。いまだにこんな人種差別があるかとアメリカに幻滅した。アメリカに行きたいと思わない。
今興味があるのはアイスランドだ。アイスランドという国を知ったのもミステリーだ。アーナルデュル・インドリダソンの描く陰鬱な風景をきっかけとして調べてみたら、アイスランドはオーロラと火山と滝の国。何と雄大な自然があることか。
読んでから行くか、行ってから読むか。私の中で旅行と本はリンクしている。   (舞)