樹木医の中村さん(右)が三多気の桜の維持管理を指導

樹木医の中村さん(右)が三多気の桜の維持管理を指導

国指定名勝「三多気(みたけ)の桜」=津市美杉町三多気=やその周辺で13日、体験型学習会として、同名勝の維持管理活動や、挿し木体験などが行われた。
主催は、この名勝を積極的に守る仕組みづくりや、次世代への継承に取り組む「三多気の桜」景観保全会=田中稔会長=。地域内外の会員や、日本樹木医会三重県支部所属の樹木医・中村昌幸さん、市職員など約20名が参加した。
三多気の桜は、理源大師聖宝が899年頃に植樹したのが始まりとされる桜並木。周辺の棚田や、茅葺きの家屋などと調和し見事な山里の風景を形成。今春、津市景観計画の「重点地区」に追加された。一方、老齢や、シカの食害などで樹勢の衰退が深刻で、行政による保存管理計画の策定が求められている。
学習会では、中村さんが、桜の木の維持管理を指導。枝を剪定する際の基準を丁寧に説明した。
続いて、剪定した枝葉を使い挿し木体験が行われた。プランター10個に約30本ずつ挿し木が植えられ、参加者が各自で栽培するため持ち帰った。
田中さんは「三多気の桜は今まで植樹によって本数が増えることが多かったが、皆さんに育ててもらえば、本当の意味での三多気の桜が増える」と話した。