2019年7月

伊勢型紙や海外の紙を使った御朱印帳と、武田さん

伊勢型紙や海外の紙を使った御朱印帳と、武田さん

約400年前、津城京口門前で創業した老舗の紙屋「㈱村田紙店」=津市中央、武田真紀子代表取締役=では、3年前に真宗高田派本山専修寺=津市一身田町=から依頼を受けたのを機に、御朱印帳の制作をスタート。同寺で2年前発売して好評を博し、販売数は2300冊近くに上る。
装丁は、①伊勢型紙、②京都府指定無形文化財の「黒谷和紙」に、美濃和紙で専修寺のシンボルである蓮の絵を施したもの、③越前和紙の打雲紙、④和紙に、革に似せた着色などを施した擬革紙、⑤世界各国の紙、⑥古典柄の紙、の6種類。
武田さんら3人が、中の紙を裁断したり、蛇腹式になるようノリで貼るなどの緻密な手作業を行い、ノリを乾かす期間も含め、1冊あたり2週間程かけて制作。
それぞれの紙の色や風合いなどの魅力が、見事に生かされている。
武田さんは「制作の苦労はいっぱいありますが、皆さんに買って頂けて嬉しい。苦労のしがいがあります。津に来る観光客にも使って頂き、観光振興に繋げたい」。
問い合わせは村田紙店☎津228・2737。

江戸中期から始まった農民による土の神の民俗祭祀「社日信仰」の三重県内における現状をまとめた『三重の社日信仰の今』がこのほど出版された。
著者は津観光ガイドネットの西田久光会長(69)。ガイドネットが企画・実施した「JR名松線復旧記念ウォーク」のルート設定の過程で、平成27年6月、津市美杉町八知の仲山神社本殿玉垣内で天照皇太神宮・大己貴命・少彦名命・埴安姫命・倉稲魂命の5神名を刻み天明8年(1788)2月の建立紀年銘がある六角石柱を発見。
後にこの碑が民間学者・大江匡弼が、古代中国の宮城で行われた土の神の祭祀(社日信仰)を日本風に簡易化し天明元年に出版(寛政元年再版)した『神仙霊章春秋社日醮儀』に基づく五神名社日碑(地神碑)であること。全国で数千基確認されている中でも最初期の天明期碑は仲山神社碑を含めわずか8例で7番目に古い碑であることが判明。これを契機に西田会長はガイドネット副会長・吉村武司氏と二人で県内の神社や民俗信仰碑の集積地などをローラー作戦で調査することになった。今年3月まで3年半余を要して約800か所の調査を完了した。
その結果、五神名社日碑系33、簡易型と目される社日碑系22、その他4の計59を確認。また元津藩士・板垣贇夫を団長とする北海道開拓三重団体の中心となった南幌町三重自治区の集会所「三重会館」敷地内に建立された五神名社日碑も番外として現地調査し、これも加え合計60のデータを集積した。
地域的には、旧松阪市の20を筆頭に旧白山町8、旧大台町8、明和町6、旧大宮町5、旧多気町3、旧美杉村3、旧青山町2、旧小俣町・旧二見町・玉城町・度会町各1と、中南勢および一部伊賀に偏在していることが判った。
調査開始当初から西田会長は、神道体系に所載された『春秋社日醮儀』が寛政元年再版本であるため美杉の天明8年碑のテキスト・天明元年初版本を探していたが、昨年5月ようやく入手。この初版本は淡路国二宮の別当延寿院が旧蔵していたもの。淡路島は現在は兵庫県だが江戸期は徳島藩領。藩主導で社日信仰の普及を図ったことで知られ、徳島県では地神さん、淡路島では三重県と同じように「社日さん」と親称されている。入手困難な天明元年本全頁を写真撮影し『三重の社日信仰の今』に付録資料として掲載している。
200部限定。B5判167頁、頒価2千円。津観光ガイドネット事務局(アスト津2階、津市観光協会内)で取扱い。 問い合わせ西田会長へ☎090・3933・6061。

昨年開催時の糸繰り体験の様子

昨年開催時の糸繰り体験の様子

津市一志町高野のJA三重中央郷土資料館で、8月3日㈯10時~15時、「夏休みこどもイベント~見てさわって夏のわくわくたいけん~」が催される。入場無料、荒天中止。主催は一志町歴史語り部の会、同JA。
子供達に、夏休みの思い出をつくったり、昔の暮らしや農業について体験して学んでもらおうと開催しているもので、今回で3回目。内容は次の通り。
▼昔のあそびをたいけんしよう=コマあそび、けん玉、しゃぼん玉。
▼せいさくコーナー=まゆクラフト、万華鏡(まんげきょう)、缶バッジ。
▼昔の道具、農機具などの体験コーナー=唐箕(とうみ)、唐臼(からうす)、たて穴式住居、など。
お菓子やジュースのプレゼントもあり。
主催者は、「夏休みにみんなで『むかし』をたいけんしよう」と呼びかけている。
問い合わせはJA三重中央企画課☎津293・5000へ。

[ 8 / 14 ページ ]« First...678910...Last »