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2019年9月
日本では長雨と台風による日照不足に見舞われたが、7月25日のAPFによると、熱波に覆われた欧州では、23日にはフランス各地の都市で最高気温の記録を更新、ワインの主要産地ボルドーでは41・2度を記録した。また、24日にはベルギーのクライネブローゲル基地で国内最高気温となる39・9度を観測し、1947年6月に観測された記録を更新。ドイツでは、西部ガイレンキルヒェンで40・5度を観測、これまでの国内最高気温40・3度を上回った。そして、オランダでは南部のギルゼ・レイエン基地で38・8度を観測して、75年前の記録を更新、25日にはパリやリンゲン(ドイツ北西部)で42度を超えた。
昨年の様子は以前、この連載で掲載した【ヒートドーム】に記録してあるが、今年の欧州への熱波到来は、ひと月足らずで2度目である。しかも高温だ。英国気象庁によると、英国でも25日に暑さがピークを迎え、20004年8月にフェイバーシャムのケントで観測された国内最高気温38・5度を超えたとし、熱波への対応として、英鉄道会社ネットワークレールは列車の減速運行を発表。フランスの鉄道でも同様の措置が取られている。
古来、避暑地も非日常的なサイトシーイング(観光)のディスティネーション(目的地)とされている。好き好んで暑い場所に行きたい人はそう多くはない。どちらかといえば、日本の文化観光についてもそうだ。暑い時期は弱い。対策として、木陰、噴水、ミストシャワー、打ち水、氷細工、そして風鈴などといった涼をよぶ演出が日本の夏には必要になる。なにしろ、日本の夏は欧州と違って高温の上に湿度も高い。ウチワで扇いでも来るのは温風、熱中症リスクもシビアである。
この点において、調湿性のある日本の木造建築は、風を通すことによって、その性能を発揮する。木材に含まれるセルロースやヘミセルロースには、〝水酸基〟と呼ばれる水分子を引き寄せる部分があり、ここに水分が吸着したり、離れたりすることで、木材が調湿機能を持つからだ。
専門誌によると、8畳間程度の部屋で25℃で湿度が60%のときに室内の空気が含む水蒸気量は、厚さ4ミリで1平方メートルの広さのヒノキ板が吸収できる水分量に相当するという。
また、平成26年度の国交省の事業報告書でも、ヒト存在下の無垢スギ材とクロス貼り内装との相対湿度が、およそ50%程度になるとの調湿効果が実験によって示されており、この事は林野庁の受託事業として、(一社)木を活かす建築推進協議会がまとめた『木の良さデータ整理検討報告書-平成28年3月』にも引用されている。
つまり、適切に湿度が管理された木造建築は、夏の観光コンテンツ足り得るという事だ。これこそまさに体験型である。だが、湿度計などで目に見える形にする必要はある。でなければ、風鈴の音同様、気のせいだという事になってしまうからだ。水蒸気のふるまいは科学的根拠なのである。
ちなみに、風鈴の音に涼を感じるには幼少期における擦り込みが必要で、外国人には通用しないそうだ(出典…NHKチコちゃんに叱られる)。心理的なものである。
(O・H・M・S・S「大宇陀・東紀州・松阪圏サイトシーイング・サポート」代表)
2019年9月29日 AM 4:55
土地の実態を正確に把握する『地籍調査』は災害復旧の観点からも注目され、津市では近年めざましいペースで調査が進められているが、森林は傾斜地も多く測量に危険が伴ったり、現地立ち合いも困難を極めるため課題となっていた。市域の6割を森林が占める津市は、今秋より国のモデル事業として航空写真などを使い、遥かに早く安全に境界が確定できる新たな手法を全国に先駆けて取り組んでいる。
国土調査法に基づき、主に市町村が主体となって行っている地籍調査。一筆毎に土地の所有者、地番、地目を調べ、境界の位置と面積を正確に測量し、境界を確定する。なぜこの作業が必要かというと、登記所に備えられた地図や図面の多くは明治時代の地租改正時に作られたもので、土地の境界や形状が不正確なため。調査を終えると、登記所の登記簿に記載された情報が現在の状態に沿った正確なものへと更新される。
全国の調査進捗率は平成29年度末で52%にとどまっているが、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた被災地において迅速な復興に繋がったことから、その意義が再評価されている。
津市でも、「津市地籍事業計画」を策定し、用地・地籍調査推進課も設置。南海トラフ巨大地震に伴う津波対策として、河芸から香良洲までの沿岸部約10㎢を重点整備計画として平成27年度より、10年計画で取り組んでいる。地域住民の関心の高さから、土地の境界立ち合いもスムーズで計画を2年繰り上げた令和4年に区域内の調査が終了する見通しとなった。調査の進捗率も平成26年度末の2・81%から平成30年度末の3・85%まで短期間で大きく伸ばしている。
しかし、津市が調査を進める上で、大きな課題がある。それは市域の約60%(約420㎢)を占める森林である。そのほとんどが民有地であるがスギやヒノキの木材価格の低迷に伴い、財産としての価値も下がり、相続によって、正確な境界すらわからない状態の土地も多数含まれている。地籍調査するために測量や現地立ち合いを行うにしても、その土地まで辿り着くこと自体が困難であったり、傾斜地などでは滑落の危険もあり、膨大な時間と費用がかかってしまうことが全国的な課題となっていた。
そこで国は、近年発達がめざましい人工衛星や航空機などから地表を観測するリモートセンシング技術を活用した森林の地籍調査マニュアルを策定。津市は、これに基づく国のモデル事業として一志町波瀬・美杉町八手俣地区の森林を対象にした地籍調査を今秋より実施している。ヘリコプターによる対象地域約10㎢の撮影やデータ収集はわずか一日で終了。地権者の境界の現地立ち合いは行わず、デジタルデータを見ながら、境界線を確定していく。今回の対象地域は、わずか3~4年ほどで、登記簿の登録が完了できる見込み。これは全国初の試みとなる。
また、今年度から始まった森林経営管理制度では市町村が森林所有者の意向を確認し、林業経営に適した森林は意欲のある林業経営者に集約を進める一方、林業経営に適さない森林は、環境保護や災害防止の観点から市町村自らが管理していくことが定められている。そのような時代の流れの中で、今回のモデル事業は大きな意義を持つといえる。
津市は地籍調査の先進地となれるよう重点整備地域を含む市街地の地籍調査も積極的に進めていくだけでなく、新たな手法で森林の調査を進めることも期待される。
2019年9月26日 AM 5:00
パン教室で、美味しく手頃な値段で人気のパン屋でもある「COVOPAIN(コーヴォペイン)」=津市大谷町、代表・三矢しんこさん(43)=が今月から、三重県産小麦「ニシノカオリ」「もち小麦」を使った2種類の食パンの全国発送をスタートした。
三矢さんは27歳のとき結婚を機にパン作りに目覚めた。発酵時間などの違いで出来映えが変化することが面白く、30歳頃からのめり込んでいったそう。結婚前には美術館で勤務経験があり、当時から海外作家の鮮やかな色彩の作品が好きで「今作っているカラフルなパンに通じるものがある。パンも1個ずつが芸術作品で、ベストなものを作る過程が好きです」。
ニシノカオリの食パンは角型で甘味があり、しっとりしている。もち小麦の食パンは山型で、もっちり。何れも全国発送するために開発した。「全国の人にも、三重県産小麦の美味しさを知ってほしい。また、私のパンを食べてもらいたいです」。
食パン2種類1セット(各1・5斤)で2324円(送料・代引手数料・税込)。毎月15セット限定で予約を受付け、所定の日に冷凍便で発送。
次回の予約開始日時は10月5日㈯10時。受付は☎090・6082・9126のみ。定数になり次第終了。発送日は10月26日㈯。
2019年9月26日 AM 4:56