ついに県内でも被害発生!

 

桜や梅などの木を食害しながら、全国で生息域を広げている特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」が三重県北部でも確認された。津市ではまだ確認されていないが、桜や梅の名所が市内の貴重な観光資源になっているだけに的確な対策が求められる。行政と市民が一丸となった取り組みで地域ぐるみの資源を守る必要がある。

 

穴から幼虫が出すフラス

穴から幼虫が出すフラス

クビアカツヤカミキリの成虫

クビアカツヤカミキリの成虫

クビアカツヤカミキリは中国と朝鮮半島が原産の甲虫。成虫は全体に光沢のある黒色で胸部が赤いのが特徴。幼虫が木の内部を食べ、2〜3年かけて成虫となり、6月中旬から8月上旬に成虫となり、木の外へ出る。その際、周囲の木に飛び移り、卵を産み付けながら繁殖を続けていく。国の特定外来生物にも指定されており、生きたままの移動や飼育、売買などが禁じられている。
被害地の東京、埼玉、群馬、栃木、愛知、奈良、和歌山、徳島では、梅や桃などの果樹への食害が発生。
さらに今年7月には、三重県北部で桜を食害しているのが確認され、これまでに雌雄16匹が見つかっている。他の被害は確認されていないが、三重県では被害の拡大に備え、警戒を呼びかけている。津市ではまだ未確認だが、桜や梅の名所が重要な観光資源になっているだけに被害を抑える事前の対策は不可欠と言える。
ただ、果樹である梅や桃と比べると、桜は名所以外にも、公園、街路樹、河川など至る所に植えられているため、行政が対策を行うためには、農業だけでなく、観光、公園などの施設、さらに道路や河川などを担当する部署の横断的な連携が必要となる。また、被害地では庭に植えられた梅の木で繁殖するケースも確認されており、被害の範囲を考えると市民へ周知徹底や、対策への協力を得ることは必須。被害の大きい木は、周囲の木を守るために伐採する必要があるが、桜は地域のシンボルとなっていることも多く、伐採の必要性を予め伝えることも必要。
成虫の活動期は、6月〜8月で、これからの季節は見つけづらくなっているが、木の中の幼虫が穴から出すフラス(フンと木くずがまざったものもの)は出し続けるので、発見の手がかりにはなる。行政による飛散を防ぐためのネットや農薬の用意だけでなく、積極的な広報を行い、注意を呼びかけると同時に、発見場所の報告をベースにした情報の集積も必要。他県では、市民を交えた地域ぐるみの防除策も行われており、駆除に対する報酬を用意している自治体もある。
津市では、観光資源だった御殿場海岸のマツが同じくカミキリムシの繁殖によって被害が広がる病気「松くい虫(マツ材線虫病)」への対策の遅れから、甚大な被害を受けただけに悲劇を繰り返すわけにはいかない。
被害の発生に備え、行政と市民が力を合わせた地域ぐるみの対策が求められる。