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今年の春からNHKのBSでドラマ「おしん」の再放送をしている。
子どものおしんが粗末な筏で冬の川を下るシーンや、母の泉ピン子が堕胎しようと雪の積もる川に浸かるシーンは何度も見たような気がするが、私はこのドラマをリアルタイムで見ていない。だから、世界各国でも評判になり、テレビ史に輝くこのドラマを新鮮な気持ちで楽しんでいる。
山形の小作の娘おしんの境遇は、想像もできないほどの過酷さであった。腹いっぱい食べられるようになるのが、幼いおしんの生きる目的。
現在、ドラマの舞台は伊勢や津。戦争の時代のおしんと家族を描いている。おしんの苦闘は続いている。
私はきょう大根めしを炊いた。おしんの大根めしは大根八割にクズ米二割だそうだが、私の作る大根めしはいつもの味ご飯に大根を少し加えるだけなので、普通に美味しい。
今でも社会に格差はある。田舎と都会、貧乏人お金持ちとの間で、教育や就職の機会に大きな差があるのは、よく言われることである。庶民はいつの時代も、身の丈にあった生き方を余儀なくされる。
それでも私は、良い時代に生きていると思う。美味しい大根めしを腹いっぱい食べられるし、戦争を知らないままここまで来たし。再び、おしんの時代に戻らないよう切に願っている。 (舞)
2019年11月28日 AM 4:55