乾燥ソラマメを買った。オーストラリア産で一キロが七百円ほど。生のソラマメだったらちょっぴりパックで数百円だから、乾燥ものは安い。
豆は何でも好きだけど、ソラマメは特に好き。子どもの頃、祖母が作ってくれたソラマメ餡のいばら餅が懐かしい。小豆餡とはまた別の風味でおいしかった。
乾燥ソラマメを一昼夜水に浸したら、ふっくらと大きくなった。それを圧力鍋で数分圧力をかけて柔らかく煮た。ソラマメ餡にもできそうだ。
でも、まずは出汁醤油を使ってひたし豆に。ほくほくと枝豆と栗を合わせたような味わいで、箸が止まらなくなった。甘く煮るより、揚げるより、この食べ方が一番楽でおいしいみたい。
オーストラリア産でもソラマメはソラマメで、醤油とよく合うことがわかった。他に中国やポルトガルから乾燥ソラマメが輸入されている。
もともとソラマメは地中海から西アジアの辺りが原産地。古代エジプトやギリシャ、ローマでも食べられていたという。彼の地ではオリーブオイルやコショウを使って料理されているだろう。
初夏に出回る未熟なソラマメとは違って、乾燥ソラマメは茶色。畑で完熟しているから栄養価も高い。そういえば、お節料理のお多福豆もソラマメだ。まだたくさんある乾燥ソラマメを、さまざまな味で食べてみたい。
(舞)