前葉泰幸津市長インタビュー後編。津ぎょうざ小学校のB─1グランプリでの最高賞受賞や高田本山専修寺の御影堂・如来堂の国宝化を生かした観光、今年の東京オリンピック・パラリンピックを踏まえたスポーツ振興などについて聞いた。(聞き手=本紙報道部長・麻生純矢)

 

前葉泰幸津市長

前葉泰幸津市長

─昨年は津ぎょうざ小学校がB─1グランプリで最高賞を受賞。近年では高田本山専修寺の御影堂と如来堂が国宝に選ばれるなど津市の観光に追い風が吹いていますね。
市長  B─1グランプリは地域づくりと直接繋がっており、津ぎょうざ小学校が最高賞を受賞しました。主催の愛Bリーグもそこをめざしています。例えば津市だと、なぜうなぎではないのかというと完全に地域の文化や魅力として定着しているからです。津ぎょうざはそうではなくて、学校給食がルーツです。パフォーマンスをしながら優勝し、津市の新たな魅力となりました。受賞後には津ぎょうざを出しているお店に行列ができたり、お土産で津駅で買う方も増えました。新しい魅力が加わり、元からある津の名物が再注目されることが地域の元気や活力に繋がっていきます。
高田本山の御影堂は全国5位の大きさの木造建築物。1位は東大寺、2位と3位は西本願寺の阿弥陀堂と御影堂、4位は三十三間堂、その次が高田本山、6位は知恩院本堂と話すと必ず盛り上がります。一人でも胸を張って自慢できる市民が増えれば良いと思います。
─東京オリンピック・パラリンピックの年で、来年は三重とこわか国体ですが、市としてどんな取り組みをされますか。
市長 サオリーナは昨年11月に来場者数100万人を突破。予想を大きく上回りました。来場者の内訳は大会などで訪れたアスリートなどは37万人、残りの63万人は普段の利用です。ジムやフィットネススタジオに来たり、1・2㎞のジョギングコースも朝6時~夜22時まで常に誰かが走っています。
そういう中でオリンピック・パラリンピック、国体と障害者スポーツ大会という流れ。トップアスリートのプレーを見ると感動します。
国体も見て楽しめる機会。ご自身で体を動かす以外にもボランティアでの参加でも貴重な経験がして頂けます。津市は国体の実施本部として800名の市職員が関わり、2年前のインターハイの経験を生かします。
津市では4月8日に聖火リレーが行われますがサオリーナから三重会館まで出て国道23号を通って県庁というコースなので沿道で応援して頂きやすいと思います。
オリンピックでは、百五銀行所属の原沢久喜選手、パラリンピックでは前川楓選手と津市ゆかりの選手の活躍も期待されます。カナダのレスリングチームも、津をキャンプ地に選んでくださったので頑張って頂きたい。
─ありがとうございました。津市の更なる発展を期待しております。

津商工会議所は3月2日㈪16時~20時半、津市大門の都シティ津5階伊勢の間と津市センターパレスホールでビジネス交流会を開く。様々な業種の会員事業所が事業に係る情報発信の場として活用すると共に、業種を超えたビジネスに係るヒントや人脈形成を図り事業拡大や新たネットワークを構築するきっかけとなることが目的。
◆第1部=①講演会。
▼講師…下津醤油㈱代表取締役社長・下津浩嗣氏。テーマ「顧客のニーズに応える商品づくり」
▼講師…㈱日本政策金融公庫津支店。支店長(兼)国民生活事業統轄の田宮良則氏。テーマ「㈱日本政策金融公庫が取扱う事業承継支援事例」
▼第1部②自社PRタイム…写真、図、文字等を用いたパネル等を活用し会社概要、商品説明等のPRを行う。パネルの代わりにパワーポイント、パンフレット、チラシ、商品の披露等も可能。
◆第2部=名刺交換会・交流会(ビュッフェスタイル)※第2部のみの参加は不可。
参加対象者=津商工会議所会員または津市内等に事業所を有する事業者(1企業2名以内)。参加費は、同会議所会員はひとり2千円、非会員はひとり1万円。
申込・問い合わせは同会議所☎059・228・9141へ。申し込み締切は2月7日㈮必着。

国道165号の道路標識(津市高茶屋小森町付近)

国道165号の道路標識(津市高茶屋小森町付近)

紀勢本線を越えてしばらく進むと、再び165号の本線の歩道へ戻り、西へと進む。間もなく、国道を示す道路標識を発見。国道好きにはたまらない〝おにぎり〟で心の栄養補給を行った。
三重県警察学校の前を通り過ぎると、この辺りも新たに商業スペースとして開発が進むなど、少しずつ景色が変わっている。国道側の店舗壁面に時給が貼り出されているので読むとアルバイト募集の掲示があり、高校生900円、一般950円と書かれている。最低賃金が846円に対して、妥当な額ではあるが私たちが学生だった20年以上前は、高校生の時給はせいぜい700円台。時の流れを感じると同時に、少子高齢化で働き手不足が深刻化する中、労働力そのものの価値が高まってい

国道165号と国道23号中勢バイパスの交差点

国道165号と国道23号中勢バイパスの交差点

るということでもあろう。額面がアップすること自体は重要だが、もっと大切なのは、それで何ができるのか、さらに言えば心の豊かさに繋がっているかである。
いくら考えたところで答えが出ないが、パスカルの「人は考える葦である」という言葉通り考えることこそ、人の最大の武器である。現代社会のスピーディーな流れから外れ、自分の足でゆっくりと歩みながら考えると、人間にとって適切な本来の時の流れを感じることができる。
そのまま国道を西進。間もなく、肉まんやあずきバーなど数々のヒット商品でその名を轟かせる井村屋の本社工場、その向かいには、世界中のプロの信頼を集める建設・配管工具の製造などで知られる松阪鉄工所。津市民にとっては、見慣れた風景。しかし、この国道の遥か先で暮らす人々の中には、両社の商品を知っていても、見慣れた道の先で作られていることは知らないかもしれない。逆もまた然りで、この道の先でも、きっと同じようなことがあるはず。私が、この旅を通じて伝えたい既知の向こうにある未知とは、このようなものたちである。
更に進むと、国道23号の中勢バイパスとの交差点に差し掛かる。大きな新しい歩道橋がかかり、ここから南の松阪市方面へとつながる道は陸橋がメイン。接続の形といい165号と比べると土木技術の進化は一目瞭然。道は多くの人の思いが踏み固められ、形になるがそれをなし得るのは人の業を置いて他にない。
中勢バイパスの全線開通までには、まだ時間が必要だが、この区間の連結によって、国道165号の価値が大きく高まったといっても過言ではない。三重県の南北を縦断するこの道は、現代の参宮街道という一面も持っている。前回、紀勢本線のルーツである参宮鉄道の話をしたが、今も昔も伊勢神宮は人々の心の拠り所であり続けているなによりの証拠でもある。
(三重ふるさと新聞報道部長・麻生純矢)

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