発達障害のリアルを当事者・専門家らが語る対談連載。発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違うために幼いうちから現れる様々な症状。出生率は数十人に一人と言われる。心理士の米田奈緒子さん、当事者の母・堀井真由美さんが発達障害の一つ、LD(学習障害)により読み書きが苦手な子の療育を語る(敬称略)。

 

 

米田奈緒子 さん (一社)家庭教育研究センターFACEふぁす=鈴鹿市=代表。臨床発達心理士。三重県内の公的機関で発達検査を行っている。3児の母。

米田奈緒子 さん
(一社)家庭教育研究センターFACEふぁす=鈴鹿市=代表。臨床発達心理士。三重県内の公的機関で発達検査を行っている。3児の母。

堀井真由美 さん 2児の母。次女は広汎性発達障害。こんぺいとう(旧SAS鈴鹿自閉症勉強会)代表。当事者の親同士を繋げるためランチトークを催している。

堀井真由美 さん
2児の母。次女は広汎性発達障害。こんぺいとう(旧SAS鈴鹿自閉症勉強会)代表。当事者の親同士を繋げるためランチトークを催している。

米田 FACEはLDを持つ子供の療育を行っています。読み書きが極端に苦手な子の中には、手や目などを思い通りに動かす身体協応の発達の遅れや、正しい形が見える・音を聞き分けられるといった認知発達の遅れが要因であるケースも。その子に応じた方法でトレーニングをします。
堀井 字が書けない要因を、様々な角度から確認することができる機関は少ないんですよね。
米田 そうなんです。例えば複数のスティックを見本と同じ形に置く視覚認知のトレーニングでは、皆で棒付きアイスを食べてその棒をスティックとして使ったりして面白くしています。子供は楽しんでやればすごく力がつくので。この様に教材を工夫できるのが、療育の良さだと思います。
そういう子たちの多くは、身体全体の筋肉発達もアンバランスなので、無駄に力が入っているために、文字を書いているとすぐに疲れてしまうので、鉛筆を持つというだけで嫌がるのです。でもFACEでは鉛筆を使わないトレーニングから始めるので喜んで通ってもらえるし、すぐに文字を正しく書けるようにはならないんですが、書くことが苦痛ではなくなり、練習しようという気持ちになれるんです。少しでも多く好例を作り、療育の情報を発信し、苦しんでいる親御さんやお子さんの手掛かりになれば。
堀井 ただ当事者の親御さんがFACEさんと繋がるのが中々難しい。
米田 そうですね。運営が民間ということで怪しいというイメージを持たれることもあり、それを払拭したいんです。
医療・教育機関はそれぞれ児童福祉の課題に一生懸命取り組んでいますが、各機関を繋げるのが難しい。子供は病院ばかり、または学校ばかりに居るのではなく家を拠点にあちこちで活動しているんですけどね。そして、そういう姿を見立てるのが私たちも行っているアセスメントです。
堀井 保護者も子供を適切にサポートするためにアセスメントが欲しいんですが、どこに行けば良いのかが分からない。
米田 そういった情報を広めたいのですが、FACEだけでは難しいので同じことができる人を増やし、チームで療育と情報発信に取り組むモデルを作りたいと思っています。 (次回に続く)